「色気に足らず。」ルパン三世 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
色気に足らず。
またまた公開された大ヒットアニメの実写版。
原作よりもTVアニメで絶大な人気を博してきたこのシリーズ、
あの耳慣れたテーマと合わせてファンはかなりいると思う。
これも放送開始時から見ていたので、ハッキリいって無数の
違和感がキャスト全体にあったけど、小栗ルパンはまずまず。
ただやっぱり、どんなに小ネタや持ち物に拘って再現をしても、
モノマネ大会にしかなっていないのが残念だった。
アクション満載!(タイ・香港、韓国チーム)なのはいいとして、
軽妙洒脱なルパン三世が、実写じゃやっぱり観られなかった。
原作やアニメのルパン三世を初めて見た時、
子供心にこの猿みたいな顔をした男の持つ色気に圧倒された。
オシャレで雑で軽くて女(というか不二子)好き、いやらしい
大人のイメージがアクション以上に子供心をくすぐりまくった。
そんなルパンが好きになる不二子という女が最大の曲者で、
当時も、これを実写でやれるのは誰だろう?なんてよく話した。
最近では、やっぱり山田康雄がいいよねぇ~。と、
過ぎ去ったあの日のドラえもん声(大山のぶ代)のように再現。
「そらないぜ、ふぅ~じこちゃ~ん」「ごめんねぇ、るっぱぁ~ん♪」
のやりとりが、脳内で今作への評価を邪魔していたのは本当。
どうしてもね、頭の固い中高年は、あの頃のルパンが離れない。
今回の新星ルパンのキャスト陣。俳優勢は誰も悪くはなかった。
なかったんだけど、どうしても入り込めず、不二子の格好良すぎて
色気のないところ、次元がまるまる顔を出して微笑んじゃうところ、
五ェ衛門の車上胡坐はいいけど真っ二つにならない残念なところ、
銭形は頑張っていたけど…元が違いすぎるなど、愚痴ってばかりで、
いや、それでも面白ければOKだったろう内容そのものも陳腐で、
大変申し訳ないけど、展開のトロさに何度もウトウトしてしまった…
もう少し楽しめると踏んでいたので、自分でもかなり意外だった。
唯一、冷静にルパンを演じる上での心得と役割を慎重に語りながら
演じていた小栗君だけはルパンに見えた。奥さんも出てきたけど^^;
「ルパン初心者なら、楽しめるんじゃないかな?」と語っていた彼の
言葉が、なるほどね~。と胸に沁みる作品になっていた。
因みに不二子ちゃんを演じた黒木メイサ、嫌いな女優ではないし、
演技もアクションも格好いいとは思う。ただ、なんで彼女がいつも
アニメのヒロインなのかが分からない。他に適材はいないのか?
ヤマトの雪も、ルパンの不二子も、ぜんぜん違うと思うんだけど^^;
(日テレアニメをTBSで作るからテーマも使えないの?さらに致命的)