「ぐわぁ ってクル絵が不足している」思い出のマーニー マークさんの映画レビュー(感想・評価)
ぐわぁ ってクル絵が不足している
話のスジは、
都会ぐらしの喘息もちの主人公。環境不適合になる。
思春期らしい潔癖な価値観から人を嫌い、自分をも嫌う。
療養と気分転換のため、田舎の自然豊かな土地へ行くことになるが、
出会った人とやっぱり始めはうまくいかない。
そのうち外の屋敷に気を惹かれた主人公。その場所に関わる人とすごし、うまくいく人とはうまくいき、影響を受けるなかで、それまでの他人の観え方や、自分のイメージ徐々にが改善されていく。
そしてうまくいかなかった人と改めて良い関係を作ろうと試みてうまくいく。メデタシメデタシ。
ま、こんなスジでしたが、
子供たちにも大人たちにも共通する悩みが描かれていたので、大人になってしまった男の自分でも、少女の物語を、「主人公どうなるの??」と興味を持ち続けて見られました。
しかし、
薄味の人間関係の作り方を良しとする都会的な作者のヒューマニズム、は好きには慣れそうにない。
田舎的なズカズカ土足で他人の心に踏み入るお節介さ、たしかに嫌われるけど、必要だと思うけどな。
あんまりそこんとこ迫害されては困りますよジブリさん。影響力が強いんだから。
自然描写を宮崎駿作品と比較して
絵力で心がふるえるところが少ない。と感じてしまいました。
マロさんのほうは、
この監督あんまり自然の中で遊んでないな、と思えてしまう。なぜかと言えば、
自然が人間に与えるてくるシゲキの部分が少なすぎる。
背景の自然はただの薄味の空気ていどに存在しているだけで、観ていて「ああ、あの時のあんな感じだ!」とうったえてきませんでした。
・海ならその水辺の生態系の豊かさのレベルはどんなもんよ? 海藻さえ記憶に残らなかった。カニ一匹いた程度の描写じゃ、都会の死んだ海と余り変わらないよ。
風はどっち向きにふいてるのよ?
宮崎駿さんのトトロでは、
観客の自分は湧き水が出てるような田舎に住んでいたけど、
トトロを見終わったあと、その世界観おかげで寂れた自然の世界さえも、「怖くない、ワクワクする!」みたいなノリが湧いてきたのを覚えている。
大自然とそこに生きる生き物が畏敬と恐れを感じさせる存在で、「この存在尊いな、人間だって同列の尊さだ。」そうだそうだ!と深く同感したものだ。
このままジブリは昔は良かった、、、となってしまうのかな?