紙の月のレビュー・感想・評価
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どんどん置いていかれる感じ
残念ながら、主人公に全く共感できなかった側の人間です。
監督は好きなので最後まで観てしまいましたが、、、。
ずっと「彼女、大丈夫??」と思いながら観ていた。
明らかに何か大丈夫じゃない主人公が、なぜ大丈夫じゃないかの理由も特に作中で語られることもない。
そして最後も別に大丈夫になったわけじゃない。
ずっとふわふわしながら、自分で起こしたトラブルもふわふわ潜り抜けて、特段反省も後悔もする事もなくふわふわどっかに行っただけ。
高校生時代の彼女が必死に反論するシーンも、「私、幸せなんです。」と言われても、
お金財布から無くなってたお父さんは不幸せだっただろうね、としか思えなかった。
そもそもこの回想は何なんだろう。
"被告人は子供の頃からそういう傾向があったのです"みたいな、狡い裁判の証言みたいであまり心打たれない。
主人公について知りたいのはそこじゃ無い。
顔に傷のある男性を観ただけで、まるで
「あのときお金を送っていた男の子だ!」
と勘付くような最後のオチも寒い。
そんなこと現実的な確率で考えたらあり得るはずないのに、彼女は即座に自分のことに関連付ける。
どこまでも自分だけの世界で生きてる主人公なんだなあと思って呆れた。
なんで?
池松壮亮と宮沢りえが、たった3回の出会いでいきなりこんか状態になるか!?
その描写、プロセス不足の消化不良が、作品の最後まで引きずって見る事になる。
銀行の横領はさながら黒革の手帖をちょこっと捻った程度。
最後は海外逃亡でチャンチャンとは、、、
しかし窓口業務の女子行員のキャラパターンってこれしか無いのかね。
池松君がいい
池松君みたさで見た。
最初の調子にのってくる前の池松君が…
もう本当に素敵というかタイプというか大好きで
一人胸キュンしてたまらなかった。
(特にお金を断るシーン)
宮沢りえと同じく銀行に働く大島優子と小林さんがまた
なんともいえずよくて、宮沢りえ演じる梅澤さんの
中にいる心の声のように見えた。
この映画見る前は主婦が若い男と不倫して
それきっかけにお金に手をつけてどうしようもなくなる映画って
かんじかなーって思っていたけど、
梅澤さんは心から悪ってわけではないみたいだった。
それが幼少時代のエピソードでよくかかれているなと思った。
最後の異国で果物をかじるまなざしとか
なんだか強く生きていそうだなと思った。
また見てもいいかも。
紙切れの幸せ
制服は人の本性を隠す。
主人公が私服と制服に着替えることで、中身も変わるようでした。
一見優しそうだけれど、自己中で思いやりの欠ける夫。パート上がりの契約社員ということで、職場でもやや立場が弱いのか。常に周囲の顔色を伺い、自身を抑圧している主人公を見ていて、とてもストレスが溜まりました。身分不相応の生活に溺れて麻痺していく姿にもヒヤヒヤしました。法を犯してまで欲しいものなど自分にはないから、全く共感はしません。
お金持ちが使わないで余っているお金を他人が使う…。経済効果はあるかも知れませんが、主人公による独断の「金の分配」は独りよがりの正義です。彼女のお金じゃないのですから。
預金が一体誰の何の目的の資金になっているか、寄付金が実際どう使われているか、その先は不透明である点を上手く浮き彫りにしていました。「ニセモノでもいいのよ、いいじゃない、キレイなんだから。」そうでしょうか?
