劇場公開日 2014年6月28日

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「原始的な僕らは」her 世界でひとつの彼女 marさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0原始的な僕らは

2020年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

楽しい

幸せ

ラブストーリーなんだけど、すごくたくさんの切り口を含んだ作品だったと思う。
テクノロジーについてとか、現実と虚構の境目とか、自分ってなんだ?って疑問とか。
AIものとして考えるなら『エクス・マキナ』がサスペンスよりで、
本作がラブコメよりみたいな感じかな。

感じたのは、人ってたぶん悲しいときに哲学的なことを考えがちで、
恋愛は喜びも悲しみも両方もたらすから、すごく考えるきっかけになるというか。
言い方を変えれば愛が人を成長させるというか。

ただ同時に、人って肉体的にも精神的にも原始的な部分も強く持ってるから、
僕は恋だの愛だのの対象はやっぱり、実体があってこそだと思う。

たしかにサマンサはすごく人間的な感情を示したし、
新しい「命」のあり方ですらあるような気はする。
だけど結末も含めて考えると、彼女の感情って
すべて“情報”だったんじゃないかと感じちゃうんだよね。

んで原始的な僕らの感情は、良くも悪くもそれとは違う次元にあるんだなと。

なんか上手にまとめられないけど、
なんでも高度に発達すりゃ良いってもんじゃねーぞっていう
人間賛歌として僕は受け取った。

mar