ミスターGO!のレビュー・感想・評価
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日本の巨大ロボットアニメに通じる
バカバカしい設定のストーリーですが、「異形の戦力と、それを制御できる少女」というメタファーは、本来なら日本のアニメ・漫画が得意とした物語。これが日本で作れないのは、日本映画界の力のなさでしょう。
物語の基本「大きな嘘を一つ。細かい部分はリアルに」を忠実に守った映画。
アクションシーンの迫力はさすがの領域。
主演の俳優さんや、少女の演技も素晴らしい出来です。
意外に最後まで楽しめます。
ただし、まともな野球ムービーとして期待しなければ。
野球のシーンも、迫力があって、まともですよ。
ローランドゴリラのリンリン。
4年の成果
このあらすじからして、完全にB級です。
これに4年費やしたらしいです。お疲れ様です。
ゴリラが2頭出てきますが、金と時間かけてるだけあって、
臨場感はすごいあります。
「キングコングの撮影か?」というセリフも強ち嘘じゃない。
でも登場人物たちはそんなに野球には熱心ではなく、
野球好きな人向けではない気がする。
サイドストーリーとかバックボーンとかあるけど、
メインの野球は置いといてそっちがメインになったり、
だから他の話がノイズになったり、
ウェイウェイがやたら呑気なのが少しイラつく。
試合なのに、借金取りからのビデオに見入ってたり、
警察呼べ!とか言ってる後ろでTV見てたり、
ゴリラが酒飲んでるのに止めないとか、
途中からどーでもよくなってきちゃった。
それでもライバル登場でクライマックスキタ!
と思ったら、ハッキリ言って「ドッチラケ」ですよ。
「走れー!」じゃねえよ、ってこんな感じ。
おまけに最後の大立ち回りは完全に蛇足。
早く終わってくれー、もう惰性。
もっと痛快な、「メジャーリーグ」的なものを期待してたから、
日本の球団オーナーが観戦に来たところとか、
(アイツがオーナーとかありえないけど)
すっごいワクワクしてたんだけどねぇ・・・。
結構期待値髙かったんだけどねぇ・・・。
神様、仏様、ゴリラ様
ぶっちぎりの最下位の韓国の弱小野球チームに助っ人として現れたのは、イチローでも大リーガーでもなかった。
ゴリラ!
最初この映画を知った時、擬人化されて人間の言葉を話すゴリラかな?…と思ったが、モノホンのゴリラ!
ゴリラが野球をする。
よくもまあこんな漫画みたいな設定を思い付き、映画に出来たなぁと感心。
韓国映画もメロドラマやバイオレンスだけじゃない!
霊長類最強は吉田沙保里じゃなく、ゴリラ!
なので、打席に立てば全てがホームラン…いや、超特大ホームラン!
例え後ろを向いてても、大きく反れたボールでも、地面を転がしても、ほぼほぼ十割バッター。
惜しくもホームランにならなくても、ベースを踏んでホームに向かって突進してくるゴリラに、相手選手は跳ね飛ばされ、逃げ出す始末。そうか、その手もあったか!
韓国映画だからと行って侮るなかれ。4年も費やしたというフルCGゴリラもクオリティーが非常に高い。
さて、何故ゴリラが野球を?
元々は中国サーカスのゴリラ。名前はリンリン。
サーカスが莫大な借金を抱えている。
野球遊びが好きで、それをスカウトされ、調教師の少女ウェイウェイと共にサーカスを救う為にプロデビュー。
ウェイウェイとは彼女がまだ幼い頃からずっと一緒。
ウェイウェイはリンリンの言動を理解し、心が通じ合っている。
が、終盤、ウェイウェイは自分は本当にリンリンを理解出来ているのかと思い悩む。
同じく終盤、リンリンの身に野球選手あるあるの体の故障。その原因は…。
ウェイウェイとリンリンの絆は思いの外感動させる。
リンリンをスカウトしたエージェント。当初は金目的だったが…。
リンリンを利用して“野球”という賭博で己の利益しか考えてない球団上層部。
日本から巨人と中日のスカウト合戦。(中日オーナー役でオダギリジョーがオカッパ怪演)
社会風刺もチクリ。
サーカスにはもう一頭ゴリラが。凶暴な性格のマウンテンゴリラ。
この時点でオチは何となく予想出来た。つまり、目には目を、ゴリラには…。
リンリンの快進撃で勢いづくチームだが、全てが上手くいく訳なく。ある時リンリンが暴走して…。
リンリンの活躍ばかりでチーム個々の活躍はほとんど描かれず。
ツッコミ所は言うまでもなく、展開が読めたり、登場人物の言動が時々よく分からなかったり難点も多々あるが、全体的には楽しめた。
何より、リンリンの可愛らしくて穏やかな表情や姿には難癖付けられないや。
もうめちゃくちゃww
「アパッチ野球軍」や「アストロ球団」みたいなトンデモ野球を想像して...
予想外で面白かった。
フルCGのゴリラは獣臭さが滲み出る程にリアル。
良かった。
馬鹿が考えたアイデアを金・技術・時間を注ぎ込んでそのまま実現。
制作期間4年のフルCGゴリラは無茶苦茶リアル。
佇まいの威圧感、そしてボリューム感のある毛並。
近接距離での腕毛のうち一本ヒョロッと伸びた縮れ白毛を観た時は思わず感心しました。
静止画のみならず、動きも自然かつダイナミック。
特にミスターGOの打席シーン。
ボールが打球に当たる瞬間のスウィング、そしてバットに当たりカッ飛ぶ打球はスピード感もあり迫力満点。
「ゴリラが野球をしたら!?」という荒唐無稽な設定を“自然に”観ることが出来る、この不自然さ。
(良い意味での)馬鹿さ加減にグッときました。
話自体はゴリラが野球する。
…以上でも以下でもなく。
若干のサプライズはありますが殆ど想定通り。
そういう意味では安心して観ることが出来るかと。
あとエージェントとの酒盛り&泥酔場面、好きでした。
ゴリラが投げて、ゴリラが打つ、そしてゴリラが走る本作。
兎にも角にも獣臭さが滲み出る程にリアルなゴリラを心行くまで堪能できます。
オススメです。
球史に残る結末。誰も観たことのない野球映画!!
【賛否両論チェック】
賛:人間とゴリラの駆け引きが痛快。「そう来たか!!」となる衝撃のクライマックス。意外と深いテーマも。
否:主人公の言動は、割と好みが分かれそうなところ。野球の知識もあった方が面白い。
設定は面白すぎですね(笑)。フルCGのゴリラと人間の知恵比べが笑いを誘います。ラストは思わず「そう来ましたか!!」っていう感じです(笑)。とはいえ、ただのコメディにとどまらず、始めはお金を稼ぐことに執着していたウィウィやチュンスが、ひたむきなリンリンの姿に触れ、少しずつ変わっていく様子が印象的に写ります。
野球好きでないとなかなかお気に召さないかもしれませんが、一癖も二癖もある作品ですので、是非ご覧になってみて下さい。
ちなみに本作では、実在の韓国人メジャーリーガーが出演されていたり、中日ドラゴンズのオーナー役でオダギリジョーさんが出ていたりするので、その辺りも要チェックです。
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