「遂に一線を越えてしまった!!」グリーン・インフェルノ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
遂に一線を越えてしまった!!
イーライ・ロス監督のこの映画は、絶対に観るのはやめておこう・・と、
思っていた。
しかし観てしまった。
『グリーン・インフェルノ』と言う名の森・・から題名は決めたそうだ。
「緑の地獄」・・・ピッタリだ。
小型機から見下ろす深い緑の森は、肥沃で本当に美しい。
流れるアマゾン川もチリでは規模が小さく感じる。
「食人ホラー作品」とか「食人エンターテイメント作品」と呼ばれるこの映画。
私が一線を超えた・・・と感じたのは、食人のシーン。
首を切断、太腿も根本から切断、生首から生き血注ぎ、目の玉を旨そうにほおばる
食人種のリーダーの女。
残りの胴体はピザ窯みたいので焼かれる。
真昼の惨劇は超リアルで映像もまるで本当に人を殺して食べてるみたいだ。
全編通して映像技術は高い。金も掛かっている。
人喰い族の100人くらいのエキストラはまるで本者みたいだ。
ここで、アリ・アスター監督作品『ミッドサマー』を思った。
こちらもタブーに挑戦した映画。
真夏の夏至祭・・・こちらも映像は明るく美しい。
しかし同様に内容は恐ろしくおぞましい。
どちらが好きかと聞かれたら『ミッドサマー』と答える。
内容がこちらより深淵だから・・・人間の欲望がソフィスケートされてるから。
環境保護運動の一環で、不正な森林伐採に抗議するために、
チリの奥地の訪れた活動家たち。
その中の1人は父親が国連職員の女子大生ジャスティン。
軽い気持ちで参加した抗議運動で彼女は地獄を見ることになる。
アマゾン流域開発の是非や人喰い人種を抹殺していいのか?
社会問題も絡めて面白く作られている。
環境保護運動家の本当の目的は企業利益とつながっていたり、
保護運動のリーダーが最低のクズ野郎だったりで、
この男は許すまい・・・と思ったりした。
主人公の女子大生ジャスティンが最後に取った行動。
それは完全に保身だと思う。
彼女にとってこの経験は黒歴史・・・なかったことにしたかったのだと思う。
やはり社会派映画の側面はあると思った。
一線を超えた・・・とも思ったが、観ておいて損はない。
観る価値は有ると思いました。