「良作。」ルパン三世 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
良作。
ルパン三世は、アニメで1度だけ見ただけで、漫画も映画も見た事がありません。ですが、モノマネ番組とかCMとかでは見た事があるし、キャラ各々がどんなイメージなのかくらいは知っている、というレベルです。なので、このアクの強いキャラを実写化したらとんでもない事故が起こると思ってました。もう叩く気満々で劇場へ。
実際に見てみると、これはおもしろい。
話としての突っ込みどころが多いし、序盤お屋敷のアクションシーンなんかは誰が誰だかさっぱり分からなくて残念。ルパンが大泥棒と呼ばれる理由の説明が無く、ルパンの三世だからって説明だけで初見には優しくない。銭形のようなアナログ感満載のおっさんがインターポールに所属してるのもかなり無理がある。
キャスティングも疑問ですね。アニメを見る感じだと、ルパン一味の年齢は35歳〜40歳くらいだと感じるけど、今回のキャストは銭形も含め若すぎる。特に五右衛門と銭形の中途半端なモノマネ演技も本当に酷い。ルパンや不二子、次元の演技は自然に感じました。自然と言っても、アウトとオッケーのぎりぎりのラインと言った感じ。
それでも良作とするのは、次元とロイヤルの格好良さの2点です。
玉山鉄二がホントにカッコいいです。ってかオリジナルに負けないくらい渋い。大好きになりました。
あとは敵一味のロイヤル。この人もかっこ良すぎる。
このロイヤルさん、韓国映画の「アジョシ」に出てますよね。あの演技も最高でした。子供に優しい殺し屋ね。ホントに最高です。今回はそこそこ残虐な役所ですが、カッコいいです。
布袋さんのテーマ曲の使い方ですが、ルパン達がギアを上げたあの場面まで我慢した点はかなり評価できると思います。
吹き替え問題についても触れておきます。
こんな無茶な吹き替えをする映画を僕は知りません。強いて言うなら「スキヤキウエスタンジャンゴ」ですが、あれは全編英語でセリフ吹き替えが売りの映画であって、今作はいきなり展開されるから、これが演出なのか飲み込むの時間がかかった。これは頂けない。
最後に。山田優を出すのはやりすぎです。