「思い通りにいかないことばかりの人生」8月の家族たち kuさんの映画レビュー(感想・評価)
思い通りにいかないことばかりの人生
この作品を観終わってから観た人はどんな風に感じているのだろうとレビューを色々と見てみたのですが、結構評価が分かれていますね。
ざっと見た中では「もっと救いがほしかった。ただの家族喧嘩を延々と見せられただけだ。演技の上手さを見せつけ合っているだけ。」というのを多く見ました。
確かに救いは何もない。家族喧嘩ばかりしている。皆がすごい演技をしている作品。そう思います。
ただ個人的にはどちらかというと好きな作品です。
この映画を何かを得るためのエンターテインメントとして観たならば面白くないと思いますが、自分の現実に疲れたときなんかにぼうっとみると、なぜか楽になったりするのではないでしょうか。
父の失踪を機に、ばらばらだった家族が集結、しかしそこから薬物中毒の母を中心に皆が感情をどんどん抑えられなくなり、音を立ててそれぞれの家族が壊れていく。
その壊れっぷりは見事なもので、演者の鬼気迫る演技が素晴らしかったです。メリルストリープはもちろん圧巻。
人の人生ってほんとにうまくいかないことだらけ。家族も他人の集まりなのだから思い通りにいかないことだらけ。
この映画では終始そういうことを描いている気がします。
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