「.」デビルズ・バースデイ 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅で鑑賞。SEやBGM附きPOVで原題"Devil's Due"。結婚式前夜~式当日~ドミニカ共和国の新婚旅行で妙な体験~ハネムーンベイビー懐妊後、徐々に異変が……。『クロニクル('12)』の様に撮影者がカメラを持った儘、飛ぶシーンが有るが、他作であった様なシーンや展開の既視感を持ってしまうのは、POVの宿命かもしれない。ただゴア描写も上品だし、不気味な事象を重ね一気に加速するクライマックスと全体の流れや雰囲気はかなり好み。シンプル乍らPOVを強調したエンドロールに不釣り合いな歌も佳い。65/100点。
・有り勝ちだけど、夜中に寝床を抜け出し、暗闇で一人ハミングするのは、やはり不気味。倒置法的なオープニングの取り調べ映像は、或る意味観ている者に安心感を与えてしまうので、蛇足に思えた。
・オムニバスPOVの『V/H/S シンドローム('13)』収録の一エピソード『10/31/98』の参加で知られる映像製作集団“レイディオ・サイレンス”の長篇デビュー作となるが、彼等の作風やテイストがお気に入りならば、充分満足出来ると思う。本作に登場するM.パパジョンの“ミスカ”巡査は前掲『V/H/S……』の(共同)製作者B.ミスカから、D.M.グリフィンの取調官“ゼマン”は『V/H/S……』の(共同)製作総指揮Z.ゼマンの、それぞれファミリー・ネームに由来する。
・後半、触れられるシンボル・マークや不可解な符号は、様々なシーンに鏤められている。
・ドミニカ共和国でのロケは27箇所に及んだが、僅か四日半で撮影されたと云う。亦、教会でのロケでは竜巻に見舞われ、何度か停電するハプニングがあったらしい。
・鑑賞日:2016年3月9日(水)