紙の月のレビュー・感想・評価
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ズドーンっと心に来た
とても心にくる映画でした。
宮沢りえさんもさることながら、小林聡美さんの演技には圧巻。
池松壮亮もよかった。色っぽさと演技の上手さ。
しかし、エンディングの曲が少し残念だった。
あそこは劇中歌?の賛美歌でよかった。
女優さん達がネコに見えたました?
主演の宮沢リエさんに加えて同じ女性銀行員の大島、小林さんの
お二人が刺身のワサビようにピリッ!と画面を引き締めていたのが印象的でした。
特に大島さんは女優さんとして見直しました。また日本アカデミー賞等を頂けるといいですね!
ところで、私にはお三方ともネコに見えたのはどうしてなのか?
したたか、可愛さ、冷徹、ワガママそんなネコの性格が三人の女性に投影して感じられたんでしょうか?
黒と白の崖っぷちで
僕がバスに乗っていたときのこと。停留所が近づくと、せっかちな客が立ち上がって二三歩、降車口に向かってバス車内を歩いた。
「絶対に動かないでください!!バスはまだ動いています!!」
厳しい口調で注意したのは、バスの運転手、それは女性だった。
客が降り際に、再びその女性運転手は
「バスが止まるまで、席を離れないで!怪我をしますよ!!」
と実に厳しく忠告した。
僕はこの光景を一部始終見ていた。
もちろん、自分が運転するバスの中で、乗客に怪我でもされたら、それこそ場合によっては、自分の職を失うかもしれない。
このバスの女性運転手の指導は実に適切であり、客の安全を守ると言う、運転手としての責務を全うしていると言える。
しかし、ほとんどの乗客は、バスの中でアナウンスされる
「バスが停留所に止まってから席をお立ちください。運転中、席を移動する事は大変危険です」という忠告を聞こうとはしない。
あえて、危険な行為をバス車内で行って平気な顔をしている。
それは「ありがちな行為」だ。
それをひとつひとつ忠告しようとする女性運転手に、僕はある種の尊敬と愚直さと「女らしさ」を感じるのだ。
というのも、誤解と非難を恐れず、男目線から言わせて頂くと「女らしさ」の要素の一つとは「融通が効かない事」だと思うからだ。
本作「紙の月」で僕が最も注目したのは、宮沢りえ演じる主人公でもなく、やや子役臭さがいまだに残る、大島優子の演技でもなく、小林聡美演じる、実に融通の利かない銀行事務員「隅より子」という人物像だった。
本作は銀行員にとっておもわずやってしまいそうになる、誘惑に駆られる、そういった「ありがちな行為」にハマってしまった一女性銀行員の話である。宮沢りえ演じる主人公、梅澤梨花は、銀行の契約社員である。
仕事は外回りの営業だ。
個人客を訪問し、定期預金などの「商品」を販売し、客の財布から銀行に金を預けさせるのが彼女の仕事だ。彼女は、顧客の孫である、大学生と知り合いになる。夫は海外勤務が決まったばかりだ。彼女と大学生は男女の関係となった。彼女は若者との「甘い生活」その快楽に、どっぷりと浸ってしまう。男との危うい、しかし、魅力的な火遊びには「金」が必要だ。そこで彼女は顧客の金を私的に流用した。
最初は「ほんの数時間」借りるだけ。
後で自分の預金から返しておけば問題はない。
その事実は銀行の内部で発覚しなかった。
一度やってバレないのならば、何度やっても分からない。
やがて彼女の顧客資金流用は歯止めを失ってしまう。
本作はその顛末を丁寧に描いてゆく。
さて、僕が注目した「隅より子」と言う人物。
銀行勤続25年。いわゆるお局さんである。
この人は何を楽しみに生きているのだろう?
この人は銀行の仕事にどんなやりがいを感じて25年勤続しているのだろう?
