「人生の晩秋に友を得るのはほぼ奇跡に近いことなんだ。」潮風とベーコンサンドとヘミングウェイ はるさんの映画レビュー(感想・評価)
人生の晩秋に友を得るのはほぼ奇跡に近いことなんだ。
人生100年などと言うのは保険会社の邪な企みでしかない。老人の定義は実年齢より2~3歳ぐらいサバをよむ。年上と言う意味で、それぐらいの気持ちで生きていた方が良い。その方が日々愉しく暮らせるからだ。70歳の老人が40歳の気分で生きていると周囲の人間に迷惑がかかる。猿だってわかるはずだ。なのにこのふたりの老人は気が付かぬ振りで持て余された時間を自由だと信じ切って日々同じことを繰り返している。それはそれで幸せであることに変わりはない。人と人との関係が生きているなかで一番幸せなことなんだ。そんなお為ごかしをまさか信じているわけではないだろう?この考え方のパラドックスは不幸は人間関係と言うことになるのだから・・・・そんなことを前提にしてこの映画を観れば、この映画の良さは倍増してしまう。
若くて元気な時に経験する孤独感などというものはたかが知れている。体力があるからバカなことをすれば即回復。しかし、70歳も過ぎればそうはいかない・・・・心と身体のバランスが不釣り合いだから、特に心が身体を支えなくてはならない。それは一人じゃ無理なのだ。助けが必要。そう、本音で「助けて欲しい」と言える相手が必要なのだ。
そんなに大したこともない人生を送ってきた二人じじいをデュバルとハリスが演じる。そしてシャーリー・マクレーンとサンドラ・ブロック。男の哀しみを抱きしめるパワーを持つ女を見事に演じる。
こんなにリアルに老人生活を描いた映画はそんなに多くはない。この映画はファンタジーなのだ。
ハリスはフランクという役柄で「裸の君と、明日の朝食を食べたい!」などと口説くのだ。
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