「バットマンやスーパーマンよりも、サラリーマンが浮かぶ」バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 幸之助さんの映画レビュー(感想・評価)
バットマンやスーパーマンよりも、サラリーマンが浮かぶ
冷静な気持ちで振り返ってみると、意外と悪くないよう思え、
ただそれでも観づらい演出が多々あり、
また150分あったにもかかわらず物足りなさもあり、
手放しで称えられなかったので、この点に収まりました。
まずはじめに。
車のCMのせいで、CMのBGMが流れた時にバットマンやスーパーマンよりも、
サラリーマンが脳裏を過ぎりました。
MARVELヒーローと差別化するためか、
あちらよりずっと重々しく、終始陰々滅々とした雰囲気でした。
ヒーローの新しい像として描かれる為、それ自体は別段悪くないのですが、
互いのドラマを重視しすぎたせいで、
ヒーローアクション物に必要なバトルシーンが少ないように思え、
あちらと比較すると派手さが足りない気がしました。
ましてや、ヒーロー界の巨匠と言っていいほどのトップに位置するキャラクターなのに。
ただこれは単なる印象による意見なので、トータルするとそうでもないのかもしれませんが。
バットマンとスーパーマンの絶望的なまでのパワーバランス。
このバランスを保つために作られ、また両ヒーローの敵対関係を解決するためにも必要不可欠な敵の存在。
ジョーカーを彷彿とさせる程のぶっ飛んだ敵が魅力的でした。
特に公聴会での手口が気に入りました。
あそこまで出来る捻曲がった根性が素晴らしい。
最後の最後でなんかよくわからないクリーチャーを作り出したのには、
いろんな意味で吃驚しましたが、後で調べたらスーパーマン作品にいたようなので、
知っている人はちょっと盛り上がったのではないでしょうか。
知らない人は( ゚д゚)ポカーンとなった事と思います。
敵の存在については何の問題もなかったです。
どちらかといえば和解する部分が凄く納得がいかなかったです。
一応事前にフラグは用意されて、それを回収していましたが腑に落ちない。
今回スーパーマンは悪の存在としても描かれていますが、
それは多数の被害を出したことによる理由からです。力が強すぎる故の欠点。
そんな中、雌雄を決する戦いで自分の身内を助けたいという、非常に人間的な理由でバットマンと和解しようとするスーパーマン。
バットマンは過失による被害が大きすぎるからブチ切れて怒り心頭なわけで、
他者に損害を出しておいて、自身は利を得ようとするその姿を見せると、
むしろ逆効果で火に油を注いでるだけだろうと思います。
だがしかし、あっさり気を静めるバットマン。挙句さらっと仲間だとか言い切った。
人の感情ってそんなに綺麗に片付くものではないと思うのですがね。
予想通りというか予定調和というべきか。
最後の戦いに特に大きな理由もなく助けに現れたワンダーウーマンと、撮影されていたその他のDCコミックヒーローたち。
バットマンとスーパーマンの戦いをきっかけに、これからDCドリームチームが結成します! という風に終わった本作。
一消費者として、次も楽しめる娯楽が増えるのは素直に喜ばしいです。
今後のMAVELvsDCに期待していきたいです。
さしあたり、シビルウォーですかね。