リトル・フォレスト 冬・春のレビュー・感想・評価
全8件を表示
ワラを使った納豆が登場するが、あれは本当に美味い。
ワラを使った納豆が登場するが、あれは本当に美味い。発砲スチロールの箱に入った納豆とは比べ物にならない。ところが、都会のコンビニには売っていない。僕はわら納豆を探した事がある。売っている所は、デカいデパ地下の食品売り場だった。そして!物凄く高いものだった。さぁ、だから『田舎暮らしでわら納豆を作って食べよう』となるのか?
ワラ納豆のワラは見た目では分からない。汚染されている可能性が高い。放射能ばかりてはなく、農薬を指摘している。そう言ったワラがないから、デパ地下で高く販売されているのだ。
ここで作る嗜好品は、時間ばかり浪費するコストパフォーマンスが低い物ばかりだ。彼女の努力は認めるが、これでは、ソロキャンプと同じ。生活感が伴わない生活はサバイバルでしかない。一年二年と継続出来る事ではない。
この映画を鑑賞して、田舎暮らしを始めようとする方は少ないと思うが、もし、始めたら、軽装備で冬山に行く様な物である。
都会で無理せず生活をして『たまに田舎へ行く』で良いと思う。無理する事は無い。まぁ、この映画の結論もそうなっていた。それだけは評価したい。
やはり、現在の農業政策(社会政策)では、若者はこう言った所へは定着しない。では、どうしたら良いか?僕はわからないが、少なくとも、食料の自給率を上げた農業政策を取るべきで、今迄取ってきた減反政策など、もってもほかである。また、一年に一度のお神楽だけで、地域振興はしない。
ユウ太が年下に見えない
生きることは食べること。
食べるために日々過ごす。
そんなの嫌だな。
でも考えてみれば俺もそうか。
生活費を得るために日々仕事にいく。
もちろんそこにはそれなりの楽しさはある。
いち子もそうか。
食べることに楽しさを見出だしている。
結構楽しんで過ごしているんだ。
なるほど。
同じように暇な時間は読書してるし。
よくよく考えたら、おなじか。
人の気持ちに向き合っているか、自分の居るべき場所を作り出せているか。
考えることは一緒だ。
ただ、俺の周りには山も沢も森も無いということだけ。
人の営みは根本同じ。
きれい
とにかく映像に癒される。
母親の失踪の謎は分からぬままなのが気になるが、いち子の母にとって自分が家族であったかという言葉には考えさせられた。どれだけ近い相手でも思うことを考えなければならないと改めて思う。まぁ最後前向きに生きる方向が見つかって良かった。小さな一歩でもよいのだと優しいメッセージをくれる映画だった。松岡さんが良かった。
過大評価と言われるかも知らないけれど素晴らしい作品。
春夏秋冬、全て鑑賞済みですが原作は未読です、
夏秋の時もそうでしたが、リトルフォレストは映像、役者の演技、音楽、全てが合っている。一つの作品としてお互いに支えあっていると感じます。
自分の好みに合っていたという事もありますが、私はこの作品が大好きです。
今まで多いとも少ないとも言えない数の映画しか、見てきていませんが私は「リトル・フォレスト」がとても好きです。料理も美味しそうだし。
ジブリ作品などもそうですが、何処か懐かしい感じのする作品というのを作るのは難しいと思います。(人の感性はそれぞれ異なる訳ですし、)
それを踏まえた上での本作の懐かしさは凄いです。
リトルフォレストの懐かしさはただ故郷、田舎に思いを馳せるだけではなく、「帰りたくなる」そんな感情を昂らせる。凄い。
本当に凄い。そしてとても虚しい気持ちになる
自分のことに揺れ動く主人公と、時間と共に変わっていく自然。
誰もが経験するであろう「自分の居場所はどこか」そんな感情を抱きながら故郷にいる。嫌なこと、面倒なことから目をそらして他のことに集中して。
所々重なる部分があり少し辛かったです。
私は自分の納得できる場所が自分の居場所だと思っています。
いち子は故郷にいる自分に納得できなかった。
だから故郷を出て、都会に行き、でも戻って、そしてもう1度故郷を出る。そして戻ってくる。
言葉にするととても意味の無いことをしているように見えますが、この迷いこそがとても大切なのだと思います。
それこそ、作中いち子の母が手紙に記した通り「人生はらせん」と同じなのかも知れません。
外から見て意味の無いことも、自分自身からすれば重大なことだったりする。いち子にとっ小森にいた時間、都会にいた時間はどちらも意味のある事だったのではないでしょうか。
自分を成長させるためには何かを育てたらいい。リトルフォレストはその意味を考えさせてくれる映画でした。
私はこの作品がとても好きです。
しかし、まさかキッコとゆう太が結婚するとは……てっきりいち子と結婚かと思っていたので意外でした。
人間は、螺旋そのものかもしれない。
映画「リトル・フォレスト 冬・春」(森淳一監督)から。
「夏・秋・冬・春」と「小森の季節(四季)」を観続けてきたが、
作品、全体のメモを整理したら、やはり「春」が一番多かった。
