グランド・ブダペスト・ホテルのレビュー・感想・評価
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The Grand Budapest Hotel
うーん、あたしにはよくわからなかったなぁ、、、コメディーということで観たのだけれど、面白いところが、、、どこなのか、、、(笑)
最後らへんの銃撃戦は、ヘンテコで思わず突っ込んだけど(笑)あとはずっと雪とかあって寒そうなのに(舞台はハンガリーみたい)、登場人物の服装長袖1枚?!みたいな、、、(笑)
あとは色使いがかわいかったな!ホテルの制服の紫、ケーキ屋さんのピンク、いっぱい色があって画面が鮮やかだった!
それからホテルの施設(お風呂とかプール?とかエレベーターとか椅子とか)がいかにも古くて、なんか新鮮だったなぁ〜
いつもと同じ感じ
今回はストーリーがあるから面白いとの評判で、リバイバル上映で見た。伊勢丹カードがあったので割引で500円だった。
まず語り手が、現在ホテルに宿泊している作家で、彼がホテルのオーナーである元ベルボーイに聞いた、コンシェルジュについての話、というのがとてもややこしい。誰が語っているのか分からなくなる。
それで、戦争の混乱期に遺産相続をめぐって投獄されたりいろいろあってホテルを所有するに至るという話だった。監督の美意識が徹底していて、息苦しかった。醜い物や無駄なもの、オシャレじゃないものを排除するような、顔にアザがある女も美しく描かれており、そんな世界観をオレは醜いと感じるのですごく嫌だった。刑務所の中すら汚さがオシャレで居心地がよさそうにしか見えない。
話も別に面白くもなんともなく、退屈はいつもよりは少なかったけど、何も得るものも感じるものもなかった。オシャレな世界は息苦しいし、そこにオレみたいなものの居場所は皆無であるとしか感じなかった。映画の内容ではなく、そんな作風に悲しい気分になる。
前にもアンダーソン監督の作品は二度と見ないと思ったのだけど、やっぱりもう二度と見なくていいやと思った。でもオレは何も排除したいとは思わないので、アンダーソン監督が自由に作品を作る世界を大切にしたいと思う。オレはもう見ないけど、皆さんには見に行って欲しいし、そうして映画産業を盛り上げてほしい。
贅沢な小品
贅沢で上品な小さなお菓子という感じ。
けしてお腹一杯にはならないけれど、じゅうぶんな満足感。
最後一気に観念的になってくる。ウェス・アンダーソンの箱庭世界は、基本的に最初から死者を閉じ込めるシェルターの暗喩であり、かつ一般的な物語のように「シェルターからの脱出」は「あらかじめ目的として想定されていない」
ひょっこりひょうたん島みたいな感じ。
ある意味泣ける映画です
レトロでキッチュな世界、やや暗いです。第一次世界大戦に設定した陳腐な物語です。そこに唯一光ってるのが不変的な愛の記憶。メタファー手法やトリビュートのシーンが多い。原作者のシュテファン・ツヴァイクはユダヤ人で欧州の伝統文化の擁護者。ナチスドイツに迫害され、最期はブラジルで催眠薬によって自殺した。グランドブダペストホテルとはヨーロッパ伝統文明の衰亡史、ユダヤ人の流亡の記録です。
たのしい!
もう一度見返したくなる映画!
途中、さらりとグロいシーンも登場するが、程よいコメディと軽快な音楽とシリアスなお話の強弱がちょうどよく、見ていて飽きない。
ストーリーの構成も、メタ的な昔話のさらなメタ的な小説の中身だったという形。
映像も薄いピンクと赤があらゆる場面にバランスよく散りばめられていて美しかったなぁ。
今度は小さな映画館で見たい!
独特のユーモアテンポ
映画冒頭の作家が自室で語る場面で、この映画のユーモアの一端を見せてくれる。そこで面白ければ、以降も楽しめる。
私が好きだったのは数々の支配人がボーイに「代われ」と言う場面。それから贈り物のチェックの場面。
色彩も素敵だった。
お話は誰がどういう関係なのかうまくつかめず、中盤までよくわからなかったが、簡単で分かり易いものだった。
群衆劇と思わないで、二人の主人公の友情や信頼のお話だと思うと楽しめる。
映像は好きだけどストーリーが嫌い!
国際線の飛行機の中で観ました。
この監督の映画、映像のセンスは大好きなのですが、イライラするほどストーリーがつまらない…
映像は本当に良いです。おしゃれなショートムービーをずっと観ているような感覚でしょうか。
ストーリーもおしゃれなのですが、なんというか、クドい。
ムーンライズキングダムも気持ち悪かったのですが、今回の映画もなかなかでした。この監督の作品を観るたびに、「映画は映像だけじゃダメなんだなぁ」と思わされます。
死体等のグロをポップに描く表現は、Lady GaGaのPaparazziのMVによく似てます。意識してるのかも?
