思い出のマーニーのレビュー・感想・評価
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ジブリの怪
解せぬ。。
申し訳ないけど、ここに出てくる登場人物はRPGの村人みたい。内側に何らかの動機とか怒りとか悲しみを持ってるように見えないんだよ。
作画はすごーく豪華だけど(見た目は地味だけど)、アングルとかが妙に冷淡。なんでこんな客観的な視点なの。ぜんぜん心を掴まれない。むしろ積極的に距離を取ってくるタイプの画面(最近の演出家には多い)。
ラスト間際になっても「彼女」ともう会えなくてさみしいとか、二度と戻らない時間が切ないとか、そういう本来この作品が呼び起こすはずの感情がビタイチ起こらない…
ただ「お話」を消化するためのご都合でみんな行動してるって感じ。
ボートの舳先に立つくだりだって、位置づけ的にはすごくキラキラしたいい場面のはずなのに、すごーく平熱。
かといって薄気味悪い不穏さがあるとかでもないし…
パーティは「シャイニング」とか、サイロは「めまい」みたいとか、そういうシチュエーションの類似性はあるのに、それらにあった現実が揺らぐような幻惑感はまるでなし…いいけども。
ネタ的にラストのオチで回収するタイプの構造になっているからって、そこに至る過程が退屈でもいいってことにはならない。むしろそこが本題でしょう。
こんなことになるなら、そのネタもっと早くに匂わしてもよかったんじゃない?
そもそも家族との関係に悩んでるはずなのに、家族の存在感がまるでない。あんないい家族と、どうしてなの?みたいな違和感もない、つまり引きがない。
サービス精神がまるでないんだよな。
ホラーとかサスペンスの味付けも可能な設定だと思うけど、そういうジャンルものにも興味なさそう。かといってキャラクターたちの描写も表面的で、展開に奉仕するための操り人形みたい。それでゲームの村人みたいに見えるというわけ。
冒頭から、心を閉ざして絵の中に逃げ込んでいる(まあわかる)→親戚の家に預けられて不本意(に見えないけどたぶんそう)→親戚の人と普通に会話(ん?)→初めて見た洋館の近くに行くためにわざわざ靴脱いで水に入る(元気じゃん…?)、とどんどん主人公のキャラクターを見失ってしまう。
周囲に心は閉ざしてるがあの特別な館には魅入られてしまったというなら、それまでの描写をもっとはっきり周囲に興味がないように強調しておかないと観てるこっちには伝わらない。
そういうタメがなくて、ずーっと同じ温度、テンションでストーリーだけがボートのように滑っていく。
開始30分、いろんな場面があって、いろんなことも起こってるはずなのに、主人公のことがまるでわからない。
そして重要なキャラクターである「おばちゃん」と主人公の場面がなさすきで、ほとんど空気なのも痛い。
透明感ありすぎる作風…?日ごろ味つけの濃いジャンクフードばかり食べてるせいか、上品すぎてほとんど水みたい。せめてポカリ程度の味は欲しいし、肝心なことはセリフじゃなく絵で見せてほしいな。
申し訳ないけど、いくら監督としてのキャリアが浅いとはいえ、これだけのお膳立てを与えられてる以上、一定の批判は免れないと思う。でも結局は「ゲド戦記」と同じくプロデューサーの問題なんだろうな。
ちなみに脚本家の1人もゲド戦記と同じ人。うーん。。
さらに申し訳ないけどこれなら口出ししたくてうずうずしてた宮崎駿の「スパイが跋扈してた戦前(?)の軽井沢が舞台」というアイデアをいただいた方がまだよかったんじゃないかと思う。
若い監督にはハードル高いでしょうし、純度の高い女子ムービーには無用な雑味だったんでしょうけど。。
あといつの間にか監督を乗っ取られるリスクもあるし(前科あり)。
今でも不思議なのは、鈴木プロデューサーはなんで監督として確実に適性のある高坂希太郎(「若おかみは小学生!」)とか山下明彦(「透明人間」)とかに監督させなかったんだろうっていうこと。まじで謎。むしろ怪。
作品の引力が薄い
持病の喘息と、出生にまつわるとある理由から、学校では友達の輪にも入れず、家族にも距離をおく、心を閉ざし、強力なATフィールドをもった少女・あんなが主人公。
