フランシス・ハのレビュー・感想・評価
全58件中、21~40件目を表示
フランシスは…
公開時は俊英ノア・バームバック監督作として注目されただろうが、今となっちゃあ女優に留まらず監督としても高い評価を受けるグレタ・ガーウィグのブレイク作として注目。“ダークサイド”に堕ちる前のアダム・ドライヴァーも出演。
何だかまるで、ウディ・アレン映画を見ているようだった。
舞台はニューヨーク。
そこで生きる人々の人生観、恋愛観。
軽快な演出、ナイスな選曲、洒落た台詞。
『マンハッタン』を彷彿させるモノクロ映像…。
バームバックもニューヨークで生まれ育ち、ニューヨークが舞台の映画を撮り続けているニューヨーカー。将来のウディになるかも。
ウディ映画と違うのは、主人公像。ウディ映画の主人公はインテリで、少々鼻に付くひねくれ者が多いが、本作の主人公は共感・応援したくなる。
プロのダンサーを目指すフランシス。
夢を追う彼女の山あり谷ありのサクセス・ストーリーであるのだが、当初は自由気ままな暮らし。
今が楽しけりゃいい…今の若者そのもの。若干KY気味の、ダメ人間。
が、ルームシェアしてた親友が恋人と暮らす為にルームシェアを解消、さらに恋人にもフラれてしまう。
突然立たされた人生の岐路。
新しい住まいを求めて街を転々、新しい人生を探して街を模索。
時にユーモラスに、時にシリアスに、共感度たっぷりに、ヒロインの友情、恋愛、夢、挫折、再起、成長…。
グレタ・ガーウィグが生き生きと好演。脚本も兼ね、このヒロインはガーウィグ本人だろう。
音楽や数々の楽曲がヒロインの心情やシーンにハマり、本当に心地よい。
また、このちょっと変わったタイトル。最後に意味が分かり、ニヤリ。
小規模・低予算のモノクロ作品で実験色が濃いが、意欲作。
バームバックのセンス、ガーウィグの才に溢れた快作。
謎に惹かれる映画
2018年注目作「レディ・バード」の監督を務めたグレタ・ガーウィグの主演作ということで鑑賞。新鮮さを感じる映画だった。
一人の女性の友達関係と彼女の生き方を描いた映画で、全編にわたってモノクロである。
まず、ストーリーは起伏に富んでいるわけではなく、何も上手くいかない主人公のみに焦点を当て、日常の彼女の性格や感情が伝わるようになっている。その中で時折コミカルな会話を挟んだり、リズミカルな音楽があったりと、小気味好くストーリーが進む印象を受けた。ラストシーンも痛快で締めくくりとして満点だった気がする。
主人公は空気も読めないし、図々しくて完全に後ろ指を指されるタイプの女性。でも、どこか人間味があって憎めない部分もある。その彼女がストーリーが進むにつれてちょっとずつ変わっていくのは、見ていておもしろかった。
グレタ・ガーウィグの演技はかなり良い。ちょっと老けてる27歳を完璧に演じきったように思える。
本作がモノクロにしたのは正解だった気がする。もしカラーだったら、彼女の服や髪などのビジュアルを見て彼女を嫌いになっていたかもしれない。主人公の自己主張の強さを視覚的に多少和らげる効果はあったのではないだろうか。
女性は強し!?
ラストの「フランシス・ハ」って作品の題名の意味が最後の最後まで彼女らしい。
フランシスなら確かにこんなガサツな感じの行動するわぁって納得、スッキリな終わり方。
とにかく彼女を観ているだけで楽しくてワクワクするし愛すべきキャラ。
周りの空気が読めてなくて若干の自己中さを発揮させたり、見栄っ張りだったり、抜けていたり、マヌケだったり、女性としての魅力が欠けていたり、大人に成り切れていないとこなど欠点が多いようで意外に我慢強く優しさに溢れていて人間としての魅力は絶大だし戦う強い女の一面も垣間見れる。
そんなフランシスに夢中になるし何度でもまた彼女に会いたくなるリピート率高し。
無邪気な大人
だらだら話しが続いて、見せ場が最後に集結してる。それが悪くなくて、すごく心地良かった。音楽も好き。フランシスの言う、特別な愛や感情とは、という例え話は、普段、ちゃらんぽらんな彼女の口から出たかと思うほど、哲学的。その流れでの最後のシーン、親友とのアイコンタクトはなんだか爽やかな感動があった。無邪気な大人は可愛い。
こんなおしゃれなラストあるのか!
