白鯨との闘いのレビュー・感想・評価
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壮絶
嵐に鯨を追い込むシーン、巨大な白鯨。
海が舞台なので波のうねりなど映像はどれも迫力満点で凄かった。
白鯨との闘いがメインかと思いきや、確かにそれも見所なんですが、それよりも漂流の過程が凄まじすぎた。
ここまで深い内容だとは思ってもみませんでした。
個人的に興味をそそられたのが、メルビルを演じていた人。
どこかで見たことあるなと思ったんですが、髭をたくわえてたので気付くのに時間がかかりました。
「パフューム ある人殺しの物語」の主人公を演じてた人ですね。
パフュームのネタバレになるので詳しくは書きませんが、パフュームでジャン=バティスト・グルヌイユを演じた彼が、白鯨の物語の裏の隠された秘密を知る役を演じている事に奇妙な縁を感じました。
壮絶
「白鯨」の元になった話。
という設定ではあったが、当時の捕鯨ってとてつもなく原始的で、まさに戦いで一方的な狩りとは全然違ってた。
人の欲は、ホントに上限を知らない。
それに反撃する「白鯨」なのだが…恐ろしい。生物としての人間は、か弱い。
戦いにすらならない。太刀打ちできない…。
自然災害に立ち向かっていってるような、虚無感すら覚える。
その生き様に、何事も安易であるはずがないと思えた。生存競争のただ中にいるんだと。
そして、ネットの普及により世界は狭くなったと感じてたけど、まだまだ世界は広かった。水平線に囲まれた視界で味わう孤独感とはどんなものだろう?発狂する事さえ諦めそうだ。
そして壮絶なダイエットにも果敢に挑んだであろう俳優たちに拍手を!
主役の方の体型を見るだけで、過ぎた時間を想起させられた。
見事…。
執念すら感じてしまう。
「白鯨」を読んでみようかなと思えた作品。
終始息を呑む
たまたま時間が空いて映画館の前を通ったので見てきました。
ただの暇つぶしのつもりだったのですがとんだ間違いでした。
鯨との戦いというより大自然・大海原でのサバイバル生活、既に歩くことすら出来ない幼なじみとの別れ。
漂流中、食料が底をつき船上で亡くなった仲間の肉を食べることになる苦しみ、その肉も亡くなりくじ引きをし当たりを引いたものがその場で自害するなど他では中々見られない内容だったと思います。(自分があまりこの様なものを見ないタメ他にもあるかもしれませんが。)
Too much of the ture. ロン・ハワード監督の描く海洋サバイバルドラマ
世界十大小説にも選ばれているというメルヴィルの「白鯨」。その「白鯨」の元ネタになったという「復讐する海ー捕鯨船エセックス号の悲劇」を題材に制作された海洋サバイバルドラマです。小説の「白鯨」自体を読んだ事がないのですが、小説はクジラとの闘いがメインになっており、映画は船が沈没した後のサバイバルがメインとなっております。
クジラ漁のやり方といい、街の風景といい当時の再現率がハンパないです。この映画の舞台となっている1800年代は油はクジラから取る物だったんですね。油田が当たり前な現代人からしてみれば、なんて非効率なっと思ってしまいますが当時はそれが産業を支える要だったのでしょう。ま、その内化石燃料なんて、なんて非効率なって言われる時代も来るでしょうけど。ちなみにアメリカ人の捕鯨は鯨油だけ取ったら後は海に捨ててしまっていたそうです。クジラから取れる油、肉、骨を一切無駄にしなかった日本人との捕鯨とは随分違っていた様子。この辺りの欧米人の感覚は今と全然変わってないですね。
ロン・ハワードは映画を丁寧に作る職人です。捕鯨の為クジラを追い詰めるシーン、白鯨に襲われるシーン、そしてその後のサバイバルと、どのシーンも手を抜かず観る者を惹き付けます。今回生きるか死ぬかを大きく主題に取り扱っているのはロン・ハワード自身も60歳を超え、自分も後何本映画を作れるか分からない年齢に達しているからでしょうか?
