紙の月のレビュー・感想・評価
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最後のオチがー、、イマイチ。
ありそうでなさそうで、でもやっぱり真面目銀行員にありそうな話!しかし宮沢りえがエロジジイの孫の若い男に惹かれた動機が薄すぎ!何処が良かったんだw ただでさえ嫌な顧客の孫で更にストーカーされて、旦那はいい人だし。大島優子いい味出してた、悪さしそうとかけしかけといてちゃっかり不倫辞めて地元で結婚^^
金が怖いのではない。金の背後にある人間のあらゆる情念が怖いのだ
生活に窮することのないちょっとアッパー気味の中流家庭の主婦(主人公:宮沢りえ)が、ひょんなことから年下の彼氏が出来き、彼氏のために出来心で横領をしてしまう。
横領をした主人公は彼氏との甘い幻想をキープするために横領を繰り返し堕ちていく。
いや、堕ちていくというよりタガが外れていくが正解だろう。
タガが外れてどんどん自身の欲求に対してフリーになっていくのだ。
単純に金を使うことでの快感、意見を言ってこなかった半生を解放するかのごとく正直になり、やりたいことをやる様はどこか清々しい。
その甘い「真の」生活を保つためにも彼女は横領を重ねていく。
それが終わってしまうことが運命づけられた虚構の生活だとしても。
虚構の原資を稼ぐための横領を重ねていく様は、緊迫しすぎて息が苦しくなりそうなくらいの宮沢りえの演技はさすがとしか言いようがない。
横領をかましたあとの小走りをする彼女を見ているとこっちがソワソワしちゃう。
また脇を固める、お局の小林聡美の自身を律っしまくり、歩くマニュアル人間特有の者が持つ空気や大島優子の容量のいい可愛いい後輩感も素晴らしかった。
銀行に勤めたことないが、「いるよね〜こういう人」と言いたくなる実在感。
また年下の彼氏役の池松壮亮の甘え上手なペラい男の演技も素晴らしかった。多分無垢な彼が緊迫したシーンのオアシス的箸休めになっていた。
主人公はある意味、「与えるため=隣人愛」のために金を使ったわけで、悪ではない。だからこそ怖い。正義の反対が悪ではなく、誰かの良かれとしたことも違う方向から見ると犯罪という形の社会悪になるのだ。
そんな情念を載っけさせてしまう金というものは罪深いですなぁ。
と全体的にはよかったんだが、最後いる???ラストの蛇足感には不満です。
まあエンディング曲がヴェルヴェットアンダーグラウンドだったので許すけどさ。
人間、“ありがち”な貪欲
角田光代のベストセラー小説を「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督が映画化。
「桐島~」同様、多くの国内映画賞を受賞した話題作。
年下の青年との不倫に溺れ、巨額の横領を繰り返す女性銀行員の顛末。
ハッキリ言って、愚かな女の話である。
甘い時間はいつまでも続く訳なく、横領していた事も遂に発覚し…。
人生破滅の道へまっしぐら…という“ありがちな”展開だが、ただそれだけには収まらない。
人間些細な事で誘惑に負ける。
一度堕ちてしまったら中毒のようにエスカレートしていく。
それが悪いと分かってても、感覚が麻痺してもう止められない。
何故、彼女のような真面目で正義感ある人が?
少女時代のエピソードがキー。
“受けるより、与える方が幸せ”
どうやらその言葉を履き違えてしまったようだ。
履き違えた“真面目”“正義感”の意思は固い。
が、心の何処かでぶち破りたいと思っている。破滅を望む自分がいる…。
吉田大八の演出は、一見ヒロインの心情を肯定しているようで、冷たく見放している。
緊張感や、人生の歯車が狂っていく様も巧みだ。
“美しき横領犯”を宮沢りえが熱演。
ちらほら「老けた」「美貌が衰えた」と囁かれているが、かえってそれが、人生に疲れた主婦の生々しさ、艶かしさを滲み出している。
倦怠期の夫との冴えない地味な主婦の顔、不倫の恋を満喫する輝く女の顔…その演じ分けも見事。
不倫相手の池松壮亮に疑問の声も挙がってるようだが、もし演じていたのが福士蒼汰だったらどうだろう。願望を描いたファンタジーになっていた筈。
結局、こういうだらしなく、何処にでも居そうな相手と深みにハマる。
その返、池松壮亮は巧い。
大島優子は映画オリジナルキャラ。
一つ一つの言動がヒロインを堕落の道へ誘惑する。
意図的なのか故意なのか曖昧に、大島優子が絶妙な小悪魔的魅力。
キャストでとりわけ存在感を放つのが、小林聡美。
勤続25年のベテラン事務員で、銀行の局的存在。
不正や小さなミスも見逃さない“絶対正義”の象徴で、それ故上司からも扱いに困られている。
ヒロインの不審にいち早く気付き、真っ向から対立する。
クライマックスのヒロインとの価値観のぶつかり合いは、本作最大のハイライト。
助演の鑑!