すごくイタい女の子フランシス
だけど優しさとか、時々詩的に本質を語ったりだとかするから、何となく応援したい気持ちになる
彼女が失敗するシーンでかかるコメディチックな音楽には、もはや爽快感すら感じる
フランシスは全ての女性の一面だと思う
強がったり、寂しがったり、何気なく傷ついたりする彼女の日々が少しだけ自分と重なる。
最後の最後にフランシスハの意味が分かって思わずにっこり
モノクロである意味も考えてたけど、わからなかった。
ラストは好きだが、それまでがイタ過ぎて疲れる
妙に「フランシス・ハ」と言うタイトルが気になって(ハって何だろうってね)、ほとんどそれだけでの理由で見た作品でしたが、なるほど、ラストシーンでようやく納得、散々イタイ女の行動を見せられて、疲れたところで後味のいいあのラスト、締め方は本当に素晴らしかったと思いましたし、思わず興味を引くようなタイトルを付けた方のセンスも本当に素晴らしかったなと思いました。
人生はなかなか思い通りにはいかないですから、きっと少なからず見た人が共感できる部分のある映画だったのではないでしょうか。
ただ、主人公フランシスの行動がとにかくイタ過ぎて、見ていて疲れた(苦笑)
何故モノクロ映像の作品なんだろうかと見る前は?なところもあったのですが、もしこれがカラーだったら確かにイタ過ぎて見ていられなかったかも。
つまりはほろ苦さとモノクロ映像のマッチ具合が、絶妙だったと言えましょうか。
しかしまあ人はいつしか自分の人生に折り合いをつけて、夢はそこそこに妥協点を探しつつ大人になっていくものですが、フランシスの能天気さ、自覚症状のなさ、友人依存症でタイミングの悪い勘違い女ぶりには、あきれるばかり。
まあどこかチャーミングな部分もあるので映画として見てる分には許せますが、リアルでは出会いたくないタイプ、でも間違いなくいますよね・・・。
これは女性なら自分の中にあるフランシスな部分に共感し応援したくなる映画なんでしょうが、男目線だとやや共感度は女性より低くなるかも。
演じたグレタ・ガーウィグは極上の美人ではないものの普通よりは断然可愛い方ですから、嫌いにはなれないけど、やはり好きとも言い難く(苦笑)
よくよく考えるとラストの成長もようやく普通の人間の思考に近づけたぐらいの話ですし、まあこの手の映画は本来は好きなんですが、今回はまずまずぐらいの満足度でしたかね。
ちなみに「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のカイロ・レン役でブレーク中のアダム・ドライバーが出演していますので、ファンの方は必見ですよ(私はあまり好きじゃないですが)
普通の女の子
レンタルショップには一つしか置いていなくてようやく借りられた。
終始、普通の女の子が描かれている。
右往左往する感じが共感できる。
じぶんのやりたいことと、できることの妥協点を見つけて生きていく、そんなお話?
