劇場公開日 2014年10月10日

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「兎にも角にもセス・マクファーレンの魅力溢れる作品。」荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0兎にも角にもセス・マクファーレンの魅力溢れる作品。

2014年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

良かった。
下品、下品、下品。
兎にも角にも下品。
世の良識派の皆様は眉を潜める作品。
今回はTedもいないため下品は剥きだし。可愛さ無し。オブラート無し。
…要はセス・マクファーレン節炸裂な作品でした。
楽しかった!

西部劇と言えばアリゾナ。
砂舞い、草の絡まったコロコロが舞う不毛地帯。
酒場で荒くれ者が暴れ、決着は決闘で命の遣り取り。
そんな野蛮な世界を「野蛮で嫌だ!」と扱い変に美化せず笑い話として扱っています。
飢えで死に、決闘で死に、事故で死に、蛇で死に。
意味も無く突如死ぬ西部劇の時代に対して現代の目線から「無理!」を突き付けている点、共感が持てます。

また全編通してセス・マクファーレン節。
序盤は動物から振り落とされてガッツリ衝撃を受ける間抜け映像の連続。
衝撃映像を見せられ続ける苦笑と共に体を張った笑いに惹き込まれます。
凄惨な場面を「ほれ、西部劇の時代はこんな野蛮なんだ!」と見せる場面も良く。
現代的な感覚、当時で言えば軟弱な感覚を持つセス・マクファーレンのリアクションにグッときます。

兎にも角にもセス・マクファーレンの魅力溢れる本作。
歌って、踊って、戯けて。
そして真剣な顔をして。
彼のこれまで積み重ねてきて全てが詰まった作品と言えます。

ハリウッドの関係性からも楽しめます。
相手役のシャーリーズ・セロン。
2013年のアカデミー賞。
司会はセス・マクファーレン。
彼が歌った「貴女のおっぱい見たよ」。
そこでアン・ハサウェイ、ニコール・キッドマン、ハル・ベリー等々と共に挙げられたシャーリーズ・セロン。
「シャーリーズ・セロンのおっぱいは『モンスター』で~♪」。
その時にムッとした表情を浮かべていたシャーリーズ・セロン。
そんな彼女がセス・マクファーレンの相手役をやっていて本当に楽しそうな表情を浮かべている。
セス・マクファーレンの技量も、シャーリーズ・セロンの度量もグッときます。

また元彼女役のアマンダ・セイフライドも良かった。
主役級のオーラを残しつつ存在な扱いをされている不遇感。
ギョロ目と言われ、更にギョロ目を嫌な方向にイジられる彼女。
それをキチンと演じきっていることに好感が持てました。

敵役のリーアム・ニーソンも良かった。
映画「LEGO® ムービー」で乱暴者として弄られていた彼は本作でも謂われ無き乱暴者扱い。
…更に雑な扱い。
中盤の生花場面は彼のイメージを逆手に取った素晴らしい場面でした。

日本上映用のタイトルも秀逸。
映画「007 ロシアより愛をこめて」をパロッた。
映画「男はつらいよ 柴又より愛をこめて」をパロッたモノ。
映画好きの人が頑張った形跡があり良かったです。

正直、映画「Ted2」の出演情報と重複部分があるのは否ませんが。セス・マクファーレン組の出演が多い気もしますが。
セス・マクファーレン作品としては十分楽しめました。
個人的には芸達者な面も考慮して米国版 志村けん的な存在と認識しています。

オススメです。

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Opportunity Cost