療養のため、夏休みに根室に近い干潟のある海辺の街へ滞在することになるあんなだったが、とある夕刻(夜)、干潟の向こう岸にある洋館に、彼女は金髪の少女・マーニーの姿を見出す。
干潟に満ち引きする水のように、穏やかに繰り返す、夏に二人の少女達の小さな出来事を積み重ねていく…
のが、眠くて!(笑)
実はちょっとしたミステリーになっているお話で、すごくいい話なんだけど。
ものすごく好きな内容なんだけど。
『アリエッティ』以上に、キャラが淡々と「実はこうなんだ」とセリフを語り、成り行きのまま「こうなっちゃったんだ」という状況を受け入れていくのね。
言っちゃうと、設定の答え合わせ会話劇。
原作準拠っちゃそうなんだけど。
アニメ、映像にするなら、例えば閉ざしていた心を開くことで美しくなっていく瑞々しい少女の笑顔を描くとかさ。
何か「見せ方」演出なり作画なり脚本の工夫なりをするべきじゃなかったのかな?と。
アイドル映画みたいな平板さを感じました。
観ていて「引きつけられる力」、作品の引力が薄い。
実際好き嫌い評価軸なら、好きな作品だけど。
観客を魅了する、引っ掛ける力の不在。
背景美術が一番印象に残る。
一本の映画として観た場合は、厳しい内容だと思いました。
産地も有名、素材も間違いなく美味しい、けど味付けが薄すぎて、料理としてインパクトはうすく、盛り付けも失敗して、皿の柄しか覚えてない日本料理みたいな作品の印象。
……地上波で久々に放送していたから、昔ブログに書いた感想をペタリ。
自身の境遇から心を開けない少女がマーニーとの出会いで心の成長の物語...
自身の境遇から心を開けない少女がマーニーとの出会いで心の成長の物語。
同じ境遇でないにしろ、こういった複雑な心を持った子って今の時代けっこういるのでは思ってしまう、そういう意味ではリアルっぽい感じだった。
ジブリな感じとはちょっと違う気はするけど、これはこれで米林監督らしい映像で綺麗だった。
現実と幻想の狭間
小中学生の頃は、ひと夏で大きく成長してしまうことがありますが、今作はまさにそんな誰もが体験するような思い出を描いていて、すでに成人して久しい大人にとっては、どこか懐かしさを感じる作品でした。夢と現実が頭の中で混じり合ってしまうようなことが子供の頃はありますが、そんなファンタジックな雰囲気も楽しめつつ、終盤の意外な展開がなかなかの見所でした。
近藤喜文の雫がそこにいた
夢の中の抽象さと、少女の心の傷をしっかりと具体的に描き、それらを両立させたまま物語は進む。その心のコントラストが素晴らしいと感じる。
宮崎作品のハツラツとした女の子ではなく、影があり、また奥ゆかしさがある。近藤喜文がかつて描いた雫がそこにいた。
物語が進むのではなく、1人の少女の心の変化を追っていく。宮崎・高畑の息がかかっていない本作。今までのジブリとは違うかもしれない。ただ、1人の少女の心の内面をしっかりと描けた素晴らしい作品だと感じる。
何よりも見終わった後に、杏奈の事をとても大事に思い、親身になっている自分自身に気付かされる。これは宮崎作品のキャラクターには感じなかった心情だった。
米林監督は魔法やファンタジーよりも、人間の心を描く作風の方が合っているとさえ感じた。
誰かに愛されたいという少女達の叫び
1回目を見た時、なんか百合っぽいなと感じましたが、2回目を見た時印象が少し変わりました。
今作は、深く掘り下げると、寂しくて誰かを愛したい2人の少女の叫びの映画に感じる。
百合っぽく感じるのは何故だろうと考えた時、マーニーの声が大人びてるからのように感じました。
子供っぽかったら「大好き」という連呼する言葉も友達にいうような感じと、
親の愛情に恵まれなかった2人の(誰か愛したいという)叫びも伝わりやすかったと思う。
マーニーがアンナサイロに置き去りにしてって、アンナが許さない!って怒りに行ったシーン
「わたしを許して」ってマーニーが言っていた所、凄く勝手!と思ったけれど、
エミリに対する気持ちだったのかな…?
