「とりあえず見ておくべし」思い出のマーニー ベンガルさんの映画レビュー(感想・評価)
とりあえず見ておくべし
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以下ネタばれ全開なので注意すること。未見でも知らないよ~。
マーニー=Marnie=マミー、母親であり、この映画は自分を残して死んだ母親に対して、また母の代わりをしてくれる人に対して、「母親未満」な彼女たちを許せない主人公がどう許していくか、どう自分を愛するかという成長物語なのです。この超大前提に気づいていない人が案外多いようです。
ここからは深読みです。アンナはアニメスタッフの分身に感じます。「絵が好き、褒めて貰いたいけどシャイ」「輪に入れない」「美しいものばかり見る(マーニーとデブの女の子だったら、マーニーを選ぶ。その美しいものを描く)」
冒頭で滑り台などの風景は書き終えているのに、滑り台を滑る子供は書き直してますよね?アニメーター的発想だと思いませんか。あそこで「これはアニメスタッフである自分達の話でもあるんだぞ!」と暗喩してるんでしょう。
よく分からない釣り人?のお爺さん…断言します、アルムのおんじです(笑)。またはおんじ的なジブリの良心、又はスタッフにとって理想の「ジブリ」、または宮崎駿です。ジブリの分身であるお爺さんは、空想の世界であるマーニーとの世界に主人公を誘い、そして物語の幕引きにも船を出して現実に返すのです。その時となりに、同じ空想(映画)の話で盛り上がれる、オタクな友達がいたらそれだけでちょっと救われるじゃないですか!(眼鏡の子)孤独な子供達の橋渡し的な役目を、空想を共有させる作品でジブリが担うんだ、という決意表明みたいなものです。
と、このようになかなか詰め込まれた映画でしたよ。細かく言えば色々ケチもつきますが、概ね満足です。
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