DVD出たら、もう一度観たい!
ティルダ・スウィントンが出てるので、観に行った。しかしすぐに亡くなる役だったので、残念!
ただ映画は、ひと昔前のヨーロッパの雰囲気を醸し出し、粋でおしゃれな作品
ホテルのコンシェルジュが、マダムの遺言で貰った絵画を持ち帰る為ベルボーイと供にヨーロッパ大陸を移動する
前進するウェスアンダーソン
いつも、恵まれてなさそうな子供や、ウイットな独得のセリフ、定位置のカメラワーク、舞台を彩る小物達…等一貫性を持っているウェスさんの作品が大好きです。そして今回も、何をするのかワクワクして観ました。
今回は殺人が多く、ウェスさんの意欲作だと思いました。いつも、しみじみさせてくれるウェスさんですが、結構笑どころ満載で、やはりスキーでの追っかけシーンが、1番度肝を抜かれました笑
ミニチュア撮影の映画の中で、こんなにあからさまで笑える作品がかつてあっただろうか。一瞬の驚き、笑い、スリリングが一気に襲い、興奮覚めやらぬ状態でした。
友情や師弟の愛がきちんと図られた世界の中で展開していて、今回も背筋が伸びる思いです。ウェスさんのメッセージを受け取りにもう一度映画館に足びたくなりました。
ブラックユーモアが不得意
何人かの友人がかなり期待をしていた作品。うち一人は帰国子女で、こういうブラックユーモアで生きてるような人。
私はこういうのがあまりよくわからない。
確かに映像、色彩、セットのディテールのこだわりはわかる。
だけど、全くもってわからなかった。
世界観がいい!
ホテルの内装や、ホテルまでのケーブルカーなどがとても可愛くて美しかった!そのギャップで、殺人事件がすごく残酷に思えました。一回目は映画の世界観などに目が奪われて、二回目でようやく話の全体像がみえそう!
マトリューシカ!
印象は「贅を尽くした小粋な作品」
冒頭、少女が本を読み、著者の老人の語りから若き頃の著者が泊まったホテルのオーナーから回想を聞く段取りで、ドラマの構造がマトリューシカ(入れ子人形)になっている。しかも全編のカット枠とカット長のほとんどが同じ比で撮られている。この徹底さが最後に重要なものとしてわかる。
回想はスタンダードサイズになっておりサイレントの想わせる様な見せ方になっている。
グスタフが前半でラジオを聞きながら食事をする場面、ゼロの通行を阻む軍人に怒る列車の場面、そして後半のゼロが難民である事を知り謝罪する場面からグスタフがゼロと同じ境遇であるのが察せられる。
それを踏まえるとグスタフにとってホテルはひとつの“世界”だったのがじんわりとわかる。そしてそれはもう存在しない“過ぎさった世界”である事も。
作り手が映画をマトリューシカにしたのはこの寓話を普遍性のあるものとして語りたかったからだろう。
ムダを省き遊びを楽しむ
ミステリー作品になるための説明を大胆に省略し、できたスペースには、沢山の遊び心が詰め込まれています。
かっちりして有能な上司よりも、くたっとしてダメなオジサンのほうに親近感がわく方に向いている映画だと思います。
とても楽しい!
