劇場公開日 2014年9月6日

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「一ジャリ番ファンの意見です。」イン・ザ・ヒーロー えらさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5一ジャリ番ファンの意見です。

2014年10月16日
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楽しい

単純

僕は歴は浅いながらも仮面ライダー、いわゆるジャリ番ファンです。もちろんこの作品に出演している福士蒼汰君主演の『仮面ライダーフォーゼ』も見た上で言います。

最初に良かったところ。すっかり下火となってしまった特撮モノを今でも送り出し続けてくれている東映が、あまり陽の当たらないスーツアクターさんをリスペクトした作品を撮ってくれたこと。そして、東映撮影所の機材を活用してスーツアクター及びスタントマンの凄さを実際に我々に見せてくれていること。福士くんがスーツを着てヒーローのマスクの目線の狭さを見せるシーンなどが代表的ですね。この作品の評判は上々ですしファンとして嬉しいことです。

でもファンだからこそ言いたいことがある…。いやファンとか関係なく言いたいこともある。重箱の隅かもしれませんが。

まずキャスティング。『フォーゼ』を一年間やった福士君に「ジャリ番をナメきった生意気イケメン若手俳優」を演じさせるということの違和感。もちろん見る前からわかっていたことなんだけど、見ている間も「彼はそんなこと思ってないはずなのに」というノイズを取り去ってはくれない。更に「25年スーツアクターをやってる人が現場であんなに軽い扱いされるかなあ…」という疑問も浮かぶ。加えて(特に娘とのカフェのシーン。スベってるしあれは最悪。)唐沢さんのキャラは頭おかしいし、黒谷友香さんのキャラは単に嫌味な女にしか見えない。前半は見ていて苦痛だった。

じゃあ彼がジャリ番に真面目に取り組むようになってからは良いのかというとそれも微妙。なぜかというと、福士くん演じる彼がジャリ番に対する見方を改めたからちゃんとやるようになったという風に思えない、つまり自分の失敗への責任感+ハリウッド映画の練習がてらやってる風にしか思えないから。

勿論唐沢さん演じるスーツアクターの仕事ぶりを現場で見たり、仕事を経て仲良くなったとかそういう経緯の描写はあったけど弱いし、なんとなく仲良くなったぐらいにしか見えない。ついでに彼の2人の兄弟も同情を引くための飾りにしかなってないから鬱陶しいだけ。ついでに寺島進さんの結婚式とかほんともうどうでもいいよって…はい。

ひいては、結局ジャリ番がハリウッド映画の踏み台として扱われているようにしか見えないから最後までモヤモヤ。ハリウッド映画にはないジャリ番の喜びのようなものをもっと描いた上でハリウッドに挑戦ならもっとノれたと思うのですが。結局脚本や監督の方がジャリ番を軽んじてる結果なのでは…?と思ってしまう。

最初にも書きましたが、普段特撮を見ない人にスーツアクターの凄さを伝えるという意味で価値ある映画だと思います。しかし僕としてはもうちょっとなんとかならなかったのか…と思うところも多かったです。

えら