「メタもベタも楽しめる、今的な感動作品」イン・ザ・ヒーロー たくっちさんの映画レビュー(感想・評価)
メタもベタも楽しめる、今的な感動作品
楽しかった~!
映画をあまり観ない層にはベタな展開でほっこり楽しめる、
いわゆる映画好きの層には映画の裏側や自虐ネタでクスリと楽しませる、
初心者からヘビロテの層までどちら様でもござれの
素晴らしい万人向けの作品でした。
のっけから戦隊ものの作品のワンシーンで始まる。
いかにも戦隊ものを得意とする「東映」の作品の裏側のような感じである。
ストーリーは、ざっくり一言で言ってしまえば
「今風アイドルの成長物語」といったところかな。
(半分くらい間違ってると思いますが)
未体験のアクションスタントの業界を
顔も映らないからとナメてかかる今をときめくアイドルが
業界の裏側に触れながら少しずつカッコよくなってく物語。実にベタである。
先輩主人公に影があることは早々に分かるが
完全無欠と思われたアイドルにも、ちゃんと影が用意されている。これも最近はベタな展開である。
先輩の厳しさ・優しさに触れ、少しずつ成長していく。実に(以下略
後輩の挫折やら離婚した元妻との喧嘩でこれからの道を思い悩むが
武士道を崇拝するような主人公が「お前しかいない」と言われりゃ、一念発起しかあり得ませんね。
離婚した妻子が主人公の一世一代のスタントに(妻はわざわざお見合いをほっぽりだして)駆け付ける。
…他にもひとつひとつ挙げていけば、ベタな展開にキリがありませんが
ベタな展開もここまですると清々しいものである。
もちろん映画好きへのサービスも忘れてはいません。
上述の東映ネタ。
戦隊から始まるのは完全に予想外w
そうか、これいかにも東映だね、と意表を突かれました。
また、映画においては撮影班、音響班、スタント班、制作班等の
諸々の人々の集まりで作品が作られている、
そんな誰でも想像が付くような事だが、改めて説明されると納得の。
他にも、監督の暴走に俳優がキレてドタキャン。
また、プロモーション側から撮影地の変更提案が出されたりとすったもんだ。
実際の世界でも途中で制作変更・中止や配役変更等は有り得る話だが、
実の裏側はこうなっているのかもしれないとちょっと笑わせる。
だが「スシ食って帰った」はストレート過ぎるでしょうw
もうちょっと言い訳考えようよ…w
あと、
「プロモーション側が作品をダメにする」は
監督の言い分としてはごもっともだが
「映画は監督のものだ(キリッ)」
それは違いますからw
どこかの怪盗作品に聞かせてあげたい言葉ですね。
そういう意味で、観ててとても非常に楽しい作品です。
そのくせ、主人公の本城さんがたまにいちいちカッコいい台詞を呟くのでたまらない。
まさか映画で、武士道の一言を聞けるとは思いませんでしたよ…w
難点は、あまりにベタな展開が続く為に
ご都合主義的な箇所が所々に見受けられるのと
急に歌うよ~、的な歌の入れ方ですね。
一回目は許せても二回目はしらけました。
そういう意味で、-0.5かな。