白鯨との闘いのレビュー・感想・評価
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圧倒的スケールで描かれる自然の驚異と人間ドラマ
「白鯨」は既読…と言えるほど覚えてません(笑)なので、補完目的で観ることに。
まず、9年前に映画館で観なかったことを物凄く後悔する羽目になりました。まだその頃はそこまで映画にハマっていなかったとはいえ、確か丁度「白鯨」を読み終えた時期。めっちゃタイムリーなのになぜ行かなかった!?過去の自分にジグソウ先生のデスマスクを被せてやりたい…。そのぐらい凄い迫力。圧倒的スケールで描かれる巨大な鯨と大海原。音響もさぞ素晴らしいものだったと思われます。おスマホ、イヤホンでこれほどの臨場感ですから…。チクショウ
ストーリー自体は特に捻りがあるわけでもなく、ストレートに鯨との戦いと海上でのサバイバルが描かれます。これから何が起こるか、大体分かっているのに引き込まれてしまうのは、俳優達の名演と映像の迫力によるところが大きいと思います。特に主演のクリヘムの「俺を見ろ…!」のシーンが素晴らしい!漂流生活の苦しさ、仲間を失っていく悲しみ、この先どうなるかわからない不安、そして必ず帰るという決意…それら全てを背負ったあの表情。心打たれます。
これは今知ったことなのですが…本作は、実際の歴史をベースにしたサバイバルドラマであり、メルヴィルの「白鯨」の背景にある実話に焦点を当てているとのこと。なるほど。エイハブ船長がおらんのはそういうことね。
確かに、漂流中の絶望感や極限状態での葛藤を描いた作品ではありますが、やはり巨大な白鯨の存在感は凄まじいです。そのあまりにも雄大な姿は神々しくもあり、とても人間の手の届かない存在。自然の驚異の象徴であり、神に近い存在のようでもあります。
まだこの映画を未見なら、ぜひ可能な限りの大画面で体験してほしいと思います。この大迫力の映像美と白鯨の存在感は必見です。
出演者は豪華
観ていても苦悩する展開
白鯨との闘いとその後のサバイバル
クリスヘムズワース~
エセックス号は白い鯨に破壊された
迫力あり
小説「白鯨」の基になった実話を映画化したもの。 白鯨との闘いは前半...
白鯨との死闘もさることながら、漂流してからの方が過酷を極めた印象。...
メルヴィル作『白鯨』〜メイキングもの
以前、メルヴィルの冗長な『白鯨』を頑張って読みましたが、退屈だという前評判に反して結構モービー・ディックの世界に呑み込まれました。頭の中で船員たちの表情や振る舞い、船上の臭い、捕鯨の様子などなど、想像力を膨らませて読了しました。
本作品はその答え合わせ的なものになりました。
いやぁー、迫力がありました。
やつがれの想像力を遥かに越える壮大なイメージに圧倒されました。メルヴィルがイメージしていた(であろう)世界観に2時間浸ることが出来ました。もちろん『白鯨』そのものの映画化ではありませんから、登場する船員たちも必ずしも重なりません。航海路も違います。ただあの世界観がよく伝わります。
21世紀に作成されただけあって、どうしても「クジラは守ろう」的なサブリミナル・メッセージがムンムンしますが、その辺りは個人の好みで共感するなり、流すなりしたら良い。
あとは武田泰淳の『ひかりごけ』が引っ提げた重苦しいテーマをサイド・ディッシュみたいに扱ってるのが少々不服ですが、そもそもメルヴィルが触れていないところですから、文句を言うのは筋違いかもしれません。
本作品、大変だけどメルヴィル『白鯨』を読了してから観ると10倍頷けるかも、です。
〜ネタバレ(?)〜
本作品の最後のシーンに、あの有名な『白鯨』の第一文が綴られます。
"Call me Ishmael."
21世紀に、「捕鯨」の映画を作る、ということ自体が奇跡
欧米の捕鯨に対する反感は、ものすごく強いらしい。
そんな現代に本作を超大作としての予算、キャスト、スタッフで作ったコト自体がスゲえな。スポンサーたちはよくカネ出したね。
欧米人にとっては、100年以上前の出来事とはいえ、自分たちの祖先が捕鯨をしていて、それが原因でクジラが激減した、というのは「不都合な真実」なのでは。(まあ、そういう「反省」を踏まえて、保護に取り組んでいる、と主張するのかも)
「白鯨との戦い」という邦題もイマイチ。
クジラとの戦いは主題じゃないじゃん。
主人公たちに課される「課題」というか「災害」の一つに過ぎず、
主に描かれているのは、男たちのサバイバルでしょ。
主題がボヤけてしまい、何を言いたいのか分からない作品になっている。
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