「話の組み立てが無茶苦茶でも勢いで持って行く」グランドピアノ 狙われた黒鍵 うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)
話の組み立てが無茶苦茶でも勢いで持って行く
ピアニストの演奏が始まってから、一切のミスなく難曲を弾き切るという課題をクリアするために要求される生命のやりとり。
シンプルなお話の骨子がしっかりしていれば、意外な掘り出し物になったのだろうが、この映画、おそらく制作中にあちこちから横やりが入ったのではないかと想像がつく。
「もう少し派手な展開にしよう。」
「試写の反応が良くないから、どんでん返しを付け足そう。」
というような、上からの圧力が容易に想像できる程、取ってつけたようなストーリーが二転三転する。
演奏中に、ピアニストがステージから消えて、また戻ってくる。
ピアニストが舞台装置の裏側で、暗殺者と対決をする。
など、無理やりくっつけた感の強いストーリー展開がひどすぎる。
本来であれば、幻の難曲。誰も完奏に成功していないナンバーに命懸けで挑むという、ハイコンセプトのみで成立したはずの映画。
残念な出来栄えと言わざるを得ない。
ただし、見終わったあとの不思議な達成感、爽快感は、悪くない。
故に、とても惜しいと思うのです。
2015.4.14
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