「ルパンへの誠意と映画の技術」ルパン三世 マイケルテツさんの映画レビュー(感想・評価)
ルパンへの誠意と映画の技術
ルパンへの誠意
半世紀近く多大な人々に愛されている人気漫画を実写映画化するにあたって、制作者サイドにルパンへの誠意・志・リスペクトがどれほどあるのか?
これはワンシーンで1mmも無いことがわかります。
移動中の機内
ファーストクラスに座ってる小栗
そこへ客室乗務員扮する山田優が現れおざなりな会話。
小栗がニヤけていい女だぁ~風リアクション。。。
なんだこのシーン。小栗旬と制作サイドは頭大丈夫か?
言わずと知れたこの二人は実生活で夫婦です。
糞下手なりにもルパンを演じようとしている小栗旬は劇中で人間小栗旬に一回戻ります。
このシーンを観客はどう言う気持ちで見れば良いんだ?
これを小栗と北村龍平は洒落てるとか気が利いてるとか本気で思ってるのか?
百歩譲って、ルパンは女ったらし的キャラクターを劇中にぶっこみたいとしてもこのワンシーンでそんな事は伝わりません。
このゴミアイディアを誰が思いついたか知らないが、小栗旬でも北村でもプロデューサーでも一人ぐらいは固辞しろよ。
一事が万事こう言う事なので、作品に一本適当で良いやぁ~って筋がキッチリ通ってます。 そりぁ屈指の駄作にもなりますよ。
映画を創る技術
脚本が酷い。
強盗シーンに驚き、緊張感、意外性が一切無い。
個々のキャラクターの作り込むが浅く(役作りも含めて)裏切り、バディ感、別れ等人間模様が薄過ぎる。
トレーニングシーン自体がルパンの思想から外れてる上に撮り方が下手なんで全くカッコ良く無い。(しかも下手糞なボクシングの練習だってバカじゃね~の、せめて同じシチュエーションのセットを作って強盗のシミュレーションをするとか有るだろ)
記憶に残るセリフなんかもゼロ。
カタルシス的な感じもゼロ
アクションシーンが駄目
要所を押さえて無い。予算の問題は有るにしろ序盤のカーアクションでランクルは斬鉄剣で真っ二つでしょう。
五右衛門に「また斬ってしまった」ってセリフも言わしてるのにランクルに傷一つ付いていない。
監督に知能あるのか?
他の何処に予算を使う?
アクションに合わせた画角、カメラワーク、カット割りのセンスが全く無いので何をやってるのか分かり辛いし興奮は一切無い。
格闘シーン自体も新鮮味ゼロ。多分演出側は何か新しい工夫をする事を諦めてる。
演出
とにかくドラマ部分・アクション全てに於いて演出が稚拙。
この北村龍平って監督は美的センスも無いし作品に対する哲学とか執念も無い。
何故この人が映画が撮れるのか不思議。
この作品を見る限り、まだ品川庄司の品川の方が監督として上 だと思う。
レビューで星を3以上付けてる人は関係者かまだアクション
映画を観た事の無い中学生だと思います。
ラストシーンで綾野剛が何の脈絡も無く突然大爆笑します。
気が触れたのかな~と一瞬心配になりましたが「糞映画に出ちゃた~」と自虐的に笑ったのなら合点がいきます。
+1点です。