お金を使うべき人間が、資金繰りに奔走し、お金に使われる状況に。「お金じゃ自由になれない。」やりたいことをやることが幸せであると信じ、それを我慢する理由がお金である限り、自由ではないのでしょう。無理なくやれていることに幸せを見付けない限り、自分自身を自由にすることは出来ません。
いいよ、あげるよ、(拾ってくれてありがとう)と(言ったのか?)貰った青リンゴ。それこそがホンモノの好意であり、それだけがホンモノの善意でした。
隅さんのように重箱の隅をつついてくれる社員が居なければ、銀行になんて預けられません(^_^;)。
お金って怖い
初日舞台挨拶付上映で観賞。
宮沢りえさんほどの美人な主婦の方が、DINKSで働いているとそりゃ誘惑が多いでしょう。無関心なご主人がよろしくない。
大学生に豪遊する味を覚えさせお金でつなぎ止めようとしたが、若い女性に乗り換えられる。これも至極当たり前。
この映画の魅力は、全てが発覚してからの小林聡美さん演じる行員とのやりとりと、その後出奔する宮沢さんの姿。
美しかったです。
予告どおりというか…
だいぶ前に劇場で見ましたがレビュー。
テレビCM等で予告を見て気になり、かなり期待して鑑賞しました。
予告では、主人公が若い男に貢いで銀行の金を横領、最後は走って逃げるシーン…
話の流れそのものというか、予告がまんまストーリーだったので。
そこからまたひとひねりあるのかなーと思っていたので、え?という感じで終わっちゃいました。
多分人生で初めて鑑賞後に損したなーと思った映画です。
役者さんの演技はもちろんよかったですし、
今でも印象に残ってるシーンは多いです。
犯行シーンは見ててハラハラしました。
映画を見るときどこに重きを置くかによって、楽しめるかどうか決まる作品かなー。
徹夜ぐらいしか思いつかなかった
小林聡美と宮沢りえが対峙するラスト10分間くらいが物凄く良かった。
窓ガラスがっしゃーん
「一緒にいきますか?」
これぞ映画だというラスト
すげえ!
最後の部分だけ繰り返して何度も観てしまいました
良かった。
あらすじは、銀行員の横領事件。若い男に貢ぐために横領を重ねた悲しい銀行員の話し。
だけでは無く、ありふれた毎日の生活の中で、充たされない何かに不満を持ちつつも生きてきたけれど…、ある日仕事を持ったことから、少しお金を借りただけ、ちょっと勇気を出して年下の男の子に話しただけ、ふとしたきっかけから、ころころと坂道を駆け降りる、そう自転車のように、ハンドルを握るのは自分、ブレーキは始めは効くはずなのに、スピードを増すともう止められない、後はハンドルさばきで…。自転車は自分の力で動かすことが出来るもの、でもだから…。BMWとの比較?スイッチなんてほとんど無い(笑)。
途中交差点で立ち止まる自転車に乗った主人公が尋ねられる、「渡るの渡らないの?」彼女は渡った。もう後戻りしないとでも決めたように…。
あまり深く話しを知らず、若い男に金を貢ぐために横領を重ねた悲しい銀行員の話しと思っていたら、ぜんぜん違っていました。とても良かった。
宮沢りえさんが女優賞を取った映画だと知っていましたが、凄いと思いました。本当にどんどん変化していく女性の姿が演じられていた。 最後はガラスを割って逃げ 出した彼女…。どんどん変化していく、力強くなっていく女性の凄さを感じました。 でも、その本質的な力は少女から持っていたけれど…。
でも、それだけで無くて凄く丁寧に物語が進められていて、出ているキャスト全てが良かった。いい脚本だと思いました。
女優さんたちの演技、宮沢りえ、小林聡美、大島優子さんたちももちろん良かったけれど、少しボケかけてきている、買い物にしか充たされない、ニセモノとわかっていても…。車になんか興味ないと言っている奥さん、どこにでもあるようなことだけど…本当に脇役さんたちも丁寧に描かれていたように思った。 そう、男優さんたちも…夫もお爺さんも、最後の銀行員さんたちの中にたぶん次長もその上の方々もいませんでしたね…。小林聡美さんだけでしたね…。
少女の頃、見ていた少年の写真が若い男の子、不倫相手に似ていると思ったが?
