ジャージー・ボーイズのレビュー・感想・評価
全28件中、1~20件目を表示
ちょっと長いケド知っていた曲アリ!
日本人のわたしでも聞いたことある曲が何曲かあったので、カナリ有名なメンバーなのでしょう。娘の死から復帰する歌のところでは、少し泣けました。人生色々ですね。
ファルセットは僕にとっては『ライオンは寝ている』つまり、トーケンズ
ミュージカルみたいな映画だから良い。
彼等の曲を聞いたことはあるし、勿論、名前も知っているが、ライブでは知らなかった。ファルセットは僕にとっては『ライオンは寝ている』つまり、トーケンズ〔?〕で『シェーリー』もトーケンズの歌だとずっと思っていた。勉強になった(勿論『ビー・ジーズ』が一番好き)。
この映画は『興行』と言う行為が、アメリカ裏社会と、いかに隣合わせでいたかを回顧する内容だと思う。この場合、イタリア系白人が裏社会から搾取(?)されてきた話だと思う。まぁ、白人だからまだ良かったのだと思う。同時期(1960年代)は、公民権法の制定前の時期。音楽の種類に関係なく、黒人は、アメリカ資本家(若しくは興行主)の仕組んだ興行に、搾取(?)されてきた歴史があることを忘れてはならない。
イーストウッド監督と知らなかった。イーストウッド監督は『バード』だとかでも、裏社会との繋がりを素直に描いていたと思う。その点は認めるが、その時期を温故知新で回顧するイデオロギーが僕には共感出来ない。
若い時から苦労して『アメリカのテレビ西部劇-ローハイド』で演じてきた。しかし、世界的に花を咲かせたのは、皮肉なことに『イタリア西部劇』。苦労して、上り詰めた人物であるのは認めるが、決して『ジョン・ウェイン』ではない。彼が張る虚勢もそういったコンプレックスがあるのかと思う。
しかし、ジョン・ウェインよりもはるかに名優だと僕は思うが。
追伸 見ていたテレビの俳優はローハイドのクリント・イーストウッドだ!今気付いた。
前知識ゼロで何となく見始めたので シェリーの曲聞いてからあれ?実話...
前知識ゼロで何となく見始めたので
シェリーの曲聞いてからあれ?実話!?
と驚いたという、、そして君の瞳に恋してるを聞いて
この曲もかーー!って。
曲に入るまでの演出も良かった。
落ちぶれていたフランキーが白いスーツをパリッときめて沢山の管楽器をバックになんとも言えない表情で歌うところ。ぐっとくるよね。
借金に追われていたせいもあるけど
スターになっても皆がとても人間臭く描かれているところもイーストウッドならではなのかな。
タイトルがイマイチと思ったけど原題でも同じなのね。
気持ち悪いファルセット
「フォーシーズンズ」の大ヒット「シェリー」などはリアルタイムで聞いて知ってはいたが裏を知ってがっかり。若気のいたりとはいえ犯罪を遊び気分で繰り返し、人生を舐めきった生き方に途中で白けてしまった、フランキー・ヴァリの個性的な歌声は全米を魅了したのだろうがジョン・ロイド・ヤングの歌唱は私にはわざとらしいファルセットが気持ち悪く辛かった、ドキュメントっぽい素人芝居も鼻を突く、イーストウッドのファンなので観たかったのですがこればっかりはイーストウッド監督と好みが別れてしまった、すいません、往年のファンの方々が楽しむ映画でしたね。
やっぱり観て良かった!
クリント作品で未だ観てなかった
ジャージーボーイズ
まぁミュージシャングループの王道よね。
結成、腐敗、解散、再会
だけど、それを観てて観客は腐敗せず
彼をどんどん好きになるように映すのが
クリントイーストウッドであり巨匠です。
やっぱり想像がついても、観終わると
観て良かったなぁと思わせる。
これはまるでマジシャンクラスだと思います。
借金の肩代わりするところも男前で素晴らしいけど
娘が家出して、ニューヨークで娘と会って
カフェで娘に言う。
集中しなきゃダメだ
辛い気持ちはわかる
世の中に分からせたいのに誰も気づいてくれない
だが状況は変わる
我慢強く努力を続けるんだ
クリント様のメッセージ受け取りました。
努力ができる人と、そうじゃない人がいる。
それも分かった上で、たしかにこの主人公は
凄いけど、それ以上に努力家だったことが分かる。
才能だけじゃダメだと言うことだろう。
やっぱり噛めば噛むほど味が出ます。
最後のフォーシーズンズのメンバーのインタビュー
そこで一番良かったのは、一番の瞬間は
一位を取ったことよりも何よりも4人で最初に
歌った時だったと言う主人公の言葉は素晴らしい。
人生は辛酸の連続、そこで幸せを感じ取れるか
感じ取る力があるか、なのかもしれない。
やはり音楽っていいなぁとも思える映画かも。
ちなみにこの映画を観るまで、フォーシーズンズも
Cant Take My Eyes Off Youが、この人だと
言うことも知りませんでした。知れて良かった!