ただ「5年前の雪の日に突然姿を消した母・福子から1通の手紙」は、
主人公だけでなく、私の心も揺さぶった。
「何かにつまずいて、それまでの自分を振り返ってみるたびに
私っていつも同じようなことでつまずいているなって。
一生懸命、歩いてきたつもりなのに、同じ場所をぐるぐる円を描いて
戻ってきた気がして落ち込んで。でも、私は経験を摘んだんだから、
それが失敗にしろ、成功にしろ、まったく同じ場所ってことはないよね。
じゃあ、円じゃなくて、螺旋(らせん)だって思った。
一方向からみたら、同じところをぐるぐる、に見えても、
きっと少しずつは、上がっているか、下がってるかしてるはず。
それなら少しはましかな。
う〜ん、それよりも人間は、螺旋そのものかもしれない。
同じところをぐるぐる回りながら、それでも何かあるたびに、
上にも下にも伸びていくし横にだって。私が描く円も次第に大きく膨らんで、
そうやって少しずつ、螺旋はきっと大きくなっている。
そう考えたらね、私、もう少し頑張れると思った」。
長文になってしまったが、この作品の根底に流れている考え方、
そんな気がして、何度も何度も巻き戻して、メモをした。
何かに行き詰ったら、ちょっと離れて違う方向から自分を眺めてみる。
そこに、生き方のヒントが隠されているに違いないのだから。
今回のほうが好きかも。
夏・秋も良かったが・・今回のほうがより良かった。私は好き。
冬の厳しさ・・すごく身に沁みる。でもいち子が淡々と作業しているのには感心する。
農作業メインで四季折々本当に素晴らしい映像。こんな生活送れるかっていったらたぶん無理。そこを見れただけで価値はある。
母も失踪?し・・孤独ではないか・・親友との食事。なんかほっこりする。
女同士の食事。会話もなんかナチュラルでいい。松岡さんと橋本さん・・仲良いだけに・・すごく今回もいい。
やがて・・春がきてーー。いち子もとうとう決心。
その微妙な心情もすごく共感できた。この生活がいつまで続くのか・・。
生きるということは繰り返すということ。
いち子の言葉が沁みた。
農作業と重ねて・・この言葉が沁みる。
いち子は来年のじゃがいもを植えなかった。
ここがなんかすごくリアルでいい。
自分の進むべき道を見直す。
もう戻ってはこないなのか・・?この生活に・・
ラストは延々と舞を踊るいち子。力強く。なんかたくましい。
この終わり方・・いい余韻。
今後のいち子・・どうなっていくのか・・。
ストーリーもさながら・・なんといっても料理や農作業シーン。
この延々と作って食べるのを見るのがなんか癒される。
何回も見たいなー。
松岡
人間関係の描写はおまけであり、あくまで料理と風景と風習にスポットをあてた映画なのは間違いない。
母親のその後、結婚相手の詳細や馴れ初め、後輩への淡い感情など、掘り下げても良さそうな部分は結局置き去りで終わる。
でもどんなドラマよりも人間臭さが残り登場人物のキャラクターが立っているという不思議な感覚。
抜群のカメラワークと演出が、料理と自然と人物の美しさを際立たせ、それが望郷や身につまされるようなむず痒い思いを盛り上げる完璧な構成。
最後の神楽では思わず涙が込み上げてきた。
奇跡的に素晴らしい映画。
収穫に感動。
去年8月に公開された「夏・秋」編に続く、「冬・春」編。
作りは変わらず、一作毎にエンドロールが入り冒頭解説も入る。
初めて観た時の驚きはもうないが、美味しそうな食材や料理が
並ぶのは同じ。本当にどれもこれも美味しそうで参ってしまう。
農作業や出入りの多い夏秋に比べ、雪深い冬はほとんど家の中。
従って前作に比べると若干面白さは減る。その分ドラマ性を深く
したのかと期待したが、ドラマの方も相変らず淡々としている。
主人公いち子の心の変遷を中心に、母親からの手紙(けっこう謎)
や友人達の意見・アドバイスを受けた彼女の田舎暮らしに対する
考え方がどう変わっていったかが、冬春の見どころとなっている。
主演の橋本愛はすっかり田舎に馴染んでおり、農作業や料理の
手際の良さ(実際に彼女がやっている)や格好なども完璧に近い。
親友キッコの松岡茉優は、奇しくも今TVドラマで同じような
役回りを演じている。どちらも似合ってるので観ていて面白い。
幼馴染役の三浦貴大をどの位置に持っていくのかと思っていたら
あら、そういうことに!?というラスト。意外かそれなりか^^;
更に母親の失踪理由が場面と手紙一部だけというのもどうなの~
などと、やはり今作はドラマ性より料理で勝負!となっている。
冒頭からお餅、納豆、小豆、ばっけ、山菜、つくし、ケーキ…
あぁ何なんだよ、このよだれの出るオンパレードは!素晴らしい。
何気ない素材の説明から保存法に料理法、小豆の収穫なんて初で
あんな風にできるのか!と感動してしまった。ホント勉強になる。
やはりこの作品は目で観る究極のレシピ本なんだろう。
(二人の女優の成長ドラマともいえる。今、絶賛売り出し中だしね)
全8件を表示