主演のクリス・ヘムズワース、マーヴェルの「ソー」と同じく、頼りになる兄ちゃんなカンジで好印象です。この撮影の為に11Kg痩せたとか。本当にげっそりしていて、最後のシーンはCGかと思ったぐらいでした。あんな痩せ方体に悪そう!!「リンカーン」のベンジャミン・ウォーカー、プライドの高い船長を好演しています。「ダークナイト」シリーズの印象が強く、あまりいい奴のイメージがないキリアン・マーフィー(ファンの方失礼!!だって目付きが怖いんだもの)、今回は主人公の友人で良キャラを演じていました。3代目?スパイダーマンのトム・ホランド君、今後が楽しみな役者さんです。
ちなみにこの作品の邦題、一番最初は「白鯨のいた海」だったとの事。「白鯨との闘い」の方がスペクタクルっぽくて客を呼べるとの配給会社の判断での邦題の変更でしょうけど・・・。「白鯨のいた海」の方がまだ内容にしっくり来ている印象があります。何故変えた!?
「白い嵐」の方が好き
今年初の映画鑑賞でした。丸の内ピカデリ−で2D字幕版を。
公開2日目で日曜ですがそんなに人は入ってない…年齢層が高くて男性が多い。こんな作品こそ、劇場で観るべきですよねえ!?
さて、他の方々も書いているように、邦題になっている白い鯨との格闘はそんなに出てきません。
むしろ出会う以前の、嵐に遭うシ−ンの方がよっぽど迫力があり、海洋スペクタクル映画らしい見所となっています。実話が元となっていて後の映画「白鯨」の原作小説が作られたとのこと。なのでタイトルに「白鯨」と入れることにこだわったのでしょうか。
「闘い」は白鯨とでなく、船が沈んだ後の、漂流中の飢えや仲間の肉を食べて生き延びる過酷さやサバイバルの苦しみ、心の葛藤や攻めぎ合いの方がウェイトが大きかったから、やはりあまりふさわしくない邦題ですかね。
2回以上観たい映画ではないかもしれません。
海洋スペクタクルとしては、私が好きな「白い嵐」の方が断然良い映画だと思います!少年たちの成長物語の要素もあるし。
母なる海、自然の脅威、動物の命をいただいているという畏怖などを描きたかったのかなと感じましたが、軸ははっきりしなかったかな。
しかし体格も良く男らしいクリスは大変カッコ良く、顔立ちは違うけど髪の毛とヒゲ、雰囲気が何だか昔のブラットピットのようですね。ジュリエットリュイスと出てた映画の時に特に似てるかも…。
海の迫力を感じられるから、劇場で見た方がやはり良い映画だと思います!
現代に向けた寓話
この映画は明らかに現代に向けた寓意が込められている。
それを読み解くには、「近代、鯨油を求めての鯨の乱獲によって、鯨が絶滅危惧種になった」ことと、この映画の原題が「In the Heart of the Sea」であることを知っていなければならない。
■映像、世界観
鯨油乱獲時代の様子が生々しく描かれていて、とても興味深かった。鯨の頭に入って油をとる様子とか、死と隣り合わせの航海とか。
■人間ドラマ
主人公と船長の衝突は、どちらの立場にも感情移入できる、とても現代的なものだと思った。
主人公からすれば、無能なリーダーはチーム全体の命を危険にさらす、腹立たしい存在だが、顔を立てなければならない。
船長からすれば、無理なミッションでも上司の命令には逆らえず、また自分かリーダーであることを無茶な方法で誇示しなければならない。
結果的に当然チームは団結できず、悲劇に突き進むことになる。
船長は悪役というよりかはむしろ被害者であり、本当に改善しなければならないのは、個人主義的な利権を守るために不合理な経営判断をする役員クラスの人間だ。
■寓意
主人公が、葛藤の後、最後に白鯨を攻撃しなかったことが、全てを物語っている。
この映画の世界観では、鯨を怪物、悪魔、克服すべきものとして登場させているが、ここで初めて、主人公だけが違う視点を発見している。
白鯨の全身に刻まれた痛々しい傷は、人間によって絶滅しかかっている鯨の象徴だ。
人間が鯨を復讐の対象と見るように、鯨もまた、人間を復讐の対象と見ている、という相対的な考え方が可能だということに主人公は気づいた。限界の漂流、自然の乏しい無人島での生活によって、自然が無ければ人間はわずかの間も生きることができない、ということに気づいたのかもしれない。
この映画の原題から、鯨は海(自然)の心(心臓)、とみなせると思う。短期的な利益のために自然を搾取し続けた結果、「自然から大きな報復を受け」、「人間が人間を食べる羽目になった」。人肉を食べるとき、心臓から食べたのには意味が込められているだろう。自然からの報復の前に、人間は自ら自滅する、ということか。