人間、お金ナシには生きていけないが、またお金が人間を狂わす。
お金なんて言ってみれば、ただの紙切れ。その紙切れの為に、犯罪に手を染め、他者の命をも殺める。
一体お金って何なのか。
それでもお金は欲しい。正直な気持ち。
「ほんの少しのお金」…チャップリンの名言は心に染みるが、なかなかそうはいかない。
人間の欲は何処までも貪欲。
紙切れ1枚から人生が変わる
と、思わせて、パッとしない生活を送る主人公が、年下の男性と不倫に走ることから人生が変わります。
横領も、男のためです。
恋って怖いですね。夫を裏切るなんて、いけないことですね。
でも、主人公と同じような人生を送っている方は、一度は考えたことがあるのでは?
やっちゃイケナイことを等身大で実行していく姿は、背徳感に溢れ、とてもおぞましかったです。
こーゆー重めで、青みがかった映画好き! 年下にハマる人、年上に甘え...
こーゆー重めで、青みがかった映画好き!
年下にハマる人、年上に甘えてダメになる人、嫁とすれ違う夫、横領してしまう一人、真面目すぎてそんな人にあこがれる人、、、色んな人のいろんな感情に共感出来すぎて、心がぐちゃぐちゃになったーーー。
にしても池松壮亮かっこかわいかった♡
もっかいみたい!
届かない月がいちばん綺麗
監督の前作『桐島、部活やめるってよ』は未見。
観なきゃ!と思うとなかなか観出せないという
悪いクセが出ております。
ともあれ本作『紙の月』。
保険セールスの女が起こした巨額横領事件の顛末。
冷たく緊張感ある映像とテンポの良い語り口で
最後までダレずに観られました。
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まずは主演の宮沢りえについて。
そもそもこの方の出ている作品をあまり観ていない
自分なのだが、儚げな見た目と大胆不敵な言動の
ギャップが怖面白かった。
最初の犯行時は目を泳がせっぱなしだった主人公が、
後半ではまるでルーチンをこなすかの如く、
眉ひとつ動かさずに犯行を進める。さらには弱々しい
表情を浮かべたまま脅迫の言葉さえ口にするようになる。
ひええ。
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彼女の犯行のきっかけは一体何だったのか。
自分を見てくれない夫への不満?
根深く残っていたキリスト教的献身の精神?