フォーシーズンズが好きなら
スターの栄光と苦悩を描いている。
仕事のせいで家庭崩壊…とか、バンドに問題児がいて…といった内容で、
この手の映画は他にも多数あるけど、
それらと比べて突出しているとは感じなかった。
作品として全体的な完成度は高いものの、一方で良くも悪くも尖っていない。
曲や彼らが好きなら、物凄く楽しめるのかも。
20本目。エンディングまで楽しい。
今まで見た中で一番面白かった映画が、BSで放送されるということで、とても楽しみにしていた。
「フォー・シーズンズ」のメンバーの語りも交えながら話が進んでいくため、
一つ一つの場面・時でのメンバーの心情がとても分かりやすかった。
また、「君の瞳に恋してる」という曲の裏側には、ヴァリの娘の死が関わっていることを、2回目ながら初めて気づいた。
気づくまでは一般的な「ラブソング」なイメージだったが、
娘の死に直面した父親、ということを踏まえて歌詞を見ると、なんか鳥肌がたった。
もしかしたら、今はいない娘に向けて歌った曲かもしれないと思った。
エンディングは、まるでミュージカルを見ているかのようで、とても楽しいものだった。
「シェリー」のアカペラで始まり、急に曲調が変わってノリノリな感じだったから、
見ているこっちも、今にも踊り出したくなるくらい楽しい気持ちになった。
エンディングまで必見の映画です。
美学
男の美学を描かせたら一級作品しか作らないクリントイーストウッドのミュージカル映画。ニュージャージーの田舎からスターへとのし上がってくバンドの物語。
いまどき、家族の時間を犠牲にして夢を追いかけるなんてのは非現実的で不幸な人生を選ぶ無謀な選択だと思われるのが普通。それでも、無謀な人間になってしまうのが男というものなんだろう。
作中でさほど夢の中身が語られるわけではない。ある意味ではそれは映画の構成ミスとも取れそうなものだけど、そのあたりマイナスにならない力を持ってるのがイーストウッド美学。彼らが何を目指していたのかは分からなくとも、彼らがそれぞれに何かに執着し、葛藤し、生きたという事実がただカッコいい。
たぶん彼らがカッコいいのは、どんな経験も過去に追いやられるくらいまっすぐに生きて、未来へと向かいながら結局は自分の過去に戻っていってしまうからだと思う。ノスタルジックに過去に捉われるのはふつうあんまりカッコいいことだとは思われないけど、ほんとのところは、それだけ強い過去がなければ、まっすぐ進むことはなかなか難しい。どんな未来も過去につながってしまう彼らの永遠。もし単に上っていくだけの話だったら、どんなに人間模様が描かれて愛が溢れていてもドラマにはならなかった。描かれた自己愛や家族愛、兄弟愛が、彼ら特有の時間の巡りのなかで生み出されてるからこそ、彼らは苦しんでいてもカッコいいんだろう。
ふつう自分ではそういう時間の巡りには気がつかない。他人が何かの形で気づくことがほとんどだけど、同時にまたそもそも気づかれないことがほとんど。この物語に光を当てたクリントイーストウッドはやっぱ最高だと思う。
大好きな映画
個人的には大好き。初めて観た時声に違和感が無くてビックリしました!✨
劇中流れる曲も、リリース順ってわけではなくて、その場面に合った歌詞の曲が使われているような気がして、流石だなぁと思いました〜
少しだけ長いような気もしたけど、スピード感もちゃんとあって、現在から振り返って若かりし頃の最高の状態になってから歌い出すってのもなんか良かったです。個性豊かなメンバーが面白かったし、なによりラスト役者さんたちの輝かしい表情を観て感動した。
成功の重い代償と、声が強烈な余韻
DVDになってすぐ鑑賞した作品。
フランキーバリの個性的な声質に最初びっくりしましたが、フォーシーズンズを随分研究されたんだなと感嘆しました。シェーェリーイ♪と、アイヤイヤ♪がしばらく頭から離れませんでした。
ドリームガールズの男性版を想像していたので、画面が全体的に赤黒く暗いのと、展開が遅く感じ、少し中だるみしましたが、クリントイーストウッド監督という事で納得。
弟分だったフランキーが1番まともに成長し、歌には真摯に向き合い、仲間の不手際をカバーしていくところが良かったです。とはいえ引き換えに家庭を省みるのは難しく、ショービジネスって本当に水商売で、堅気に普通の幸せを築くのは難しいんだなとつくづく思いました。泥棒上がりで嫁だけでなく娘も失い、、成功とその犠牲にぽっかりとしました。
Jersey Boys
Of course don't come easy.