ダンサーをやりたいのに、才能がない。
一方で皮肉にも?発言は表現が独特で、作家になれそうというところは、大親友の作家志望ソフィと対照的に描かれていたり、ダンスの団長から「あなたはこんな才能がある」と言われながら反発したりするところは、現実でも良くあることで、やりたいことと、できることが重なっていない、残念な状態を表していると思う。フランシスのだらしない食べ方やどしどしした歩き方、片付けられないなども残念感たっぷりだ。非モテだ。
それでももう27歳。
自分のやりたいことで生活ができるのか、答えを出さないといけない締め切りだ。
やはり歳をとるにつれて自分の責任を取らなければならなくて、堅実に働きつつ、趣味としてやりたいことを楽しむ、みたいなところが王道な妥協点なのだろう。
一流になれなくても、平凡に生きていっても良い、自分が納得できれば良いのだと許してくれる映画なのかもしれない。
全然 共感できない
主人公のフランシスは前進も後退もしない。結局なにがしたかったのか。。フランシス地震には、望みを叶えれるだけの知識もなけりゃ熱意もイマイチ。リアルをがむしゃらに生きてる人には、ただモヤモヤさせられる作品だろう。
僕男の子なんですけども。
フランシスに共感し、応援し、虜になっちゃいました。
モノクロなのも何の違和感もないし、終わり方なんてたまんなかったです。
「上手くいかない事もあるけれど、あなたは間違ってないわ。なんて、勇気を与えてくれます。」
将来に不安を抱えた女性にぴったり
主人公のフランシスは27歳。もう決して若いとは言われない年齢で、見習いダンサーのまま。正式な団員になることを今でも夢見ているけれど、現実は冷たい。
20代後半。まわりの人間達はしっかりと自分の人生を歩もうとしている中で、どうしてもその変化を受け入れられない彼女は、皆をひきとめたくて痛々しい発言をくり返してしまう。
フランシスは確かに未熟で痛々しい女なのですが、ちょうど年齢が近いからか、共感するところがたくさんありました。
彼女自身も、周りの変化についていきたいとは思っているのでしょう。けれど、なんだか面白くない。自分だけが置き去りにされたような感じがして、言いたくもないのにおかしな発言や行動をしてしまう。自分もしてしまったことがあります。
誰かに助けてもらいたい。誰かに「まだ大丈夫!」と言ってもらいたいけれど、そう思えば思うほど周りは離れてしまう。
そうやって彼女は、物語終盤できちんとすべき「妥協」をして、
自らの人生を歩もうと思い、できることを始めていきます。
派手な展開は特にありません。ですが、将来に不安を抱えているだとか、なんだか今の状況に不安を感じている20代中盤以降の女性は、この映画にとても共感できるのではないかなと思います。
違った意味での壁ドン状態から発想の転換をさせることで、道は開けての「フランシス・ハ」タイトルが秀逸。
お洒落感。でも必死でお洒落であろうとする、ダサさ。を目指しているような気がする。
フランシスは小悪魔系でもなければ、妖艶でも、可憐でもない。可愛い?もっさい?フランシスが終盤で言う、「これ(振り付けしたダンスが)が失敗に見えたら成功」な女の子だと思う。
モノクロ、ヌーヴェルヴァーグ風。でも中身はかなり、渋・辛・アマ。
27歳で夢と現実の狭間でグダグダして、女友達の共感力で不安感を埋めてもらってテンション上げたりして、裏切られたりして、失望したりして、見栄をはってみたりして、頑張ってみたけど才能と体内時計的なデッド・ラインは過ぎて、違った意味での壁ドン状態。
でも努力は報われない時もあるから、そんな壁ドン状態から発想の転換をさせることで、道は開けての「フランシス・ハ(FRANCES HA)」になる。
開けない人が圧倒的に多いけど、フランシスは開けちゃう。
こんな駄目女からの~ジャスト・ラッキー感満載のフランシスとは、絶対に仲良くなれないと思う(笑)
でもフランシスが自分と向き合った瞬間には、やるじゃんって笑顔でお互いを認め合えるかも。
undateable=デートできない人=(字幕では)非モテと訳してましたね。若干、違和感。
David Bowie - Modern Loveが印象的でした。
一握りの天才じゃない人の見失いがちな選択肢を見せてくれる『フランシス・ハ 』の話
いい映画でしたねー。
グッとくる感動とか、泣ける演出とかはないですよ。でも派手な出来事は描かれていなくても、主人公を好きになっちゃって楽しめちゃうタイプの映画だったように思えました。
ということは、主人公にノレなかった人にはなんだかつまんない映画になるでしょうし、主人公を好きになっちゃった人にはたまんない映画になったことでしょう。
オシャレっぽいモノクロ映像とかシェアハウスって要素でですね、もしかしたら日本で言う「テラスハウス」みたいな、僕みたいな田舎のおっさんの劣等感を逆撫でするような、いけすかねー映画だったらどうしようと心配だったんですけど。言うならばアレですよ、
大人になった『もらとりあむたま子』!
