7BOX セブン・ボックスのレビュー・感想・評価
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運び屋
中南米のパラグアイのサスペンス映画って想像もつかないので興味をもって鑑賞。
主人公は市場の荷物の運び屋の少年、携帯電話欲しさにやばそうな男から7箱の運搬を引き受けたのが災難の始まり、目的地があるわけでなく連絡が来るまで市場の周辺を手押し車を転がすだけ。観ている方も何なのか分からないから興味が持続するプロット、お宝だと錯覚して襲ってくる輩もいて危機が迫るが知り合いの警官に救われる。なんとバラバラ死体を運ばされたらしいが、死体遺棄ならとっと海にでも捨てるでしょうに、犯人の意図が分かりません。主人公が少年だから派手なアクションは期待できませんし、舞台が市場周辺ですから単調です。冒頭から必然性の無い早回し、フラッシュバック、アップの多用などカメラワークにはこだわりが強いように見受けました、映画づくりが好きなことが伝わりますが、やっぱりメジャーな作品に比べると全てがチープに思えてしまう、偏見でしょうかね、相済みません。
一輪荷車で第4市場の買い物客相手の荷物運搬に明け暮れるヴィクトルは...
一輪荷車で第4市場の買い物客相手の荷物運搬に明け暮れるヴィクトルは動画が撮れるケータイ欲しさに胡散臭い仕事を引き受ける。何が入ってるのか分からない7つの箱を荷車に乗せて指示があるまで市場の中をしばらくうろついて帰ってくるだけの簡単な仕事、のはずが予想もしなかったハプニングに巻き込まれる、という筋のパラグアイ映画。
前代未聞の手押し車でのカーチェイスという思わず膝を打つアイディアも素晴らしいですが、あちこちに挿入される爆笑ネタ、ばら撒かれた伏線を丁寧に回収する見事なストーリーテリング、キャストのほとんどが素人ということを全く感じさせない繊細な演出、そして何より主人公ヴィクトルを翻弄する幼馴染の超絶ツンデレ女子リスのキュートさが愛おしい。ラテンアメリカからまた素晴らしい才能が発掘されたのは純粋に嬉しい。監督のフアン・カルロス・マネグリアから直接聞きましたが、全編EOS-1Dで撮影、照明機材は一切なし、アジア映画の影響下にあるような作風なのに黒澤明以外は知らないという意外なエピソードも印象的です。
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