そのあたりにスポットはあたっていないので、なおさら不思議な人物像に思えてしまう。きっと、腹の中では色々と溜まってそうな人物である。また、そう思わせる小林聡美の演技力が僕には光って見えた。
主人公の不正行為に最初に気づくのが、この「隅より子」である。
映画の終盤、主人公梅澤梨花と隅より子が対峙する場面がある。
「あなたはそのお金で好き放題やってきたんでしょ?」
と隅より子は梅澤を問いつめる。
しかしである。その言葉の中に、どこか主人公のタガを外した「オンナの生き方」に「自分には出来ない」と言う諦めと共に、一種の「あこがれ」を感じているかのようなのである。
「自分だって、彼女の様にオトコに走ってみたい」
「なにかに夢中になる生き方をしてみたい」
そう感じているかのようである。
それを許さないのはなぜか?
自分は「融通が効かないオンナ」だからにほかならない。
お金を融通する事。
それこそが「金融」である。
銀行の業務の最も根っこにあたる機能の一つだ。
銀行の一部の特権的なオトコ達は、その地位を利用してお金を「融通」させすぎた。結果として天文学的な金額が回収不能、不良債権となった。しかし、それが元でブタ箱に放り込まれた銀行経営陣はいないようである。ほとんど全ての不良債権は、代わりに赤ちゃんからお年寄りまで、国民の税金でチャラにしてしまった。
そういう「巨悪」はこの国では丁寧にオブラートで包まれている。
一人のある意味「哀れなオンナ」の一例として本作を見るのか?
あるいは誰しもが持っている「ありがちな」心に閉じ込めてある「悪」の扉を開いてみせるのか?
吉田大八監督が描く、無機質な白と黒しかない銀行内部の風景。その間のグレーを読み取れるのなら、本作の味わいはぐっと深まると思うのである。
池松。奇跡の風穴。
欠陥だらけの値打ちしかない、と言う、
そういう書き方のレビュアーの方々、ちらほら見受けられるが、
欠陥こそ生み出された段落、
作者が知った上で作っているに違いないだろう、あんな圧倒的計算尽くめの台詞や演出が出るのだ、それをお分かりでないのが、
余計な世話と知りつつ、不憫、と言わせていただく。
しかし、そんな職人芸、手練の連続、隙の無さに、
まあ辟易しなくもない自分もいるにはいる。
台詞と演出と編集の選択の連続の、正解オンパレード……
………気に食わない。絶望的に。
が、しかし、の、しかし、
池松壮亮。
彼の存在が、存在、もはやそれだけが、この作品に、クソ真面目な鉄壁に、野性のエロチシズム、生々しい魂の悶え打つ震え、
つまり生命の神秘を、奇跡のように風穴あけていて、
心底から目が離せなかった。
何か物足りない
角田さんの原本も見ていて、NHKの作品もすごく良かったので期待していましたが、宮沢りえの演技は良かったが、相手の大学生が魅力にかけていて、こんな人の為に自分を変えれるのか納得いかないし、定期預金を製造する所はNHKの方が迫力があった。
ビフォー バブル、アフター バブル
端的に言うと、宮沢りえが、バブルの前から、バブル後を一人で演じていたなと、思えた作品であった、人の欲情、次から、次へと、際限がない〜、子供の頃からの本能か、大人になっても、変わらない⁉︎
しかし、あの若い俳優、他に、いなかったのかな⁉️
思っていたよりも秀作だった
原作は未読ですが、TV版の原田知世さんの方は
だいたい見ていてあらすじは知っていました。
それが映画になるとどんな感じになるのか
興味があって鑑賞。
ストーリーに特に目新しさはないのに
映画としての出来に感心しました。
この映画は役者を見るための映画だと思います。
「退屈するかもなあ…」と観る前は不安でしたが
そんなことはありませんでした。
防音の完璧な映画館か、客があまりいない静かな映画館wで
落ち着いてじっくりと鑑賞することを
おすすめします。
…老けると肌の質感がノッペリするのに対して、
若いと、逆光でうぶ毛がキラキラと光る、
そんな描写が象徴的で残酷で美しかったです。
あと、Performaが懐かしかったw
おしい映画でした
宮沢りえがものすごく老けててビックリしました。
だから途中で、女子大生にキレーって言われてもちょっとミスキャストかな?って思ってしまいました。
まぁ、それはさておき、いくら私生活に刺激がなくても、なんであんなキモい大学生と不倫したんでしょうね…
そして、濡れ場が多すぎる気がしました。
最後のクライマックスはやっぱり捕まって欲しかったわ。そして、旦那も悲惨なことになったとかもやって欲しかった。
なんかスッキリしない終わり方でした。
よかったけれども
NHKの同作のドラマを観ており、
主演に違和感をおぼえたが気になり劇場へ。
宮沢りえはよかったけれど、それ以上に
小林聡美の存在感が素晴らしかった。
ベッドシーンの多さには閉口。
別の表現でもよかったのでは?