You gotta off talent, skill and vision. And luck!
成功は簡単じゃない。才能と腕とビジョンがなくちゃ。それから運も!
フォーシーズンズのことなんてこれっぽっちも知らずに鑑賞。50年代のアメリカの様子も、フォーシーズンズのことも、フォーシーズンズの曲も、調べてもっと知りたいと思った。君の瞳に恋してるだけ唯一知っていた曲。あんな生い立ちの曲だったなんて。
名声と幸せって比例しないんだな。スターが幸せってことじゃない。どうしようもないトミー。音楽にまっすぐででもひとつのことにしか集中できないフランキー。この2人が際立ってたなぁ。
最後に晩年の4人が集まるシーン、とても好き。ミュージカル調のラストシーンに全員が出てくるところも良い。
時代背景や彼らのことをもっと知った上でまた見返したい映画です。
イーストウッド監督作品らしいリアルな映像と、演出、バンドの演奏や歌、当時の風俗描写が素晴らしかった。
クリント・イーストウッド監督作、大ヒットしたブロードウェーミュージカルの映画化。
普通このパターンだと、突然歌い始めたり、踊りはじめたりするけれど、そういうところがまったくなかった。
イーストウッド監督作品らしいリアルな映像と、演出、バンドの演奏や歌、当時の風俗描写が素晴らしかった。
貧しいイタリア移民の子フランキーは、床屋の見習いとして働いていた。地元の知人はギャング系の人ばかり。歌がうまいフランキーは、地元ギャングのボスにも気にいられていた。フランキーは友人のトミーのバンドに入るが、やることは主に盗みばかり。未成年のフランキーは見逃されるが、バンド仲間のトミーやニックは刑務所を出たり入ったりしていた。ある日、別の仲間がボブを連れて来る。天才だという。対等以上の条件を出すボブの加入を、リーダーのトミーは反対するが、フランキーはその才能に惚れ込み、トミーの反対を押し切ってメンバーに入れる。真剣に音楽に取り組むフランキーとボブはレコード会社にデモテープを持ち込むが不調。レコードを出すには、かなりの金がいると告げられる。その話を聞いたリーダーのトミーがギャング系の金貸しに金を借り、なんとかレコードが出せることになる。そのレコードは大ヒット、4人のバンド「フォーシーズンズ」は一躍、スターダムにのし上がるが・・・・。
内容的にはよくあるミュージシャン物で、実話だからしょうがないけれど、ストーリー的にはあまり面白くなかった。
だいたいアメリカのミュージシャン物の映画はこんな感じ。
一歩一歩、苦労して努力して成功したわけではなく、生まれつきの才能や強運を頼りに成功した人は、他の人もおおむねこんな感じなのだろうと思った。
結局、成功しても、幸せになれるとは限らないし、快適な環境は手に入るのだろうけど、特に苦労した経験がないから、すぐ慣れてしまい、全部当たり前で、なんとも思わなくなる。
現状では不満、さらに上ということになると、かなり厳しいものがあるし、そういう環境が得られないとなると、どんどん道をはずれていき、かなり危うい感じになるものなのかもしれない。
よくバンドが解散する時、音楽性の違いとよく言うけど、結局、金だよね、と改めて思ったのは言うまでもない。
細かいところだけれど、白黒テレビに映っていた若い頃のイーストウッド氏(たぶん「ローハイド」、ちなみに今では信じられないような、チャラくてナンパなキャラだった)と、人間がピンを並べているボーリング場、ものすごくでかい子供の自転車の車輪くらいあるオープンリールのテープなどが、微妙に面白かった。
⭐️⭐️⭐️⭐️ 心に沁みます。
名監督イーストウッドの作品と知っていたが、映画のチラシの写真が何と無くそそそらず、正直、全然期待せず観たのだが、凄く良く、掘り出し物を見つけた気分。
ミュージカル・ベースの映画だそうだが、観やすく、長さを感じさせなかった。
僕自身、この手の若い時から、老年期まで描いたストーリー物が好きなせいか、ジーンときてしまう物があって、最後のミュージカル風エンディングも思わず、涙が出そうになりましたね〜。