バブリーな時代を感じさせるホテルでの散財場面も、こんなこといつまでも続かないけれど、と今の時代だからこそ知っている私たちだけど…。
最後に逃げ付いた土地はかつて盲目的に施しを重ねたところ。そこで目にした彼の笑顔…。
たぶん私的にこのラストが良かったのかなぁ…。この映画では誰もそんなに不幸になってないので…。
本当に何も知らずに、観る前は、紙の月=ペーパームーン、あの親子の名作モノクロのアメリカ映画を少し意識していたけれど…ぜんぜん違っていました。
もっとたくさんに人に観て欲しいと思い、☆たくさん付けました。
最後の果物をかじるシーンがすべて♪
宮沢りえの演技にすごく引き込まれた映画でした。ストーリーは誰でも思い浮かぶ内容だけど、現実的な描写と非現実的な描写のカットの入れ方がすごく効果的で、演出が秀逸に感じました。ほんと上手いです。
主人公がなぜこんな犯罪に手を染めてしまったかという子供の頃の描写も素敵でしたね。裕福だけど良い家庭で育ったわけではなく、両親とはもう縁を切ってるのでは?というかんじで、そのへんの歪みが大人になって平凡な毎日の中、旦那にも愛されているわけでもなく、大学生の男をトリガーにして爆発してしまったかんじでしょうかね。
色々な教訓がある映画で、観る人によって感じ方は様々だと思うけど、わたし的には方向は間違っていたとしてもやりたいことを思いっきりやってみてそれでダメならまたやり直せばいいやん!っていう教訓を得た映画でした。バットストーリーではなかったのがこう思わせたのかな。
あれだけのことをやっても窓ガラスを割って逃げて、更に異国の地で転がってきた果物をガブリとできるなんてなかなか素敵やん。みんなストレスため過ぎだからもっと自由に生きたらいい!という教訓に思えました。
もちろん犯罪はだめなのは言うまでもないけどこれ映画だからね。ってかんじです♪
わたしは好き
宮沢りえさんがいい演技してた。
あと優子ちゃん。良かった。
優子ちゃん役のようなちゃっかりした後輩の生き方、憧れる。
一緒に見ていた彼氏は
なぜ横領した奴が捕まらずに海外へ行って終わりなんだ、面白くない。旦那もいい人なのに可哀想。と言っていたけども
わたしはそんな終わり方が好きだし、旦那さんの行動は酷いとも感じた。
真面目に生きてる自分がみじめだと思うなら
あなたも道を踏み外してみる?
と問いかけてくるそんな映画。
1人のOLとして、感情移入して映画に見入ってしまった。面白かった。
普通の主婦
普通に主婦をしているので、なんだかハラハラしながら見ました。溺れてしまうほどな年下クンっているのだろうか。最後にガラスを割り逃げるシーンは気持ち良かった。私も走りたくなりました。
梨華役のりえちゃんいい
抑制された画面。抑制されたストーリー。抑制された感情。1994-95という時代は、バブルがはじけて昭和が終わり、平成が始まったばかり。一方で世紀末というキーワードもあり、きたる21世紀とのはざまで、ちょうどパーソナルコンピュータが出始めたばかりのころだ。作中でも大学生のコウタはマッキントッシュを買ってもらっている。
お金と幸せについてとても考えさせられる映画だ。主人公の梅沢梨華は、銀行員として、他人のお金を預かり、運用しなければならない役目を背負っている。そのためには小林聡美さんの演じるお局さんのような銀行員は必要なのだ。田辺誠一演ずる梨華の夫は、自分の出世にしか興味がない。大学をやめなくてはならないという状況に追い込まれている年下のコウタに惹かれてゆく梨華。一旦火がついてからは、バブリーな展開になる。それでも演出は手堅い。抑制された演技によって犯罪は続けられてゆく。大島優子の役柄が、悪魔的で良かった。ラスト、梨華は希望を見たのだろうか。
さすが、愛されてますね、わかりやすく。
映画「紙の月」(吉田大八監督)から。
ストリー的には、宮沢りえさん演じる銀行員が、
ちょっしたことから、預かったお金に手を付けて、
どんどん泥沼にはまっていく展開であり、
