「余り美しくないローマ。」グレート・ビューティー 追憶のローマ bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
余り美しくないローマ。
このような比較をしてはいけないのかもしれませんが、同じローマを舞台にした映画である、フェリーニの「甘い生活」や「フェリーニのローマ」よりはかなり見劣りがします。映像には色々と工夫が施されているのですが、今一つ、切れ味がありません。冒頭の裸の女性たちが入り乱れる乱痴気騒ぎのシーンを見て、観る映画を間違えたな、と思いました。ちょっと下品過ぎます。全体的に見て、俳優陣にも魅力が欠けています。なんだか、男優も女優も全員、干からびているのです。アカデミー賞の最優秀外国語映画賞を獲っているということで、観る方の期待が高まってしまったのでしょう。 尚、劇場は平日ながら、6割程度の入りでした。やはり、日本にはイタリア映画のファンは多いのです。以前、フィルムセンターで特集上映されたイタリア映画祭は大盛況でロッセリーニの「イタリア万歳」は予約の段階で即、完売となっていました。いつか日本でも傑作の誉れ高いロッセリーニの「ルイ14世の権力奪取」が公開されることを願っています。
尚、映画が終わって一瞬、暗転しても席を立たないでください。エンドロールの背景に川を行く船からの風景が映し出されます。
コメントする