あの、誰もが聴いた事が有るであろう『君の瞳に恋してる』の曲の生い立ちも、そんな悲しい出来事が隠されていたのか知る事が出来ましたし、フォーシーズンズに興味も湧いて来ました。
イーストウッド監督は、本当に役者としても成功しましたが、監督としても素晴らしいですね。
『アメリカン・スナイパー』も必ず観るつもりです。
他の方のレビューで、劇中、役者が心情など、ストーリーの流れとは別に、語る場面が多くる点をマイナスに捉える方がいらっしゃいますが、僕的には余り気になりませんでした。
ストーリーや、その時のリアルな心情などを分かりやすく、解説してくれたので良かったですし、監督独特の、ほかの伝記物映画と違った個性を感じました。
変な話、最後のミュージカル風のラスト・シーンで役者がカラダの動きをぴたりと止めたシーンで、アップになり、呼吸で微妙に動いていた事が、ミュージカル出自を思わせて、凄く印象的でした。
とにかく、もしぼくのレビューを見て、少しでも興味を持ったなら、ぜひ観てみてください。
面白いですよ!
日本の映画監督の方へ
この手の音楽バンドの半生記映画は、日本でも撮れそうですがいかがですかねー。面白い題材だと思うんですが。
例えば『ザ・タイガース』『ザ・スパイダース』とか他にもいっぱい有りそうです…
魅力的じゃない女性は出てこない。ヴァリの奥さん、本当にいいの??っ...
魅力的じゃない女性は出てこない。ヴァリの奥さん、本当にいいの??って最初は疑問だったけど、恩に報いようとしたヴァリは健気でとてもカッコよかったし、納得。シェリー、君の瞳に恋してる、の2曲がグッと全体を盛り上げていて、彼らが売れることを自分の事のように喜べる。
エンドロールのダンスが素敵すぎて、90分あれでもいいと思ったくらい。
知ってる曲
知ってる曲が流れるとやっぱり入り込みやすい。
「君の瞳に恋してる」があんなに悲しく聴こえたのは初めて。
いつもウキウキな気分で聴いていたが、裏にはあんな辛いことがあったなんて…。
田舎の若者が成功する姿を描いた話や、平凡な女の子が綺麗になって成功するシンデレラストーリーのようなものは面白い。
自分には起こり得ないからこそ、映画で楽しむことができる。
素晴らしかった
音楽に無限の可能性が秘められていた時代に音楽を生み出そうとしている様子が実に感動的に描かれていた。
それが決して純粋に音楽を追及しているだけでなく、本当にチンピラが本物のミュージシャンになっていく者と、チンピラのままでいる者、両方の力が引き合って活動体として活性していく。きれいごとだけでバンド活動が成立しない感じが生々しくてよかった。トミーによる盗品の衣装がなかったらステージに立てなかったかもしれないし、ともすれば楽器も盗品だったかもしれないし、チンピラとしての野心がなかったらステージに立っていなかったかもしれない。
トミーは恩着せがましいところがうざいのだが、実際、フランクが自動車内での殺人詐欺にあうところを助けてくれたし、若い時の1万円は30代の30万円に相当する感覚もある。
バンドの各々がモノローグで語るため、人物を把握するまでちょっと混乱した。
フランクが振り返る、街灯の下で彼らのコーラスが生まれた瞬間こそが音楽活動のハイライトであったというのは胸にグッとくる。その時に、彼らの心は純粋に音楽で一つになっていたのではないだろうか。
不平不満があったり、ぶつかったりしながらも、つながって活動していくことこそが尊いんだと思う。
「名曲誕生の真実」ではない
アメリカで伝説的なグループ「フォーシーズンズ」の成功物語をミュージカルにした舞台を、クリント・イーストウッド監督が映画化。ミュージカルの映画化とはいえ、踊りなし、音楽に乗せた台詞もなし。フォーシーズンズの音楽に乗せて、彼らの歴史を追っていく作風に仕上げた。
舞台は未見ながら、期待していたせいか、大いに物足りなかった。