目新しいものはない気がした。
よくありがちな事件として、時々新聞紙上で目にする
横領のドキュメンタリー映画のようだった。
そんな中、「気になる一言」に選んだのは、
男性から女性への愛の表現方法である贈り物。
主人公の妻が、夫からのプレゼントである、
高級腕時計をしている様子を、若い女性が冷やかす。
「さすが、愛されてますね、わかりやすく」
このちょっぴり皮肉めいた台詞が、面白い。
高級な贈り物をもらうってことは、愛されている証拠、
あなたは、そう思っているだろうけれど、
意外と愛されていないかもよ、という意味が、
どこかに引っかかっていて、物語もそれを証明していく。
「仮面夫婦」とまでは言わないけれど、
幸せの夫婦を装っている、とでも言いたげな台詞は、
口にした本人が上司と不倫しているからこそ、
インパクトがあったのかもしれない。
「私も愛されてますよ、わかりやすくないけど」
そんな意味が隠されていると思うと可笑しかった。
こわーい
この映画は何と言っても人のちょっとした出来心というか、隙に漬け込む映画。
この主人公の引き金は買い物をして、少しお金を借りるところからだろう。
金融関係の人は見ないほうが良い。
てゆーか旦那。あの旦那最悪。
時計のシーンは本当に嫌気がさしました。
更に海外赴任が決まったシーンや、クレジットカードを作って良い悪いのシーンも。
既にクレジットカードを持っていたら、彼女に免疫が出来てたはず。
大島優子の存在も引き金であったはず。
恐ろしいなぁ…思わず投影させてしまった。
やっと観られた!!
若い男との不倫資金を捻出するため、勤務先の銀行で横領を繰り返した挙句に窓ガラスをぶち破って国外逃走した梅沢梨花の転落を描いた作品。
梅沢のやっていることはどれもアホなんだけど、共感できるところも多くて、堕ちていく彼女の姿に自分のことのように心が痛んだ。
わかるよぉ、わかるよぉ、その危うさ。
「最初は・・・ちょっとした出来心だったんです(モザイク声)」っていうやつだよね、所謂。
普通の日常から瞬く間に転げ落ちていく「誰にでも起こりうる感」が、「坂」と、生活感の象徴である「ママチャリ」から伝わってきた。
梅沢が書類をガッと掴んで受付を横切るシーンのスローモーションと、自転車で下り坂を疾走するシーンでかかるハードロック調のBGMが、アクション映画じゃないのにアクション映画のような臨場感と重厚感を演出していてすごく好き。
ストーリーも展開もわかりやすいし、やっぱり果てしなく美しい宮沢りえの表情も秀逸ですごく満足だったけど、数日前に「シンドラーのリスト」に星5つをつけたばっかりだからそれと一緒ってのもアレだという理由から、4.5個。という相対評価の闇。笑
ラストのみ疑問
面白かったです。
まず宮沢りえがとてもきれいでした。
ちゃんと恋してるときはきれいになってくし、気持ちが沈んでるときはおばさんにみえるのもよかった。
全体的にリアリティ溢れる展開ですごくよかったのですが、ラストは個人的には微妙でした。
逃げ切れるかあ??
善良で平凡な主婦が墜ちていく
何不自由ない平凡な専業主婦が、銀行の外回り営業の契約社員の仕事を始め、社会復帰を果たす。頑張って働いた初任給で、夫に時計をプレゼントするが、安物だったためか、あまり、喜んでもらえない。子供にも恵まれず、夫は、自分の仕事を軽んじている。ここまでは、ありがちで、リアルな設定だと思う。夫への不信感、満たされない心が、大学生との不倫へと溺れさせていく。不倫に発展するまでが、唐突すぎる感があった。その後は、坂道を転げ落ちるように、横領に手を染めていく。横領で得た紙切れが、自分の生活を変えていく。
全体を通して、淡々と、言葉少なめに展開していく。伏線として、高校時代のエピソードが、入る。彼女の歪んだ善意の説明になるのであろうか。
正直、感動も共感も、面白みも、なかった。
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