それだったら、マーニー全然アンナの事直視してないなと悲しく思える。
ファンタジスタ!?
すげーファンタジーかと思ったら、
最後に伏線回収するやん!ジブリやるな!!
所々思う点はあるけど、観ておいて良かったなって思った!
まああんな所裸足ではあるけんよ。
ズタボロになるよ、田舎なめんな
珍しい主人公
ジブリの主人公は明るくて優しくて行動力があって、憧れる尊敬されるような主人公が多いイメージであったけれど、思い出のマーニーの主人公は闇を抱えている少女だ。
現代社会で増加している不登校や、人間関係を上手く築けていない様子である。
最初に輪には内側と外側がある。私は外側の人間だ。という話があるが、1回でも外側の人間だと感じたことがある人は共感ができる話であったように思う。
勇気を出したけど傷つき。そんな自分が嫌になる連鎖。優しい言葉でさえもプレッシャーに感じる様子。
難しい心理描写を描いていて、風景も綺麗で観て良かったと思う。
後味の良い作品です。
それほど期待はしてなかったんですが、結構後味が良い作品でした。ストーリー的なドッキリもあったし。
これなら、宮崎さんじゃなくてもジブリ作品観たくなるなー、と思わせる作品でした・・が、どうやらジブリはもう長編作品は作らないと決定してしまったみたい。。
本当に残念です。
決定を覆してくれないかな・・?
ラスト20分
開始100分まではマーニーの正体が分からずモヤモヤするが、久子の説明により全ての辻褄が合う。ただ杏奈がなぜあんなに寝落ちすることが多いのかは謎のまま。あんなだけに。
誤解を招く作風であり、悪い方向に期待を裏切られる
お話は主人公の『自分大嫌い』発言から始まり
説明不足なまま田舎に預けられる事に。
しかし性格破綻者な主人公は心優しい人とも馴染めず
自爆気味に追い詰められていく
そんな中
見えたり消えたりする謎の少女
『マーニー』と友達になる
はたして、その正体は夢なのか、空想なのか
と言った物語
その正体は不明なまま終わるが
マーニーとは主人公の祖母だった、というもの。
実際幽霊であったのか、主人公の記憶から呼び起こされた妄想であったのかは謎なままエンディングを迎える。
問題点としては
①主人公の性格がひねくれ過ぎている
②主人公の母が義母であるという事以外何も分からない中
主人公の『私は不幸、自分が嫌い』
な独白から始まる為、全体が重苦しく
主人公に感情移入しづらい
③序盤から全編通して説明不足であり
視聴者から見て
『目の前の出来事が、夢なのか現実なのか分からない』という作風と相まって
1場面ごとの展開を推理しながら視聴する必要がある
④しかし、推理しながら映画を見ると
結論のありきたりさに物寂しさを覚える
結論としては
物語を紐解くのに特殊な素養が必要な作品
しかし
苦労して開けた箱の中身は『ありふれた』お話だった、という印象
これは演出、構成上の問題であったと思われ
『マーニーは四肢の末端が透けている』
だとか
『マーニーには触れる事ができない』
だとか
『マーニーは他の人には見えない』
といった演出があれば素直に楽しめたと思われる。
実際には
『触れられるし』
『他の人も見てるし』で
『実態として存在している』様に見えてくる
その為
・別の世界と繋がっているのか、とか
・主人公の空想が実体化したのか、とか
SFな展開を予想すると
『何故か見えてただけの死んだお婆ちゃん』でガッカリしてしまう。
監督が別の人であれば楽しめたと思う作品
