「チェック・インお願いします」グランド・ブダペスト・ホテル TSさんの映画レビュー(感想・評価)
チェック・インお願いします
エレベーターに始まりエレベーターに終わる。
始まりは鮮血のようなレッド、終わりは色あせたオレンジ。ホテルの栄枯盛衰を物語る。
この映画で自分が目を惹かれたのは、セット、背景。
リアルな質感。でもどこかファンタジックで作り物感が。絶妙な塩梅でこの映画の不思議な世界観を支える。例え方が陳腐かも知れないが、よくできたテーマパークに迷い込んだような気分になった。
そして、圧倒的なテンポの良さ。スイスイ話が進んでいく。まどろっこしさが一切無いこの小気味よさが、もの凄く気持ちいい。
カット割りが複雑でなくて素直ですっきりしているのと、セリフが短くバシッと決まっているからか。グスタヴ(レイフ・ファインズ)ご自慢の長い詩もバシッと切られて最後まで言わせてもらえないし。
あれだけ何人も殺した暗殺者との最後の攻防は拍子抜けするほどあっけなく。ダラダラ尺をとったりしないこの潔さ。潔すぎて、一体どこが見せ場だったのか、振り返ってみてもわからないほど。脱帽です。
レイフ・ファインズの演技が飛び抜けている。誠実有能な紳士に見えてユーモアとエロス、欲深さと残忍さも持ち合わせた魅惑のコンシェルジュ。追っ手に気づかれるかも知れないのに香水やめない抜けたところがあるのもご愛嬌。キャラクターの魅力を体現。
ケーキが重要なアイテムになっているところがなんだか可愛らしい。
リアルだけどちょっとふしぎな世界。
極上のおとぎ話を堪能しました。
今晩は。共感有難うございます。
明日からの仕事が迫って来て、真っ暗なNOBUです・・。
ウェス・アンダーソン監督独特の世界観は、嵌りますよね。私、大好きなんですよー。ではでは。返信は大丈夫ですよ。