真夜中の五分前のレビュー・感想・評価
全60件中、41~60件目を表示
愛の迷宮。
タイトルからしてミステリアス。
最後まで鑑賞しても、結局どっちだ?感は残ったままで、
何ともいえない気分で劇場をあとにするような作品。
こういう風情タップリの趣が好きな人にはハマると思うが、
行定勲の過去に拘る男を描くねちっこさが、短気な私には
ややいらつく場面も多い。というか始まった時点からすでに
ミステリー感覚で双子姉妹が描かれていくので、分からない
ことはないが、けっこう混同する(ワザとそうさせている)
一卵性なのでソックリなのはもちろん、性格や嗜好、動向まで
いつも入れ替わって楽しんでいるようにふるまう妹のルーメイ。
姉のルオランに恋をした青年リョウ(三浦)は、実は妹の婚約者
であるティエルンとは先に恋をしていて、妹に奪われたという
話に戸惑うが、彼女を支え続ける。ところがある日旅行先で
事故が起こり、姉が死亡、妹が生還。という不幸が襲う。
ティエルンは妹といる確信が持てず、リョウに相談をするが、
リョウはあくまで妹だと信じる。さて真相は…
うーん…。怖いよなぁ、嫉妬も絡んでいるし^^;
気味悪いくらい相似形の姉妹なので(やや変えているが)
髪型まで一緒にされたらおそらく分からない。
観ているこちらとしては、もちろん同じ女優が演じているので、
顔がそっくりなのは仕方ないとして、どこで見破るか。がミソ
になる推理劇なんだろうなぁと思っていたのだが…
主人公リョウを演じる三浦春馬は、ほぼ全編中国語で演技。
彼が何故そこで時計職人をしているのか、過去に亡くなった
彼女の話など、ぽつぽつと分かってくるが、特に多くは
語られない。どちらにせよ、過去のトラウマに囚われた男が
またもや愛の迷宮入りをしてしまった。という感覚ではある。
果たしてルーメイは、本人なのか、それともルオランなのか。
物語の鍵はラストに仕掛けられている。
(私は毎時ピッタリが好きなんで進めも遅らせもしないなぁ~)
薄味。
美男美女の物語。
…はて?美しい双子の姉妹の相克、複雑なようでいて描いているものに深みを感じなかったのは私だけでしょうか?
フィクションとはいえ、首を傾げてしまう箇所が少なからず点在していて、いちいち引っかかってしまいました。
ロケ地が海外である必然性も全く感じられず、観終わって、上海やモーリシャスに行きたくなる要素がなかったです。
ラジオから流れる崔健は好きですが、設定20世紀じゃないですよね。
双子ってひとりっ子に似ている
まるで性格の異なる双子物のお話は数多ありますが、行定勲監督の得意な光と影の描写がハマりましたね。それを映す対象となる三浦春馬君の抑えた演技が沁みてきます。
監督はこれを日本で撮ろうとして、入りが悪そうだからと映画会社に断られたそうですが、だからこんなに素敵な作品に仕上がったのだとすると、何だかとても残念ですね。
にしても、双子の娘達の葛藤はひとりっ子である自分の中で起きているやり取りに似ているなと、ふとおもいました。
瓜二つが招いた悲劇。誰も知らない真実と、彼女が下した決断とは。
【賛否両論チェック】
賛:“一卵性双生児”という点を絶妙に絡めた人間関係が、非常に奥深い。「彼女が本当は誰なのか?」という謎が、物語を引き立たせている。
否:展開自体は非常に穏やかに進むので、興味がないと眠くなってしまうこと請け合い。
中国が舞台なので、全編を通してほぼ中国語で話が進みます。一卵性双生児の謎めいたヒロイン達が物語を引き立たせていて、今目の前にいる彼女がどちらなのか、主人公はおろか本人達ですら錯覚してしまう雰囲気が、非常にミステリアスです。ただ、ストーリーそのものはかなり淡々と進むので、恋愛モノに全く興味がなかったりすると、思わず眠くなってしまいそうです。
恋愛とサスペンスの中間を行くような、少し変化球の作品です。
映像+心象=良質な 映画
美しい画面に、入れ替わりを繰り返すことで自分が何者かという自信すら失いつつある双子の姉妹。
傑作になる材料は揃っている。
だからこそ、三浦春馬に問いたい。