久しぶりのヒット作でした
完全にノーマークな映画で何の期待もしないで観ました。
終始不思議な世界観で?はてなマークの連続でしたがラストまでにすべて解りやすく繋がります。
背景の絵のセンスが抜群です。
ホームランは出ませんが、常にバントをして細かく得点を稼いでくるイメージかもしれません。
マーニーの洋服はとても可愛く描かれています。
一見地味だけどとても素晴らしい作品で大好きになりました。
心が綺麗になるような作品
杏奈の心の成長に注目した作品。
実はシナリオは大体予想がついたのではある。
しかし、杏奈の成長、そしてマーニーとは本当に何なのかを見る人に考えさせる作品だと思い、ここがこの作品の見所だと思う。
最後のシーンでさらに感慨に浸ることができるのか、それとも普通のシナリオの結末と見るのかが大きなこの作品を楽しめたかの違いのはず。
起承転結があるというよりは、常に動いている、見た人の中で生き続けている作品だと感じた。
個人的にはとても気に入った。
あとは普通に上手かったけど声優のゴリ押しがなぁ…。
作品としてはとてもおすすめです
起承転結よりも人の心の変化に重点をおいているためか、背景の説明や周...
起承転結よりも人の心の変化に重点をおいているためか、背景の説明や周辺人物の事情があまり描かれずふわっと終わっている。個人的に、ヒロインがなぜそれほどねじくれてるのか、ボートに乗せてくれたじいさんは何者なのか、そこはもっと説明がほしかった。
また、ジブリ作品の良さがあまり発揮されていない気がした。大ファンというほどでもないのでよく分からないけど、なんか過渡期の作品なのかな??と思わせるような半端さがあると感じた。
青い瞳のシークレット
"金曜ロードSHOW!" で2回目の鑑賞(録画)。
原作は未読。
ファンタジーの中にミステリの風味をプラス。
マーニーの正体に涙。伏線回収が見事でした。
※修正(2024/05/21)
たった一言の悪口に振り回された
本当の両親が死んで養子、喘息持ち、言いたいことが言えない
…そんな設定の女の子はふとっちょぶたと会ったばかりの人に言えないだろう。
それなのにひとりで、嗚呼、なんて不幸なわたくし…みたいな顔をしている主人公が見ていてただひたすら痛い。
あのわりと序盤のふとっちょぶたシーンさえなければ、育ての親との関係に悩み、内気で病気がちな自分を嫌うひとりの少女として見守ってあげたいという気持ちのひとつでも芽生えたはずだ。
しかし、面と向かってふとっちょぶただなんて…それ言えるんなら、最初からもっと強く生きていけよ…とツッコミたくなってしまう。
マーニーとの異国情緒溢れるパーティーのシーンと湿っち屋敷のデザインはとてもよかった。
マーニーママがキセルを吸っていたのも、オードリーヘップバーンのようで印象的。
少しだけ物足りない…。
金ローで久々に鑑賞。2回目かな。
ジュブナイル的な雰囲気を感じさせる良い作品なんだけど、なんだか味気なく、終盤は説明的な内容がくどいというか、もう少し味わい深くしてほしかったと思わなくもない。
杏奈とマーニーの交流を通して杏奈が成長できた、ということに焦点を絞ったほうが個人的には良かったかなあと。
今回割と改めて印象的だったのは信子が良い奴でたまげたということ。笑
杏奈ちゃん、精神が不安定なのはわかるが身体的なことへの悪口はダメよ!私なら一生根にもつ…!
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