ひとり『桐島、部活やめるってよ』!!
天然系『じゃじゃ馬さんとビッグマウス』!!!
そんなカンジでしょうか。
ちょっと残念な人が、それなりに生き方を見つけていくお話です。
そのお話の結末が、僕にとっては最高のハッピーエンドのように思えました。奇跡で夢が叶えば、ファンタジーなお話としてノレなくなっちゃう。挫折で終わればシニカルなお話としてノレなくなっちゃう。
一握りの天才ではない多くの人達にとって、見失いがちな選択肢をさりげなく示してくれています。
大好き!!!
フランシス・ハ ってそういうことなのか、もーーー大好き。すごく感情移入してしまた。迷走バンザイ。劇場でても、気分よくてニコニコしながら軽い足取りで駅まで歩いた。モノクロということ忘れるくらい彩り豊かな作品。
Undateble(非モテって訳されてた)って連発してたコ、ほんとはフランシスのこと好きだよね。
それはそうとたしかにフランシスは男ウケはわるいだろうとおもう。でも、so what?だよ。デートより面白いこといっぱいあるよ。デートも楽しくて幸せだけど、なくても死なないよ(笑)
つまんない男を次々と華麗にかわしてくのもよかったなぁフランシス。
会えてよかった、友達でいさせてね。たまには一緒に走らせて。
フランシスがイタァーいの!
どうしてそんなこと言っちゃうのよ、
どうしてそうなっちゃうのよ、
ほらほら、まわり見てよ、なんともいえない空気になってるよ!
そこんとこ読み取れてはいる、よね!?(笑)
って言ってやりたいけど、そのままでいてほしいような。
イタァーくても見放せないのは、自分にも同じようなところがあるから。
自分はフランシスみたいに素直にイタい子ではいられなくて、
(だって自分をさらけ出したり、自分を通したりするのって、恥ずかしいし、傷つくし。)
でもイタくはないけど、かわいげのある子ではいたくて、
そこらへんのバランスを演じてて。自分をつくってきてる。
(でもボロが出ちゃうときはあって。だからフランシスへ向けられるまわりの空気が、自分にとってもツラくなる。そんなにだめ??わかってよー!少し優しくしてくれてもいいじゃん!って。)
フランシスだって、痛い自分のことわかってるし、
自分が情けなくなったり、悔しくなったりしてるはずだけど、
抑えられない、抑えてしまってはいけないと感じる自分があるのかな。
勇気あるなー。あっぱれ!
最後にはまた別の勇気でもって、大人として(?)
ステップアップしたフランシスだったけど、あたらしい世界でガンバレーだけど、
わたしが好きなイタいフランシスはいなくならないでほしい。
みんなわがままで、自分が失ってしまったものとか、抑制しているものを、他人にゆだねる。
結果、その子の人生がどうなろうとも、自分の人生ではないし。
端からみる他人の不安定は面白いし。
フランシスの姿をみていて楽しいし、うらやましくもなる、
けど、
私も弱くてズルい女友達の1人。
曲と疾走感最高!
劇場の予告編でデビッド・ボウイ「モダンラブ」で走るフランシスの姿を見て傑作に違いないと思い出かけた。
NYに住む27歳のフランシス。オシャレでアーバンな生活を描く…映画ではなく、27にもなって色々問題あってという痛さを描いていた。
部屋を片付けられず、酒に酔いすぎ、非モテで。大人の人と話が噛み合わない、仕事も思うようにいかず…と言ってもさほど悲愴さはなく行動しちゃえばなんとかなると言う感じで行く。
スピーディーな展開も面白く音楽の使い方も最高に良い!
ただ個人的には友人と四六時中一緒にいたり、住む所をシェアする生活はとてもできないのでその辺はムズムズしたかな。
全編に生きることへの前向きさがセンスよく表現されていてとても好みでしたね。
知り合いに素直で前向きで(でもぬけてる)未婚女性がいるので他人とは思えない感じもしましたw
全58件中、21~40件目を表示