犯行を誘発するような要素はいくつもあったが、
どれも根本的なものには思えなかった。
僕には、彼女は弱者を救う金の力、そして
それを思うまま行使できる自分の力に
酔い知れているように見えたし、同時に
他人に求められることに心底飢えているようにも見えた。
最後の顔に傷のある男と出会うシーンもそう。
あの男はかつてお金を寄付していた少年と同じ人物
では無かったかもしれない。けど彼女は、「自分の
行いで救われた人がいる」と信じたかったんだと思う。
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印象的に使われていた讃美歌『あめのみつかいの』。
彼女は誰かの “恵みの御子”として
認められたかったんだろうか。
自分は誰かにとって必要なのだという
実感が欲しかったんだろうか。
人の幸福を食い潰してまで自分の幸福を味わっていた
彼女に同情する余地は一片も無いはずなのだけれど、
それでもシンパシーを感じてしまったのは
そんな感じを受けたからかもしれない。
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他のキャストもグッド。
意志が弱く、ぬるま湯のような環境を与えられて
ずるずると堕落していく池松壮亮も、
『社会の一員』という意識が薄く、
言動もフットワークも軽い大島優子も、
なんだか生っぽい役柄で良かった。
だが圧倒的に良かったのは小林聡美。
“タガ”が完全に外れた主人公に対し、
彼女の倫理は鉄のように揺るぎない。
「徹夜くらいしかやりたいことが浮かばなかった」
と語った彼女。彼女は『無欲』と呼ぶよりは、
社会常識にあまりに強固に縛られているため、
あらゆる行動を自分の中で制限してしまっている
人間なんだと思う。
タガが外れた女と、タガを外せない女。
手前勝手に生き、他人様の恨みを買って世を追われるか。
歯車のように生き、無味乾燥な日々を送り続けるか。
ちょっと極端ではあるが面白い対比。
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人の欲は底無しで決して充たされることがなく、
一度タガが外れたらブレーキをかけるのは難しい。
だからといって私欲を全く無視するのもあまり生きている
感じがしないワケで、その辺りの匙加減が難しいのが
これこの人生。
幸福に生きるということの難しさを感じる映画だった。
綺麗な月も眺めている内が華。手が届いたらただの石ころだもの。
今よりも大きな幸福に憧れている頃がいちばん幸福、
という場合もあるのかねえ。
<2014.11.06鑑賞>
人の金使い込むんだから、それなりの同情をさせてくれよ
欲におぼれた主婦。
なんの憐憫も、シンパシィも、声援も、湧いてこない。
宮沢りえは、ほんとうにこの役つくりで満足なのか。(ガッカリしています)
まっとうに仕事に生きてきた小林聡美が、あれではまるで欠落者のように思えて不愉快。(肩を持ってます)
色仕掛けに堕ちなかった蓮司、お見事!(喝采を送ります)
堕落者をやらせたら当代随一の池松、はまり役!(半バカにしています)
「桐島」はめちゃくちゃよかったですよ、監督。
だけど、これ見て、冷めちゃいます。
賛美歌とlittle moa の音楽だけは、光っていました。
ありがちですが…。
主人公が宮沢りえさんという女性を描いているが、男性でもあり得る内容だと思った。
お金と異性と自己の幸福感を貪る事によって充たそうとするが、充たされない。
与えられる喜びよりも与える喜び。
解るなぁ~。
その手には身をすくめてしまうけれど
面白かったです。
私の金銭感覚の上限を軽々と超えていきます、ちょっと爽快です。
貴女のその手には身をすくめてしまうけれど。
宮沢りえ、小林聡美、大島優子の個性のぶつかり合いも良かったですし、男性達のそれぞれのダメっぷりがお見事で面白かったです。「クヒオ大佐」同様、巧いキャラクタ配置とキャスティングで楽しませてくれました。
学生時代のエピソードがけっこう効いていました。梨花さんが悪びれてないのはなんとなくわかった。
評価が難しい
素晴らしいシーン、素晴らしい演技、観るところはたくさんありましたが、それが全部かと言うとそうでもない。
演出も正直微妙なところがたくさんありました。
監督の前作が完璧過ぎたので本作もと期待したのですが、口幅ったいシーンが多く、ドキドキして観れたのは、3分の1程度でした。
吉田大八監督は以前、腑抜けども...。と桐島...。の二本を見てとても感銘を覚えたのでかなり期待していたのですが、期待よりも少し下回った結果となりました。
映画のテーマ、演者の演技などは申し分ないと思いましたが、これって必要なのか?と思えるような冗長なカットが多く、とても退屈な時間を過ごしました。
さすが!!
吉田さん、桐島に引き続き魅力的です。
讃美歌をバックに逃走する宮沢りえ、2階から鏡の破片まみれのところに落ちたのに全力疾走するところは違和感あったけど鳥肌たちました。
池松くんはろくでなしのヒモ役がめちゃくちゃにあう。役者さんの魅力も最大限にでてる作品だとおもいます。
期待してた以上!
映画に元だとしてもアイドルがでるのがすごい嫌だったけど大島優子ちゃんもよかったです。
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