「ネタバレと考察と、山崎貴監督」寄生獣 完結編 Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
ネタバレと考察と、山崎貴監督
親子愛、恋愛、異なる種族との友情。
一部、滑舌が悪くて聞き取りにくい場面はあるが、会話を聞き逃したくないと思わせる内容の良さ、格闘アクションとしての楽しさがある。
BGMや主題歌など音楽も良かった。
【ネタバレと考察】
寄生獣は子孫を残すことは不可能で、○○が親であり、○○からの指示で動いていた。
ミギーは泉真一の感情から学ぶことができたが、他の寄生獣たちは人の脳のデータを書き換えるように寄生しているため、理性のみで判断し合理的である。
その特徴は人工知能と似ている。彼らはAIなのではないだろうか。
ソフトバンクの孫正義氏の予想する未来、過去に大ヒットした傑作映画『ターミネーター』、『マトリックス』等でもAIの支配については語られてきたがアプローチの仕方がユニークである。今作は、あからさまな人工的な存在ではなく、寄生する獣というミスリードを狙ったかのような存在で、その正体が人の造りしものであった、と考えると腑に落ちる。本文中の○○は、“人間”。
【山崎貴監督】
山崎貴監督は長編の作品を上手く切り取って撮る。二次元の世界を三次元に持ってくるのも上手い。CGのクオリティだけではなく、センスによってコミックの強みである迫力、間を大画面用に形成し直すため、再現度が高い。
【ミギー】
阿部サダヲさんの声が合っていた。
泉真一とミギーの出会いから別れまでを描いた(正確に言うと別れではないのかもしれないが)纏まりのある二部作であった。
エンディングロールも素晴らしく、主題歌「コロニー」(バンプ・オブ・チキン)も意味深で良かったし、泉真一の身體の中で存在し続けるであろうミギー(のような、定かではない)映像も印象に残る。