まず、本作は舞台でもヴァリを演じたジョン・ロイド・ヤングを配役しているのだが、彼の歌がイマイチだ。いくつかのシーン、高音を出すところで微妙な「引っかかり」があった。実際のヴァリの高音は、もっと透き通った声だったので、あの引っかかりは気になる。本作は、歌で感動させようと言う意識を排除して製作されているのかもしれないが、ミュージカルの特徴である、圧倒的な歌唱力で強引にでも感動させてしまうような場面が皆無だ。それも、音楽劇を期待していた分、残念だった。
逆に、ミュージカルの踊り、歌、役者の歌唱力などミュージカルの感動要素を排除したなら、どこに魅力を感じて映画化したのか疑問だ。フォーシーズンズの歴史を振り返るというだけなら、舞台を映像化しなくても、フォーシーズンズ物語を新たに作れば良い。実際のフォーシーズンズは、もっとドロドロとした不仲騒動が、リアルタイムではない僕の世代でも知っている有名な話だし、そんな部分を含めてリアルに描いた方がイーストウッドらしい作品に出来たのではないだろうか。
本作ではまるで「4幕もの」ともいうように、4人がパートパートで狂言回しになっている点はいい構成だった。とはいえ、ストーリー展開や構成上で良かったのはそれくらいで、全体的には舞台の映像化の狙いがよくわからない。
個人的に一番感動したのは「君の瞳に恋してる」の製作秘話とヴァリの娘の死を絡めたシーンだが、あればあくまでもこの映画の創作で、実際には、曲の製作時期(60年代)と娘の死(80年代)の時期を考えれば、まったくのフィクション。
「時代を超えた名曲に秘められた感動の真実」というのが、本作のキャッチコビーの一つだが、少なくとも「君の瞳に恋してる」については完全な作り話だし、明らかにミスリードしている。クリント・イーストウッドの責任ではないが、まるで伝記物であるように作っておきながら、こういう大きな部分がまったく歴史的事実と反した創作になるのは違和感がある。
もう一つ気になるのは、クリント・イーストウッドは、劇中で数年という時間を経過した際に、それを表現するのが雑だと感じる。それは、『ミリオンダラー・ベイビー』でも感じたことだ。もともと(これは舞台版の構成の問題かもしれないが)時系列が実際に起きたものとバラバラに繋ぎ合わせていることもあって、エピソードから次のエピソードに写った際、何年くらい経過しているのか分かりづらい。
ラストシーンでは、「これぞミュージカル!」というシーンを付け加えているは、口うるさい舞台ファンへのサービスだろうか。あれをそのまま全体にやってくれた方が、きっと楽しめただろう。
そこに歌がのこった。
どうみても傑作なので。評価が低い人がいるのが信じられない。アメリカでの評価も低いし……アメリカ人って脳筋揃いなのか?と思っていたら、2回目観て気がついた。「もしかしたら伝記映画として、これを観ている?」のかと。
これは確かに実在の人物を描いているが、伝記映画じゃない。もっと単純で「歌で引き寄せられた人々が歌以外で破局になり、それからどうなった?」を描いたもの。だからだ。単純がゆえに美しくて素晴らしく、見方をかえれば恐ろしくて残酷、だ。
ラストシーン、再開した老人のフォー・シーズンが観客に向かって心底どうでもいい独白をしたのちサッと振り返ると若き日のフォー・シーズンで歌いだす。それをみれば意図はあきらかだ。
家族との関係も冷たくなるだろう。多額の借金で苦労もするだろう。愛しい娘の死もうけるだろう。山のようなタオルに怒りもこみ上げるだろう。決して良い人生を送ったとはいえない。それでも。
それでも永遠に歌はのこる。
たったそれだけを描いただけだから。
音楽が素晴らしい
ストーリーはよくある『栄光と挫折』ですがぐんぐん物語の世界に引き込まれました
名誉を手に入れても幸せとは言い切れない、といった所でしょうか
(グレース·オブ·モナコも同様ですね)
紆余曲折ありますが、それでもラストは仲間たちが集まりまた歌います
そんな仲間がいる彼らが羨ましくなりました
物語は然ることながら、迫力ある音楽も本当に素晴らしい映画です
幅広い年代の方が楽しめる映画だと思います
全28件中、1~20件目を表示