シンメトリーがお好き
ティルダの老けメイクマダムが可愛かった!あと、若き日のゼロの、手書き一本線のヒゲも笑った。
傾斜の、きっつい登山電車とかお菓子屋さんとか、シンメトリーな背景にうっとりしてたら、肝心のストーリーにちょっと置いていかれて焦りました。
アガサが部屋で荷造りしてたときに足音してたよね。あれは殺し屋みたいな探偵がくる!ってことでよいのよね。血塗れの電報持ってたし。んでバスケットから少女の首がでてきたから、あわわ殺されちゃったよ、ゼロなくねっておもってたんですが、
あれ?死んだはずのアガサが林檎と少年の絵を回収しにブタペストホテルにきてるじゃん?さっきの生首はなによ?殺し屋みたいな探偵がもってた血塗れの電報はなによ?というところで理解できずに、そこだけ消化不良になってしまいました。
レンタルでもっかい見直してすっきりしたいな。
総じて、おしゃれでかわいい映像と、軽いブラックユーモアの連発で楽しく観られました。
過ぎし日の彩り。
何ともユニークでファンタジーめいた世界観は相変わらず健在。
総てに渡りその色遣いやデザインが細部の細部まで凝っている。
この監督のファンなら映像を眺めているだけでも楽しいだろうが、
物語は過去へのオマージュ、愛惜そのものだな、と私は感じた。
豪華なキャスト陣(え、こんな役で?というお得意の常連たち)に
完璧なロケ地、セット、衣装、小道具、もう絵本を捲っているようだ。
物語は、年代ごとにスクリーンサイズを変えてしまう凝りよう。
主軸になる1930年代、夢のようなおもてなしを誇るホテルで起きた
殺人事件。絵画を巡って犯人扱いされた伝説のコンシェルジュと、
彼を慕うベルボーイのヨーロッパ中を駆け巡る逃避行。
彼らを助けるコンシェルジュ仲間や、ベルボーイの婚約者の力を
借りて、二人は事件の謎を解明すべく奔走するのだったが…
オモチャ箱かお菓子箱をひっくり返したような色彩と、
ミニチュア世界で、せせこましく繰り広げられていく人間模様。
ブラックなユーモアも健在で、決して大笑いはできない。そして
後半はファシストによる弾圧が描かれ、歴史的背景が否応なしに
眼前に迫ってくる。なのに、ピンク色なのだ。ピンク。ピンク。
目奥に残るのは、鮮やかなピンクの色彩と栄華を誇った時代。
凄惨な場面ですらユニークに魅せてしまう銃撃戦の場面なども、
確かに楽しくはあるのだが、却ってその裏が強調されてるように
感じてしまう私のような性分はこういう作品に向いてないのか?
いちいち考えてしまうのだ、これって、つまり…なんて風に(汗)
しかし、そんなテーマがあってこその郷愁に満ちた愛らしい作品。
過去を振り返り、辛い時代までも砂糖で塗したように表現できる
ことこそが世界中から愛される「完璧なおもてなし」になるんだろう。
サスペンスだったはずなのに?ミステリー仕立てのはずなのに?
肝心のストーリーはどこへいったの?^^;
愉快なコサックダンスで幕を閉じるこの演出こそ、ブレない監督の
真骨頂を記しているような感じがした。この路線で作り続けてね~。
(いや~多過ぎてキャストが挙げられない…やっぱりデフォーか^^;)
映像はかわいらしくって色彩もラブリー♪
以前「ムーンライズ・キングダム」を観ましたが、好みではなかったらしく思いっきり寝てしまったという思い出があります。
今回は体調を万全にして居眠りはしないゾという意気込みでがんばりました☆
映像は非常にかわいらしくって色彩もラブリー♪
そういうのがお好きな方にはイイのかも。
(映像はラブリーだけど内容はシュールですよね。)
私はそういうのよりも話の内容の面白さを求めているので、これまたイマイチでした・・・
優雅は最大の復讐
1930年代のヨーロッパ(の架空の国)が舞台。
主役のグスタヴは、いわれなき濡れ衣の罪で追いつめられてしまう。
それでも優雅でオシャレな姿勢は崩さない。
彼の優しさやポップな諸々(お菓子や粋な秘密結社)が、彼を救い敵と闘う武器となる。
戦争やら何やらの暗い影もヒシヒシと迫ってきている。
それでもホテルは、優雅で可愛らしくポップで美しい。
いつかは暗い影に呑み込まれてしまうのだろうが、それに歯向かうように、矜持を保つ。
この映画の優雅は、世界を覆う黒い影への反逆であり、復讐であり、唯一の武器だったのだと思う。
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この映画は、まことに楽しくポップであるが、残酷な側面もある。
グスタヴの死…「優雅の喪失」…「暴力的な時の流れに文化が敗北する」のも描いているからだ。
唯一救いがあるとすれば、グスタヴの心意気が、時を経て、ベルボーイから作家へ、さらには現代の読者へと、語り読み継がれていくのが描かれているところだろうか。例え時代に敗北する心意気だったとしても、アンダーソン監督はそれを引き継いでいきたいのだと思う。
そして彼はこれからも優雅を武器に映画を撮っていくのだろうと思う。
ピンクのホテル
裕福、きらびやか、豪華、贅沢、の中にも哀愁感のようなものを漂わせていた今までの作品と違って、ただ豪華。
紙芝居をめくるように次々変わる細々したシーンは見ていて楽しめる。
でも何だか物足りないのよ。
エイドリアンは悪者に見えなくて(私情)眼差しが素敵。
他のキャストも豪華!エドワードノートンもジュード・ロウもマチューもキラキラしてる。レイフファインズもコメディ髭がお似合い
でも何か足りない。
ムスタファの気持ちに寄り添えないから?
無国籍の難民としての彼と彼を受け入れるグスタブの関係が台詞以外のところで感じにくいから?
