劇場公開日 2014年6月7日

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「人の命のなんと刹那的なことよ」ポンペイ REXさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0人の命のなんと刹那的なことよ

2022年2月28日
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悲しい

怖い

単純

古代ローマ好きとしては、いかにもステレオタイプの悪役のローマ人の描写にムムム、とも思ったけども、民族背景や都市国家の独立性など、要所要所では時代考証がなされている気はする。

ベースの話は単純明快だし、中身が無いといえば無い娯楽作品なのかもしれない。
ただ、ポンペイに実際行ったことがある身としては、あの人間の生活感が生々しく残っている町並みに、今回の主人公たちの姿が重なって少し切なくなってしまった。

映画の結末は作られたものだけど、本物の人間の営みは、未来が見えない中で、手探りで進んでいく。

だからこの映画も、未来が見えない中で、ただ精一杯戦って、精一杯あらがって、精一杯生き抜こうとした人たちを描きたかったかのかなと。だから、バッドエンドでもなくハッピーエンドでもない、と個人的には思う。
あの二人の二日間は、一瞬だからこそ輝いたのかもしれない。

ただ、噴火や地震や津波の描き方がゲームっぽくて、なにか微妙に違うんだよな…と思ってしまうのは、災害大国、日本にいるからなんでしょうね。

REX