チョコレートドーナツのレビュー・感想・評価
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ルディの前向きな性格に勇気をもらえる
色んなところでおすすめされて気になってた作品。障害者とLGBTの話とかどうせお涙頂戴でしょ?と期待してなかったけど、今作は最初からグイグイ引き込まれた。
ルディの前向きな性格に勇気をもらえた。ただでさえ自分がゲイで生きづらいのに、他人の子でしかも自閉症の子を育てようとする覚悟がすごい。
アラン・カミングの演技力も抜群で、見た目はおっさんなのに立ち振る舞いとか仕草で女性にしか見えなくなってくる。
ハッピーエンドじゃないのに驚いた。マルコの「ハッピーエンドが好き」発言は死亡フラグだったのか...。
ただ個人的にハッピーエンドは好きじゃないので、バッドな終わり方で好きだな。こっちの方が現実は上手くいかない感が出ててリアルに感じたし、難しく重いテーマの雰囲気と合ってたと思う。
マルコかわいい。
ラストが読めてしまったのが残念。
事実はどうなのか知らないけど、
でもそれが一番ましな終わり方なのかもしれないと思った。
あのまま二人を待ち続けて生きながらえると思ったらやり切れない。
途中あれやこれやと考えてしまって消化不良。
でも何度観てもそうなのかもしれない。
アラン・カミングが好きで観たけどやっぱり大好きなアラン・カミングだった。
とりあえずマルコが素晴らしくかわいかった。マルコかわいい。
人々が寛容でない時代の歪み
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主人公のオカマの隣人がドラッグで逮捕、子供が施設に預かられる。
この子供はダウン症で、施設がイヤで自宅に戻って来た。
オカマは哀れに思い、自分が親代わりになろうとする。
オカマの恋人は弁護士で、手続きを踏んで里親になる。
ところが当時はまだオカマが受け入れられない時代だった。
オカマの恋人の上司が2人の関係に気付き、恋人はクビ。
さらに裁判所に裏から手を回され、この子供も2人から取り上げられた。
そして本当の母親が子供を引き取る約束のもと出所を許された。
その母親は、この子供を毛嫌いするろくでもない男と交際した。
愛情に飢えた子供は冬空のもと、昔の家に戻ろうとして凍死。
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実話をもとにつくられた作品らしい。
性に寛容なアメリカでも、少し前までオカマに厳しかったのな。
オカマにせよダウン症にせよ、理解され出したのはほんの最近なんやなあ。
もう少し実話に寄せても良かったのでは
ラストが残酷すぎる。。現実のルディさんは美容師だったようだし、マルコの母親がジャンキーなのと、近所に住んでたルディさんがマルコを育てたのは事実らしいけど。その他は全くの創作だから、現実はあんな悲しい最期ではないと知ってホッとはしたけど。実際はどうだったのだろう?他人の子どもを、ましてや障がいのある子を育てるなんて、なかなか出来ることではないし、苦労もしただろうし、ルディさんは本当にすごい人だったんだなぁと尊敬する。
そしてこの映画は配役が良い。アランカミングさんは表情も演技も、本当に魅力的な人だなぁ、とファンになった。マルコ役の子もすごく可愛かったし。ヒガシの舞台も良かった。
人に優しくなれる作品
テーマが重そうで敬遠していたが…評判通りこれは間違いなく名作だ。
やはり重いテーマだったが、できるだけポップに描かれているので救われる。
そして主演2人の表情がとて印象的で、目が離せない。思い出の8ミリビデオシーンはよくある系だが、本作では特に効果的でグッとくる。
「過ぎた望みですか?」「子供のためを考えてください」「一人の人生の話だぞ」このシンプルな想いが、なぜ届かない?
