「考えてねーだろ。」闇金ウシジマくん Part2 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)
考えてねーだろ。
”考える”って、自分の願望を並べるだけでなくって、客観的に現状を把握して、成功した場合と失敗した場合を考えて、ベターな方法を選んでいくってことだよね。
こうなったら次はこうなるって見通しがたてられるかってことだよね。単なる夢じゃなくて、リスクとリターンを的確に把握できるか。
そして自分を大切に思えるのか。
マンガや映画だけでなく、現実世界でも、刹那の夢ばかりを追いかけて、本当の明日が見られない若者が多すぎる。
それが悲しい。
ドラマ未見。
原作途中まで鑑賞。ちょうどこの「ヤンキー君」でついていけなくなって、それ以降はパラパラと読むくらい。
原作からすると、「ヤンキー君」は映画ではずいぶんアホさが強調されていて、もうコメディにしか見えなくなっている。
かなりぬるい。愛沢と丑嶋のガン対決もしょぼいし。愛沢ってそれなりに危ない奴だったと思うけどなんだこりゃ。
とはいえ、前作でも、”お父さん”より”お父さん”に群がる大学生の屑っぷりがひどかったが、
今作でも、愛沢に群がる小中学生の方が屑だった。大丈夫か、日本。(それでも漫画よりずいぶんマイルドになっているけどね)
やくざが上納金をせびりに来ている場面があるけど、説明ないので、他の映画のやくざやさんのやりかたを頭の中で補ってみる感じ。あれだけ動じない丑嶋でさえ簡単につっぱねられない状況と言うのが描き切れてなくてここも緊迫感が無かった。
ホストに群がる太客を含めて、カウカウファイナンス以外の登場人物があまりにもバカすぎて…。いかにも、っていうデフォルメが効きすぎる。って、ワザとの演出?
前作は、筋がすっきりしなかった。
今作はマサルをめぐるエピソードが、助けたりつき放したり、それに伴ってのマサルの行動がもうギャクにしか見えないというおまけがつく半面、ホストのエピソードはわかり易く、それなりに面白かった。ストーカーが彩香に目をつけて絡んでくる過程もありそうな話だったし。
そんなふうにケチをつけたくなる中に、5円のエピソードとか、ホストって「女に夢を見せる商売だろ」とか、要所要所に「へえ~」と言いたくなるような台詞が入る。
カウカウファイナンスの面々の結束力も凄い。カウカウファイナンスの面々の掛け合いは何度も観たい。
反面教師にしたい映画だけど、精神的にバカな子どもが真似すると危ないなあという場面も多いので見る時は要注意。
☆ ☆ ☆
今が旬の役者が勢ぞろい。それだけでも勢いがあります。
でもやっぱりこの映画では山田氏。『勇者ヨシヒコ』やプレイステーションのCMとかと一緒に観ると、ハマってしまいますねぇ。今後を期待しています。
(綾野氏は『そこのみにて輝く』や『怒り』が良い。
窪田氏は『ふがいない僕は空を見た』や『64』が良い。)