ローマ環状線、めぐりゆく人生たちのレビュー・感想・評価
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めぐるめぐる環状線はめぐる
観光ビデオかと思ってレンタルしたらちょっと違った。 アパートの窓の外、 斜め上から覗き込むアングル・・ あれ、どうやって撮ったんだろう。 いつも通り生活をしてもらって、使える部分を監督が取捨選択したのだろうけれどね。 ・・・・・・・・・・・・ アパートの住人、救命救急士、没落貴族?、路上生活者、安い酒場のダンサー、ヤシに巣食うゾウムシの研究家・・ いくつかの被写体・ターゲットをファインダーで覗きながら、ありふれた市井の人々の日常を撮ったドキュメンタリーでした。 受賞するほどのものだろうか、とは思うのですが、コンセプトの実験性と監督へのリスペクトもあったかもしれません。 「人間の一生」は、台本や演技指導など無くてもそれだけで十分に見ものだし、ドラマチックです。 映画なんかにならなくても人間はここかしこで逞しく生きている ― そんなことを思い起こさせてくれます。 そういえば 僕がイタリアを貧乏旅行したときの思い出は、有名な観光地や美術館のことはもちろんですが、駅前で知りあったあんちゃんと「セックスは好きかい」という話から「お互い敗戦国として米軍に駐留されてるよねー、やだよね」という話までしゃべってハグして別れたこととか、 英語がまったく通じない田舎の小さな食堂で、注文を取りに来れなくてモジモジしていた娘さんのこと、 地下鉄でロマの子たちに財布をすられて往生した時のこと、等々。 そういえば夜中の国道沿いには”大女たち“が客待ちしてたっけ。 イタリアでの思い出は、そこで暮らしていた人たちとの出会いの思い出。そうだった気がします。
絵が綺麗過ぎるとおもったら・・・本当?
どこかで見たことがあるようで、そして本物っぽい、さらに圧倒的に綺麗な映像だなと思って、後でちょっと調べたら、これドキュメンタリーなんですね。 びっくりしました。 風景のリアリティと夜景の美しさは納得ですが、逆に登場人物の台詞や決まりすぎた構図を振り返ると、被写体との距離感が全く想像がつきません。 イタリア人ってみんなこんな詩的な会話をしているわけじゃないと思うんですが、どうやってこの人たちを選んで、どうやって撮影したんでしょうか? ともかく、非常に美しいし、それが鼻につかない作品でした。 よかったです。
日常ってこういうものなんだよなぁ
観光名所などは全く撮さず,都市の外縁部に住む多様な人の多様な生活を淡々と.普通というか日常ってこういうものなんだよなぁ.観てて少々退屈ではあるが「どうやって撮ったんだ」とも思わされる.
ローマをぐるりと囲む環状線GRAに寄り添うように生きるワケありな人...
ローマをぐるりと囲む環状線GRAに寄り添うように生きるワケありな人々の生活を一切のナレーションなしに淡々と綴るドキュメンタリー。ラテンの醸す匂い立つ空気を知らない人には何にも面白くないのではないかと思ったのですが客席は結構混んでいました。むせるほどのラテンを肺一杯吸い込んでしまい眼球から滴るサウダージがこみ上げてきて大変でした。
不思議なドキュメンタリー
ラストに流れるカンツォーネで、ハッと自分が知っているローマが甦りましたが、そのくらい不思議な光景や面白い人たちが、ドキュメンタリーとは思えないくらいのカメラを意識しない自然体で映し出されており、彼らは今もこの地で、あんな風な日常を送っているのかしらと余韻を残してくれます。 観光では見る事のない場所であり人々ですが、答えのないカットに、それぞれの物語の断片が散らばっていて、初めての異国を旅している気分になりました。
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