「なんだかなぁ」寄生獣 完結編 ハチミツ舐太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
なんだかなぁ
山崎貴監督作品は、ALWAYSシリーズ、ドラえもんとを鑑賞済。
どの作品も、自分と感性が合わないか、映画の見方が悪いためか、良いとは感じなかった。恐らく後者なのかな。
と言う背景があるので、個人的にかなりハードルや観方を変えて鑑賞した。
他方、寄生獣は連載中から読んでいた、とは言えそこまで思い入れはない状態。また、原作と映画とで、その物語の本質をしっかりと描けていれば、全てが原作通りでなければならない、という考えではない。
結果から書くと、前編〜後編と通じてどうにも好きになれない、というのが率直な感想。
漫画版寄生獣が、言いたい事と、映画版とでは、乖離があり過ぎるのでは?と感じた部分が大きいからだ。
少なくとも、愛する人を守る、のが主眼な物語ではない、はずだ。
映画版では、人間を善、パラサイトを悪と描いているようで、そこにも引っかかった。そこまで単純な話ではないのになと。さらに、後藤を単なるラスボスにしか描いていない部分は、物足りなかった。後藤は、田宮と並んで、ある意味でのパラサイトの代表なので、そこらへんを丁寧に描いて欲しかったなぁと。寄生獣の核となる部分なだけに、残念だ。
特に気になったのは、ラストのゴミ焼却場のあたり。
描き方が相当雑じゃないかなと。
放射能ガレキを出すあたりは、現在を反映させているつもりなのだろうが、放射能ガレキを扱うには、やや風通しが良い施設だったり、第三者が自由に入りやすい施設だったり、警備がずさんだったり、気になって仕方なかった。
ここは原作に出て来た有毒物質のが、描きやすかったんじゃないのかなと。
と長々と書いたが、原作を読んでいただけに、違いの部分が大いに気になってしまったのが、楽しめなくなった原因なのかも知れない。
とは言え、一定のレベルで映画が出来ているのは確かなので、原作との違いが気にならなかったり、原作を知らない方は大いに楽しめる作品なのは確か。
原作者や監督に相性があるのはよくある事ですね・・・
私も好きではないが、何故か司馬遼太郎さんはよく読みましたよ。
自分では気づかない何かか惹かれるものが、あるんでしょうね。
さて、貴殿の精緻な観察力には敬意を表したいと思います。特に
技術的な知識は半端ではないと。山崎監督にその能力があればと
思いますが、優れたアドバイザーでもいるといいですね。