劇場公開日 2014年8月9日

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「たくさんの人に見てほしい秀作」ソウォン 願い 作品に向き合うゆき平さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0たくさんの人に見てほしい秀作

2014年8月18日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

まず言いたい。

なんでこの作品の上映館がこんなに少ないのだろうか?

所詮、一つの家族の悲劇の物語だから?韓国映画に偏見がある人がいるから?

はっきり言って、こんなに良い作品なのにこの上映館の少なさはないと思う。せめて15館くらい公開できなかったのだろうか?なぜ映画館は受け入れてくれないのだろう…。まあ流したかったけど他の作品で一杯になった所もあるかもだが…。

とにかくこの扱いはどうなんだろう。どうしようもない作品がいろいろと公開しているのに、ちょっとだけでも広がらないのは本当に残念…。

シネマカリテ他で上映してくれてありがとうございます。

さて、作品ですが、本当にたくさんの人に見てほしい作品。

偏見で見ないなんてもったいない。

事件自体は『トガニ 幼き瞳の告発』に匹敵する事件ではあるが、あちらは悲劇の事件を描きながらもエンタメの部分があったのに対し、こちらは人間ドラマ。

事件の部分は序盤と終盤だけにあって後は被害者家族が再生するドラマを描いています。

母親と父親で見方が変わるかもしれないが、とにかく今作は父親の気持ちが痛いほど伝わるんですよ。

手術後の娘の優しさと成長していたことを父親が見るのも辛い状態で知るシーン。

トラブルが起きて父親がなんとかするためにしたことが娘の事件のトラウマを呼び起こし、娘から距離を置かれてしまうシーン。

など、とにかく感情移入しまくりで「泣く」をこういう作品にあまり使いたくないが、父親と一緒に泣かされる。

とくに、父親が顔を出せないけど娘をなんとか元気づけようとする部分は凄く丁寧に描かれているので心を揺さぶられながらほとんど号泣してしまった。

脇役の友達にもドラマがあって泣かされた。

そして、怒りも感じられて犯人の身勝手さに凄く胸糞悪く父親が睨む時は同じ顔をさせられた。司法の矛盾にも突いていて本当にお見事。

しかし、犯人の判決は本当に納得いかないんだけども、今作のキャッチコピーである「幸せに生きていく、それが最大の復讐」が合っているラストにホッコリさせられた。

犯人は、己の不幸さをずっと感じて生きてけと思いますね。

とにかく衝撃的ではあるが、目を背けないで見てほしいし、たくさんの方に見てほしい作品。遠出してでも見る価値があります。近くでやっていたら絶対にオススメです。

萌えポイントはあるが、遠慮していただきます。

作品に向き合うゆき平