「海難1890/救難1895 日本トルコ友好の架け橋」海難1890 りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
海難1890/救難1895 日本トルコ友好の架け橋
1890年、トルコから明治天皇宛に親善大使一行がやってくる。
当時のことゆえ、大型帆船による600名を超す大規模な一団だ。
その帰路、帆船エルトゥールル号は台風に遭い、和歌山県串本沖で座礁してしまう。
座礁した一団を串本の大島の島民たちが「漁師魂」を発揮して救出するというのが、映画の前半。
後半は1985年のイラク軍の急襲によりイランのテヘランに取り残された日本人たちをトルコ政府が救援機を出して救出するというハナシ。
こちらは、困窮した人には救いの手を差し出すというイスラム教の教えが根底にあり、過去のエルトゥールル号の救援に対する恩返しの側面もあった。
いずれも、実話。
なので、映画のタイトルとしては『海難1890/救難1895 日本トルコ友好の架け橋』とすると判り易いだろう。
なにしろ、映画本編の前に、トルコのエルドワン大統領の祝辞までついているのだから。
で、映画としては・・・
うーむ、どうなのかしら。
132分とそれなりの尺があるけれど、実話の再現ドラマの域を出ていないように感じました。
前半部分は、エルトゥールル号の再現も含め、暗い中での救出劇など画的には相当見応えはあるけれど、竹中直人が扮する利己的な医者など登場人物のつくり込みが甘すぎ。
後半部分は、前半に比べ尺も短く、ほとんどドラマになっておらず、再現ドラマのダイジェストに終始してしまった。
まぁ、知らなかった歴史の一面を知るという意味では、貴重な映画なのだけれど、もう少し上手いつくりかたができなかったものかと残念無念。
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