「演出感が残念でした。」世界の果ての通学路 はち公さんの映画レビュー(感想・評価)
演出感が残念でした。
これを見て単純に「日本に生まれてよかったね」とはならないでほしいなぁ…と思うこともしきり。
長時間かけて通学したら、オンボロ校舎の校庭にみんな整列して国旗掲揚してから授業開始という流れなど、おおと思います。
テーマは非常に良いと思います。
某フェスティバルで上映会があったので観賞させて頂きました。
が、最初はドキュメンタリーだと思って観賞していたのですが、途中で違和感。
歩いている子どもたちを様々なアングルで見せるのは、長時間一緒に歩いて撮った映像の編集なのでしょう。
しかし、凶暴なゾウから逃げる子どもたちを、どうやったら様々なアングルで撮って編集できるのでしょうか?
ゾウから逃げる子どもたちを背中から定点カメラで映す。逃げる最中に落とした水筒から水がこぼれる映像をアップで映す。
…私には演出されたハプニングとしか思えませんでした。
そう考えると、足を怪我してヒッチハイクというのも怪しい。
怪我をしたことは本当で、撮影者は手助けをしない条件だったのかもしれません。
ですが、あのトラックは本当に偶然そこを通りかかった善意の第三者だったのか?
トラックに乗り込む子どもたちを、外側と荷台側の両方から映し、さらに走り去るトラックを映す。
この流れを、一回でどうやって撮影したのでしょう。
カメラが複数台あったとしても、お互いが映らないようにすぐにポジショニング出来るものなのでしょうか。
そう思うと、全部「これ本当か?」になってしまう。
繰り返しますが、テーマは悪くありません。
ひょっとしたら、私自身が撮影技術に対して無知なだけなのかも知れません。
せっかく良いテーマで、色々と考えさせられる内容なだけに、そこの部分が気になってしまい、残念に思いました。