「驚くほど単純な真実、一筋縄ではいかない爆弾魔」THE NEXT GENERATION パトレイバー 第4章 syu32さんの映画レビュー(感想・評価)
驚くほど単純な真実、一筋縄ではいかない爆弾魔
「THE NEXT GENERATION‐パトレイバー‐」シリーズ第4作。
第6話「大怪獣現わる 後編」と、第7話「タイムドカン」の同時上映。
第6話では、熱海の怪獣騒動がついに決着。騒ぎは白熱化し、小〇人の如くPV撮影を始める歌手や、ム〇帝国の女王みたいな格好の占い師が世界の破滅を唱え逮捕されたり、ムーブメントはいよいよ過激になっていきました。
佑馬たちも便乗して特撮怪獣映画を自主製作する始末(笑) しかし、そのクオリティーたるや往年の怪獣映画の伝統を受け継ぐまさに王道! 久々にスクリーンで観た怪獣映画でした(笑)
熱狂の渦の中、ついに98式AV対大怪獣の戦いが開始されます。怪人めいた風体の芹沢博士が開発した特殊弾をリボルバーカノンに装填し、怪獣に向けて発射! その効果やいかに…?
この物語のもうひとりの主人公と言える女性海洋学者が語る、「真実とは驚くほど単純なもの」という言葉が、静かに心に染み入ってくるようでした。センセーショナルな出来事に興奮し、ちょっとした事態でも大事になり収集が付かなくなっていく…。今回の怪獣騒動はまさに現実社会への痛烈な風刺だなぁ、と思いました。
第7話では正体不明の爆弾魔に特車二課が狙われ、右往左往し翻弄される姿を描きます。
どこに仕掛けられたか分からない爆弾が次々に爆発して、格納庫から何からめちゃくちゃになっていきます。
予告電話を掛けてくる爆弾魔ですが、「ただの爆弾魔だ」と名乗るだけで全く正体が掴めず、不気味さが漂いました。
今回もカーシャが大活躍! ラストの爆弾解体では、「ジャガーノート」もびっくりのスリルが炸裂して手に汗握りました。
とにかく爆弾魔が怖い…。匿名性の社会だからこそ誕生した犯罪者のような気がしました。
現代社会への風刺と警鐘に満ちた2作品です。