「小さく埋もれた記事」「あんたらが気にも留めない人生だ」本当に残念で怒りも湧かないほどに落胆してしまった。
なかなか差別が無くならない人間社会、本作品の時代設定から40年ほど経った現在において、果たして同じ過ちを繰り返してはいないと本当に言えるだろうか。
忘れてはいけない
ハッピーエンドが大好きな魔法少年 マルコは、ハッピーエンドにはならなかった。
時代のせいにしてはならない。
我々の心の中に幾分ばかりかある偏見が、こういう悲劇を起こしてしまうことを、忘れてはいけない。
同性愛に関する意識は変わりつつあっても、日本の法律は・・・
実の親でも子供の前で教育上よろしくない言動は日常的にあるのに、
愛情持って環境整えて、愛情持って接して、ちゃんと栄養考えてご飯食べさせて、教育支援もして、すごくよくがんばっても、同性愛は親として相応しくないという理屈がよく分からない。
今も子供の前で女装や同性愛カップルがキスをするのは教育上よろしくないとされているのかな。
この映画では、彼らが同性愛カップルだから、という偏見のせいで、
実の母親を無理矢理釈放してまで、引き取らせて悲しい結末になった。
昔の映画らしい、悲しさを強調する為の嫌味な終わり方だな、と思ったけど、
昔じゃなくて今でも日本では、実の親という理由で、とんでもない親に戻して子供が命を落とすニュースがある。
親としての素質を見ず、実の親の元に返すのが一番、という日本人の頑な偏見で、日本の法律や法に関わる人達の判断はこの映画の1970年代から進歩していない事実に恐ろしさを感じる。
というわけで、多様性よりそちらの方に意識がもっていかれてしまいました。
マルコが戻りたかった場所
嘘がなくストレートに愛を表現するルディ( アラン・カミング )の慈しみに満ちた表情、切々と情感豊かに歌う姿に魅了された。
ダウン症のマルコ( アイザック・レイヴァ )の無垢な笑顔が切ない。
子供は親を選ぶ事が出来ない。その事実は、時に残酷だと改めて感じた。
ー恥を知る事ね
NHKを録画にて鑑賞 (字幕版)
不必要なセンセーショナル
本作では知的障害を持つ少年をゲイカップルが保護し、家族として暮らす…という物語からいわゆるLGBT差別的な展開を見せます。
広告でも「1970年代アメリカであった実話を映画化」などとしていますが、その実態は「ゲイが同じアパートのネグレクト男児を保護していた」程度のもので、本作の大部分は創作のようです。
本作が何をテーマにしているのかは正直わかりません。
LGBT差別を問題にしているのであればもっと正しい描き方はあったと感じます。
ひたすらに邪悪に描いた母親や社会と比較してゲイカップルが優れているなんてそれこそ差別意識全開だと私は感じます。
ゲイへの偏見に塗れて悪意のある質問を繰り返す検察。
子供のことを顧みない薬物中毒の母親。
育ててくれているゲイカップルを慕い、施設から脱走する少年。
悲痛な訴えも聞き入れてもらえずに少年と家族になれなかったゲイカップル。
ありとあらゆる悪意と悲劇を作中にこれでもかと投入します。
脚色と演出からは「酷いでしょう?悲しいでしょう?憤りを感じるでしょう?」という作り手側の意思を感じました。
正しいはいつも間違える
悔しかった。何も誰も悪くないのに、なんでっつらくて悔しかった。正しいのかもしれないけど、その正しさで誰かの人生が蔑ろにされてしまう可能性を、ちゃんと考えないといけない。正しいは全てでも、正義でもなんでもない。
私も、ハッピーエンドが好きです
多くの映画レビュアーさんたちが口をそろえて「素晴らしい映画だ」と言っている本作。日本公開時に1館のみでの上映しかなかったところ、映画コメンテーターのLiLiCoさんが積極的に働きかけて全国140館規模にまで拡大したそうです(LiLiCoさんご本人が語っています)。
作品のざっくりとしたあらすじだけ知っている状態での鑑賞でした。
結論ですが、非常に素晴らしい映画でした。
今以上に性的マイノリティ(LGBTQ)に対して差別的であった1970年代のアメリカで、ゲイのカップルとダウン症の男の子が疑似的な家族として一緒に暮らす物語。血のつながりや戸籍上の関係は無くても、そこには何者にも断ち切れない強い絆があります。ラストの展開は思わず涙がこみ上げてくるほどに悲しく美しい終わり方でした。ラストの展開に対しては「胸糞」と言っている人もいらっしゃるみたいですが、私は「胸糞」というより、とにかく「悲しい」という印象でしたね。
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同性愛に対しての偏見が強かった1970年代のアメリカ。歌手を夢見ながらショーパブでパフォーマーとして働いていたルディ(アラン・カミング)は、客として来店していたゲイであることを隠して検事局で働くポール(ギャレット・ディラハント)と恋仲になった。ある日、ルディはアパートの隣室に住んでいたダウン症のマルコ(アイザック・レイバ)が母親から育児放棄されている現場を目撃。そしてその母親が薬物で逮捕されてマルコが独りぼっちになってしまったのを知り、自分が親代わりとして彼を守ることを心に決めたのだった。