君は何を目指しているのか。
TVドラマ俳優なら、今のままで良いだろう。
映画俳優を目指すなら、もっと人間の心理を追求した演技をするべきだ。
例えば、悲しい時に人の心の中にあるのは悲しみだけではないはずだ。
なぜ自分だけがこんな目にという怒りや、幸せそうな他人への妬み。それらが極限まで押し上げられた時に、人は笑みすら浮かべる時がある。
傑作と呼ばれる映画、「さよなら渓谷」「そこのみにて光輝く」「悪人」は、そういった複雑な人間の心の奥を描いている。
三浦春馬はまだ喜怒哀楽の一面しか表現していない。TVドラマ俳優ならそれで良い。お茶の間で、電話や宅急便の受け応えをしながらの視聴者には複雑な心理描写は混乱の元になる。だから一面の心理を描くだけで良い。
映画の観客は、もっと深い心理の表現を求める。複雑に絡み合った心の揺れを、言葉や大袈裟な表情ではなく、視線の動きや息遣いや佇まいの中にある小さな仕草を待っている。
三浦春馬には、主軸を映画に置いた芝居を目指して欲しい。今回は仕方ないとして、次回は、
観客の心の中の琴線に触れるような演技が観られることを期待しています。
ゆったりとした時間
最近の急展開等の作品が多いなか、実に丁寧でゆったりとした時間が流れる作品でした。
最後に振り返ったのは姉?妹?と意見が分かれますが、監督いわく答えは…濁してました。皆の受け取り方や観るたび毎に感じ方が変わる不思議な作品ですね。(ちなみに私はルオランに1票!)
もっと話題になっても不思議ではない
『真夜中の五分前』を鑑賞。
「世界の中心で、愛をさけぶ」の行定勲監督最新作。
今作は日中合作であり、舞台は本多孝好の原作小説とは異なり日本ではなく上海となっている。
主演は三浦春馬、双子のヒロインには中国の人気女優リウ・シーシー(二役)。
時計の修理工リョウ(三浦春馬)は一卵性双生児の姉妹と出会い、姉ルオラン(リウ・シーシー)と恋に落ちる。妹のルーメイは性格は全く異なるものの見た目に区別はつかない。
そんなある日、旅先であるモーリシャス沖で水難事故に遭遇し一人が命を落としてしまう。助かったのは妹ルーメイであるというのだが、ルーメイの恋人ティエルン(ジョセフ・チャン)は助かったのはルーメイではなく姉ルオランだと主張する。
果たして助かったのは姉妹どちらなのか。
物語はラブストーリーの様相を見せるが実はミステリー要素を含んでおり、集中して観ていないと姉妹の区別がつかなくなってしまうので注意が必要だ。一人二役なので顔が同じなのはやむを得ないが、髪形も同じなので全く区別がつかないのである。
だが、注意して観ていればわかる造りにはなっている。
オール上海ロケ&オール中国語である今作。
監督含めたスタッフと主演男優のみ日本人であり、その他のキャストは全て中国人。言語も中国語。三浦春馬もほぼ100%中国語で演じており、演技としても全く違和感のない熱演であった。
しかし、なぜ日本人であるリョウが中国で時計の修理工をしているのかというような説明は一切ない。それならいっそ中国人役で良かったのではないかと思ってしまう。
映像は行定監督らしく終始美しい映像。
アンティークな時計店の雰囲気などは好きな人にはたまらないであろう。
全体的にはラブストーリーとしてはかなり中途半端な印象。
ヒロイン姉妹はどちらにも感情移入しにくく、主演のリョウに感情移入すると振り回される展開にイライラしてしまったり…。
しかしミステリーとしては敢えて説明不足気味にしてミスリードしていく展開としては成功していると言える。
それにしても行定監督の最新作(しかもお正月映画)にしてはあまりにも宣伝がなされていないと感じる。上映劇場も少なめだし、観客もそれほど入っていない。
あらすじだけでもミステリアスな本作、宣伝すればもっと動員できそうなものだが…。
行定監督の神通力が弱まっているのか、はたまた日中合作である事が影響しているのかは定かではないが、もっと日の目を見ても良い作品だと感じる。
原作愛読者の感想。
率直に一つの映画には楽しめたが、原作が好きな方にはちょっと物足りないかな?