■ラストの意味
最後、石油の発見のトピックで終わったのには2つの意味がある。
1つは、石油の普及により、鯨油の時代は終わるということ。
もう1つは、その石油の発掘においても、全く同じ過ちを繰り返す、ということ。
おそらく地球温暖化を指しているのだろう。
そのような寓話としてこの物語を見ると、鯨油業界のお偉いさんと船長とのやりとりにどんな意味があるのかも分かってくる(この話の中だけだと、主人公や船長がなぜそこまで真実の告発にこだわっているのか、わけがわからない)。
石油の使用(より一般的には環境破壊)によって温暖化している(人間に被害がもたらさらる)、などということは認めない。そして、この我々に富をもたらすシステム、我々の業界を守らなければならない、ということか。
海の記憶と記録。
白鯨との戦いというよりは、白鯨を象徴とした海・自然の中をどう生き抜くかという物語だった。
最初、彼らの中で鯨は仕留めるものという存在だったように思う。けれど巨大な白鯨が現れてからは対等に戦うものとなり、やがて漂流生活を続ける内に自然は戦いを挑む存在ではなく圧倒的に君臨するものとなった。どちらが強いか、ではなく、この強く美しく過酷な自然の中でどう生き抜くか。その象徴としているのが白鯨だった。
港から見る夢の海、船から見る希望と失望の海、島から見る絶望の海、ボートから見る無限の海。こんな過酷な状況下の時かけていい言葉なのかは分からないけど…でもとても美しかったなあ。人には作れない美しさ。
邦題はもうちょっと何かあったのでは?と思いながら公式サイトを覗いたら、「#くじらでかい」のタグキャンペーン……誰の日本語センスなのか気になる。
印象に残った場面
・「船酔いを直してやろう!」
・エセックス号が燃えながら沈んでいく中、ポラードの書いていた日誌のインクが海に溶けていく
・朦朧とした意識で見るカモメが飛び交う空
邦題に
大昔に見た白鯨の元ネタを映画化、何故今これを扱ったのか、チョット悩む所、洋上アドベンチャーものとしては、大変良く出来ている、本当に痩せてくるし、理性も無くなってくるんだろう、クジで口減しを決めるシーン、生き残る方が恐怖かも知れない、登場人物がイマイチかっこ良くないかなぁ?白鯨と闘いより、スポンサーや、世論との闘い、
あれ程命を賭けての捕鯨も、化石燃料の時代が来る、そう考えると、新エネルギー、原油安の今だからまた、取り上げるテーマなのかも。
迫力!
なかなかシリアスな映画だった✨
久々にどきどきしたね笑
痩せて細くなっていくところとかリアリティーがあったり
色々な角度から撮影してたから立体感がすごかったね笑笑
白鯨があまりでてこなかったけど笑笑
今年初めての映画満足できてよかった!
ヘムズワースはやっぱりカッコいい!
アメコミヒーローだけでなく、実在の人物やサスペンスものやファンタジー系もこなす辺り、彼自身が魅力的なのであちこちから引っ張りだこなんでしょうね!
激やせニュースも、どうやらこの映画の為の役作りだったそうで納得です!
捕鯨国である我が国は海外から時々パッシングを受けているけれど、そういう人達はこの映画を観てどう思うのかなと邪念を抱きつつも、いつの間にかストーリーに引き込まれてあっという間のエンディングでした。
「実話を元に」と聞いた気がするけれど、やっぱり鯨って(イルカも)賢いんだと思わずにいられない話でした。
『白鯨』、読んでみようかな…
見所は白鯨との格闘シーン
試写会で観た。
かつて映画化もされた有名な小説「白鯨」の元ネタとなる実際にあった出来事の映画化。
てっきり、グレゴリー・ペック主演の映画「白鯨」のリメイクなのかと思っていた ^^;
そうではないんだね。
こちらは実話。
南米とハワイの間の太平洋上で海の主とも言うべき白鯨と出会い、鯨油欲しさに格闘する船員たち。
この映画の見所は、ズバリ、この白鯨と格闘するシーン。
迫力満点で、見ごたえがあるので、ぜひ映画館で見て欲しいところ。
ただし、それ以外のシーンに盛り上がりが欠けるため、物足りなく、最終的には不完全燃焼になってしまったかなぁという印象。
実話の映画だけに、描かなければいけない部分もあったと思うけど、最も描きたい部分に焦点をあてて、その他の部分は緩急をつけて見せるような工夫が必要だったかも。
しかし!クリス・ヘムズワースはかっこいい!
この人は映画のスケールで見栄えが良い人。
さらなる活躍を期待したい俳優さん。
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