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この映画を観て真っ先に思い浮かべたのは、2020年に公開された草なぎ剛主演の名作映画『ミッドナイトスワン』でした。「トランスジェンダーの主人公」「育児放棄された子供」「疑似家族として絆を深める」「トランスジェンダーであるが故の社会からの偏見」などなど、共通する部分が数多くありました。公開順で言えば『チョコレートドーナツ』の方が6年も早いので、『ミッドナイトスワン』は本作の影響を色濃く受けてるのかもしれません。冒頭は「展開が似ているからストーリーも同じ感じかな」と思っていましたが、ストーリーが展開していくにつれて『ミッドナイトスワン』とは全く違う展開になっていったので、新鮮味を感じながら鑑賞することができました。
前半はルディ・ポール・マルコの三人が、社会の偏見がありながらも家族として絆を深めていく非常に美しい展開です。私はこういう「疑似家族モノ」に弱いので、ほっこりしながら鑑賞していきました。マルコを演じるアイザック・レイバの表情の演技が素晴らしく、彼の笑顔を観るとこちらまで笑顔になってしまいますね。
しかし後半、彼らの絆を引き裂くような重く悲しい展開が待ち受けています。社会制度や偏見によって、幸せに思えた関係が唐突に終わりを告げます。マルコはルディとポールから引き離され、釈放された母親に預けられ、母親は相変わらずクスリと男遊びばかりの育児放棄。マルコは自分の家を求めて町を彷徨い、最後には橋の下で……。前半の幸せが嘘のような、あまりにも悲劇的な展開です。
ルディとポールが迎えに来てくれるのを楽しみにして、荷物をまとめて待っていたマルコ。母親に引き取られた後に「おうちじゃない」とずっと言っているマルコ。思い出すだけでも涙が出てくるようなシーンですね。
最後にポールが裁判官や検事局の元同僚に対して手紙と新聞の切り抜きを送るシーンも観ていてキツかったですね。手紙を受け取った彼らも自分のやったことに多少の罪悪感を抱くことになったでしょうが、「こんな悲しい復讐劇があるか」と、なんとも言えない悔しい気持ちになりました。
前半の幸せな展開から後半の悲しい陰鬱な展開への落差があまりにも大きくて、これが「胸糞映画」と言われる所以なんでしょうね。『セブン』みたいな胸糞映画とは違うタイプの胸糞。個人的にはどちらかと言えば「儚く美しい」って感じの印象を抱いたので、あんまり「胸糞」には思えなかったですけど、元気な時に観ないと数日引きずるタイプの映画でした。
もしかしたら観ていて辛く感じる人もいるかもしれませんが、絶対観て損しない素晴らしい映画でした。私が今年観た映画の中で間違いなくベスト3に入ります。オススメです。
ハッピーエンド
あまりにも切ない物語。
ずっと胸が苦しくて、ハッピーエンドを迎えるための準備だと思いながら鑑賞。
予想外に悲しい終わり方をした。
愛には人それぞれ形がある。
この映画を観て、愛に対する偏見が無い、本当の愛について考えられる人が増えればいいと思う。
良かったけど、なんくせもつけたくなりました。
鴻上尚史さんの人生相談でタイトルが出てきたので手を出しました。
面白かったです。満足。マルコくんかわいい…!!
しかし、なんくせをつけたくなる部分も。
「偏見はよくない」と訴えたかった映画なのでしょうが、
「障害児の養護施設はろくでもないところ」「麻薬依存症者は結局立ち直れない」も、
これまた別の偏見にならないかな?と。
当時のアメリカの障害児養護施設の状況を私は知りませんが、
現代日本の健常児の養護施設に関しては、
某小説やら某コミックエッセイやら読んで、
「劣悪な環境の家庭に比べれば、まっとうな施設ならば、後者の方がいいに決まってる」と思うようになりました。
ま、「両親」ふたりが築いていた温かい家庭に比べれば負けるかもしれませんが。
そして麻薬依存症者については、立ち直るのはかなり難しいかもしれませんが、
ただ現在努力して断薬している人も少なくはないでしょうし。
切ない
同性カップルだからといって、あんなに親権を認めてもらえない場合がある。
温かく優しい親の顔になった二人と少年がいつまでも穏やかに過ごすラストを期待していたのね、まさかのエンディングに悲しくて…
子供の幸福を一番に、子供に愛が注げる人が親になれるような柔軟な制度が確立されたらいいのに…と思いました。
短い期間だったかもしれないけど二人は本当に素敵な親でした。
切なすぎる
ハッピーエンドにするべきでしょう!