作品としては楽しめたので☆3は。
しかし、俳優さん達の演技は流石だと思いました。
原作の映画化を楽しみにしている反面本当に可能なのかと不安に思っていたが、その不安要素は直ぐになくなりました。
映像というか構図というのかすごかった
スクリーンいっぱいにきれいな映像。とにかくみとれるほど撮影、構図が良かったと感じました。
物語は引き込まれる。難解。でも双子に惹きつけられる。双子のそれぞれの感情を探るけどつかめそうでつかめなかった。
もう一度観たくなる作品。
観るたびにまだまだ発見がありそう。多分ラストを見て私が思ったことが次に観たら違う結末だったと思っちゃいそう。わざとそういう作り方なのはわかっているけどまた製作者の思うツボにはまりたくなる作品。
ありきたりな双子恋愛もの…かと思いきや
前半は双子としての苦悩がありながらも、比較的恋愛路線。ゆっくりと手を繋ぐシーンは、甘酸っぱい気持ちにさせられます。後半はより双子としての苦悩が色濃く描かれ、さらに愛するということに焦点が移っていきます。
双子でなくとも「自分の大切なものを奪われる」経験がある人は、前半はその苦しさと嫉妬する自分への苦悩に共感できると思います。
人を愛するということ、信じるということはどういうことなのか。ありきたりな入れ替わり恋愛ものかと思いきや、深く考えさせられる映画でした。観たあともずっと余韻が残ります。
原作が読みたくなりました。
後からジワジワ来るようなえぇ作品・・・?!
後から,久々に?純粋且つわりと真面目&実は,深い内容だと感じた。
内容も格好良くしているだけな訳じゃなく,ベストセラー小説を作品にしたらしく、其処で更にえぇ意味で,納得した。 一瞬,作者の思う壺で?どっちがどっちだったっけ?なんて迷わせられてしまっちゃう所だったし…
深い
鑑賞後の何とも言えない不思議な余韻がクセになりました。
映像と音楽がとにかく綺麗。
恋愛観の価値観や立場によって最終的な結論が観る度に変わる映画だと思います。入念に練り込まれている脚本なので伏線をたどり回収しながら観ても面白いです。
見た後の余韻がたまらない
本多孝好さんの小説「真夜中の五分前」を映画化したのもらしいですが、原作は読まず観てきました。
まずは上海を舞台にした美しい映像とこの映画の主軸となる時計の音だけですぐ入り込んで魅入ってしまいました。
ひとりの男が愛したのは双子のどちらなのか・・・。
ただのラブストーリーと思いきやいい意味で裏切られました。
双子であるが故の苦悩、葛藤などが見事に表現され、愛するということは、相手の何を愛しているのか何を愛そうとしているのか、見た目が一緒であるならば何を信じればいいのか。
現実に戻り愛ってなんだろうと考える始末。
最後双子のどちらかが・・・(あっここでは言ってはいけないことですかね)
結末は観た人に委ねられていて、人それぞれ愛し方が違うようにこの作品最後の終わり方も人それぞれの見方で違うと感じました。
ちなみに私は試写ふくめ2回観に行きましたが、不思議と結末が違ったのにはびっくりしています。あ~奥が深い。
とてもミステリアスで観た後もしばらく余韻がつづく素晴らしい作品だったと思います。
全60件中、41~60件目を表示