劇場公開日 2016年1月16日

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「邦題は微妙だけども」白鯨との闘い TAZAさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5邦題は微妙だけども

2016年1月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

邦題からして、「鯨退治に行く海の男たち」の話かと思ってたら全然違った。て言うか、また邦題は微妙にズレてるよ(特に後半)。「白鯨」を入れるのはマストだったのかな??だとしても、「白鯨の海へ」なんつー方がまだ良かったんじゃないかなー。闘いそのものは中盤で終わっちゃうし…。

ま、さすがのロン・ハワード、それなりに面白かったけど、老人の語りを導入にするなら主役はあの少年じゃなきゃダメだよね。物語は明らかにオーウェンがメインなので、そこでズレたのがやや残念。せめて少年目線のオーウェン像で見せていかないと散らかっちゃうし。多分キャスト的に弱かったからだと思うけど。

肝心の見せ場となる白鯨のVFXは言わずもがなの大迫力。あまりにもデカ過ぎる…(笑)。捕鯨って命がけだったんだなぁ…。

でも実はロン・ハワードが本当に描きたかったのは極限状況での人間の生き様、つまりはこの映画の後半部分だったんだと思う。宣伝的にはそりゃ鯨推しになるのは当然だけど。何故老人は長らく口を閉ざしていたのか。それが分かった時、なかなか熱いモノがこみ上げて来たよ。「野火」や「生きてこそ」に連なる、上っ面の綺麗事じゃない「生物としての人間」を炙り出してる。

TAZA