ドキドキした
最初から最後までドキドキしながら観ました。宮沢りえはいわずもがな、小林聡美が凄かった。
嫌悪感を抱く人もいるだろうなあ…。宮沢りえ演じる梨花に、乗れるか乗れないかだと思う。ラストはちょっとこじ付けすぎかな?軽やかに走るクライマックスで終わってれば満点!
とはいえ、非常におもしろかったです。
クライマックスの不思議な爽快感!
あなたが感じてる幸せは、ホンモノですか?
という問いを突き付けてくる映画。
犯罪に手を染める時のスローモーションを多用した緊張感のある演出と、お金を使いまくる時の弾けた演出、日常と非日常のギャップがイイ!
わかっちゃいるけど止められない。
堕ちてゆく先に、当然訪れる展開は意外な結末に。
宮沢りえのくたびれた口元がリアルだった。
お金の使い道。
映画化されると評価も高くなる角田光代の原作を吉田大八監督が映画化。
契約社員の銀行員が何千万も横領したというお話。
銀行という場所は、会社を相手にしているときは企業対企業という感じで、語弊があるかもしれないが、頼もしく見えるときもある。
これが対個人ということになると、とたんに怪物のように目の前に立ちはだかる。
僕自身は預金があるくらいで、銀行と折衝する場がないので銀行の脅威というものを感じたことはないのだが。
映画のなかで梨花(宮沢りえ)が見せた横領の手口は、信用をバックにしたもので、到底許されるものではない。
だが、映画の梨花に対して、そのような怒りを覚えないのも、また確かである。
誰かに融通しその人が喜んでくれるのが、自分の喜び。そのためなら手段は二の次。
だが、そういった一種の享楽は長くは続かない。
宮沢りえが美しい。美しいだけではなく梨花という人物になっていた。
小林聡美も素晴らしい。
ラストのふたりの対決は見応えがあった。
お金。使い方には十分に気をつけよう。分相応に。
角田さんっぽい作品でした
地元の神戸がロケ地だったので観に行きました。個人的には楽しめました。八日目の蝉は映画と小説を読みましたが、それと似たような雰囲気を感じました。また小説もチェックしたいと思います。
面白いけどよくわからないなぁ
話のネタとしては面白そうな内容と思い、映画館で鑑賞。まぁまぁ面白かったが、映画という限られた時間だからか、突然の展開がやや多い印象。原作を読んでみてから見るとまた違うのかも。全体としては可もなく不可もなくでした。
ストーリー展開の唐突感が否めず
ストーリー展開の唐突感が否めず、仕上がりの悪さを感じた。おそらく原作はもっと深い気が。唐突過ぎる展開が感情移入に至れない。
悪くはないけれど・・・っていうのが正直な感想。特にラストには注文をつけたい程。
ただ出演者の演技力が脚本の軽薄さをカバーして余りあったのでは。宮沢りえさんは言うに及ばず、小林聡美さんの演技はさすが。こんな憎らしい程のベテランOLさんいそうだよなぁ・・・と。そして意外にも?元AKBの大島優子さんの演技の上手さには惹かれるものを感じた。未来明るい女優さんと。
そんなに
NHK版を観てなかったからかな。ちょっと唐突な展開は否めないけど、そんなに悪くないと思う。
でも横領していく過程がなぁ。
心に傷があるわけでもなく、夫婦間の仲が悪いわけでもなく、もう少し堕ちていく過程にインパクトがあれば締まるんじゃないかなぁ。
しかし宮沢りえ、歳取ったなあ…
あまりに唐突すぎない?..
ちょっとガッカリ(-.-)
いきなりホテルはないじゃない?もう少し一線を超えてしまうまでの家庭の背景がほしかったな~
原作をよんだ方が良かったかも...
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