「あまりに雑なストーリー展開が残念」グランドピアノ 狙われた黒鍵 arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
あまりに雑なストーリー展開が残念
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今年のアカデミー賞で、5部門ノミネート3部門受賞し、一躍時の人となった監督で脚本家のデイミアン・チャゼル。今作鑑賞の最大の動機は、彼が脚本を書いているということだったのだが、まさかこんな残念な脚本になっているとは、正直意外。
何でも今作との関わりは、完全に雇われ仕事だったようで、彼としてもこの出来には不本意なものを感じていたのかもしれない。
恩師の作品である難曲の演奏でミスを犯し、以来表舞台から遠ざかっていたピアニスト、トム。
人気女優の妻の尽力で恩師の追悼演奏会でカムバックすることになるが、彼を更なるプレッシャーが。
謎のスナイパーから因縁の曲の演奏を要求され、一音でも間違えたら殺すと脅迫される。
この設定、犯人の真の目的のアイディア自体は悪くなかったと思う。
しかし、まず、5年も人前で演奏していなかったピアニストがリハーサルもなくいきなり演奏会で演奏するなんてありえないし、譜面を持ち込むことは百歩譲ってありとしても、それならば、譜めくりの係りが控えていないのはありえない。
途中で無駄に殺される二人も協力者も不要。
何しろ犯人が喋り過ぎ!
ストーリー展開を犯人の台詞に頼り過ぎだし、演奏に集中させるどころか邪魔している事態に至り、演じているジョン・キューザックが気の毒になった。
イライジャ・ウッドも“脱フロド”で、苦しんでいる。
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