麻薬中毒の母親から子供を保護というと、「しあわせの隠れ場所」を思い出す・・・親が州の保護下の場合、親の同意なしに後見人になることができるので、申請によって後見人になった話だったが・・・時代が違うので同じようにはいかないかもしれないが、何らかの方法によって、3人が一緒に住めるだろうと期待していたので、ややガッカリの結末だった。マルコはハッピーエンドが好きだったのに、皮肉なことに現実は真逆の結果になってしまった。
<印象に残ったセリフ>
-裁判に負けた後-
(ポール)正義などないんだな
(黒人弁護士)法律学校でまず
そう教わらなかったか?
それでも戦うんだ
生みの親より育ての親
たまたま好きになった相手が同性で、そのカップルがなぜ子供を育ててはいけないのか、ボクには全く解らない。
どんなことでもだけど、多くの人たちが共有している価値観、少数派=異質なものに対する精神的ハードルは、その行いが「正しい」か「正しくない」か、本人たちが「幸せ」か「幸せでない」かに関わらず、また本人たちがまわりに迷惑をかけている訳でもないのに、それを許さない。
子供の幸せは、育てる環境よりも愛情のほうが多くの場合、重要と思うけど、その当たり前のことさえ許さない世の中の不条理が悲しい。
マルコが死んでしまった原因を作ってしまった人たちが、マルコの死を伝える手紙を読んだとき、どう感じたのか聞いてみたいと思った。
良い映画でした。
24-024
有る意味ご都合主義
まぁ、深く考えなければ映画としては良いと思う。同性愛への偏見・差別などの訴える問題も有るし。疑似ではあるが一種の親子もので、ラストに歌うルディの姿も熱演で感動的。これで良いと評価しないと叩かれるタイプの映画。
ただ、今まで付き合いも無かった隣人の子供、それもとても手が掛かるであろう障害児を引き取って育てようとするだろうか?うん、ルディは寂しかったんだろう、家族が欲しかったんだろうけど、その辺の設定が緩すぎるかなぁ。マルコにしても、ストリートチルドレンになるワケでもなく、施設に引き取られるんだから、家賃を「明日まで待って」と言うルディとの暮らしよりもマシだったんじゃないか?ルディを支えるポールとの関係にしても、以前からの恋人同士なら分かるんだけど、出会ったばかりで、ゲイである事を隠しているのになぁ。
しかも、ゲイってバレたら仕事をクビになるって・・・・(まぁ、建て前はマルコを引き取る時のルディとの関係を偽ったからなんだろうけど)、そうなると、マルコを引き取る裁判以前に、自分の不当解雇を訴えるなりするんじゃないか?まぁ、アメリカの雇用制度だと、そう言う無いのかもしれんが。だとしても、少なくともポールが理解のある弁護士事務所等に雇用されるシーンが無いと、二人の生活費って?って思った。
とは思いながら、「実話を元にして」と有るから、多少の演出過多はあっても、「あぁ、こういう事が有ったんだろうな」と思い観た。が、見終わってからググったらほぼ創作・・・・。
実話を・・・って推すのが逆に冷めてしまった。
日本版のタイトルが秀逸
ルディがたまに見せる満面の笑みが好き。
ポールに同居を申し出されたときとか、マルコが歌ったあととか。
あと先生(いしのようこ似)がめっちゃいい人で泣ける。
ハロウィンの仮装の映像、和やかに観てたのにこれがそんな流れになるとは。泣ける…
わざわざ母親と取引してまで二人からマルコを奪うとか…
「ぼくのうちじゃない」とか……
泣ける。
実話をもとにってのでまた泣けてくる。
「グッド・ワイフ」今後も観ます。
人の本心に響く良作
70年代からつい最近までのアメリカの制度の欠如を、日本人の私にでもわかりやすく批判していた。
実の母よりゲイの二人のほうが愛情をもって育てているという事実を、同性愛という全否定される立場でありながら、時には熱く、時には冷静に誠実なことを伝えている姿に感動した。
物語の結末に、マルコが死んだあとにポールが、酷いことしてきた人たちにまで書いて出した手紙は、非常に心を打たれた。
知的障害者や同性愛という立場の人を、気遣い行動する人も増えてきたご時世。しかし、本心からは馬鹿にしたり無下にしていないかということが問われているような作品だった。
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