チカチカする、もっと味わいたいのに
他にはない、深く感慨深い幸せ…
今回もやってくれました。
個人的にはムーンライズ・キングダムに魅せられて、期待に期待をもって見たのですが、期待を大きく上回る名作です。
ノスタルジーの強い素敵な世界観は相変わらずなものの、もう、コマーシャルでみたミニチュアみたいなピンクのホテルがかわいすぎて…とは思っていましたが、ファンタジー度合いがさらに洗練されて、本当に入り込める世界観が素敵すぎます。なんていうか、いちいち温かくていちいちかわいい。
作中に雪の中をスキーとソリでチェイスをするシーンがあるのですが、もう作り物感満載(笑)これがまた温かい…。実際の町の素晴らしさもあるけど、なんといってもこの温かさが他にはない素敵さです。
物語は、グランド・プダペスト・ホテルに旅をした作家の回顧から始まりますが、この回顧って手法ってノスタルジーにぴったりですよね。最高のおもてなしを信条する伝説的なコンシェルジュのグスタヴHをしたってくる老女たちで繁盛しているこのホテル。そのグスタブの顧客である大金持ちのマダムDがなくなり、その遺産相続をめぐってグスタブに殺人容疑がかけられ収監されてしまう。グスタブはベルボーイのゼロとともに、嫌疑を晴らすべく奔走するが、事件はさらに拡大し…。
いやまずもって、このグスタブことレイフ・ファインズ。本当に随所にわらかしてくれますよね。ゼロの回想の最初のシーンで、グスタヴがてきぱきと夫人の荷物を準備し、いよいよホテルから出るシーン。夫人は自らの身の危険を感じ、グスタヴとはなれたくないと伝えるのですが、この時のいなし方や身のこなしが本当におもしろすぎる。もてる男ってすごいわーと笑ってしまいます。ただ、このグスタヴはホテルマンとしては一流ながらも、人としてはひと癖あり。老女に人気があるのもだてではないわけですよね。女性には優しく、見栄っ張りで虚栄心が強いのかな。ホテルの中でもとりわけ仲間を厳しくしつけながら、訓示をおこなってしまうほど。
ただ、マダムの晩年をつきそったからでしょう(もうホストですけど…)マダムは名画をグスタヴに託し、その名画をめぐって、マダムの長男にはめられるわけですね。
ここからは、笑いありネタありのファンタジーです。もういちいちテンポがよくって。グスタヴから名画を取り返すために、多くの人が亡くなるのですが、代理人のコヴァックスが指を落とされるシーンとか全然なまぐさくなくって、その演出手法も一環してよかったです。
世界観のよさ、笑いありの仕掛けの楽しさ、テンポの良さも非常によかったですが、個人的にはラストにとっても感動しました。
伏線はたくさんあったのですが、この文豪に昔話を話すのが、グスタヴの弟子でベルボーイのゼロ。
戦争で身寄りをすべてなくして国籍がないままホテルに雇われるわけですが、グスタヴはこの学も職歴もないゼロを雇い続けて、ゼロもまたグスタヴの教えに忠実に職務をこなし…。グスタヴが「ベルボーイはお客様が望む前に望むことをすること」と教えれば、マダムの遺産相続の会議で絵画を譲られることになったグスタヴが、当の絵画を眺めていると、それをはずすための椅子を差し出すほど…いや笑えますけど。身寄りのないゼロはグスタヴに仕え、グスタヴを本当に父のように慕っていたのでしょう。
物語の最初のほうにでてくる、グスタヴが死んだら遺産はゼロが継ぐという話のとおり、ゼロはマダムからグスタヴに引き継がれた遺産を継いで大金持ちになるわけですが、最後は全財産をはたいてこのホテルを買い戻し、年に3回ほど来ては、自分がグスタヴとともに働いた従業員の個室にとまる…。本編ではなくなった愛妻がこのホテルで楽しくすごしたから、愛妻のためにホテルを買い戻したといっていましたが、それにしても、この話の最後ってこういう温かいことだったんだ…って思ったらとても目頭が熱くなりました。
劇中にゼロが作家と風呂に入りながら話しているシーンで、ホテルが退廃してしまっていることに「こういう退廃的なことはわるいことではなく、むしろ好き」みたいなことを言うのですが、ただのどたばたのファンタジーなだけでなく、どこか懐かしい雰囲気もあいまって、過去への感傷的な思いを思い起こさせるラストに繋がってるのかなとも感じてしまいました。
モテ男のグスタヴが死に瀕した間際まで詩的表現を用いますが、この劇中本当に会話を隠喩や比喩で表現するのが多いこと多いこと。それがまた、ノスタルジーを誘うというか、とてもよかったです。
こんなご時世だからこそ、ノスタルジーと人と人のきずなみたいなものにに浸った温かさがラストシーンで身にしみる。そんな映画でした。
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