劇場公開日 2014年8月8日

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「ドラ泣き させていただきました。(ネタバレあります。)」STAND BY ME ドラえもん tadashi.yoshida.7355さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ドラ泣き させていただきました。(ネタバレあります。)

2014年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

ずっと、楽しみにしていた作品。ようやく観てこれました。

まあ、'doraemon'と打ち込むだけで、勝手に'ドラえもん'と変換してくれる国民的キャラを「もののけ島のナキ」のコンビがフルCGで映像化するのだから、面白くないわけがない。

それにしても「いっしょに、ドラ泣きしません?」とは、挑戦的な宣伝文句である。

1964年8月7日生まれののび太クンよりも、2歳も年長で、テレ朝版よりも前の日テレ版のドラえもんを見ていた私である。
富田耕生がドラえもんの声を担当していたことは知識としてしかしらないが、野沢雅子がドラえもんだったことは、ちゃんと覚えているのである。

ドラえもんのいい話なら、大よそ原作を知っているのである。
で、「どうやって泣かせてくれるのかね?」という、やや斜に構えた感じで、でも大いに期待しつつ鑑賞させてもらった。

以下、ネタバレである。
・未来の国からはるばると
まあ、初登場シーンなので、手の加えようがないかと思っていたけれど、ドラえもんが「ホントはさっさと未来に帰りたかったんだ。」という重要な設定を加えている。
これが後で効いてくるのだから、本当に大したもんだと思う。
また、映像的には、予告編を見た時からのび太君の表情にどうも違和感を感じていたのだけれど、理由がわかった。
漫画では、のび太君の眼鏡と目が一体で、眼鏡の額縁がそのまま白目の輪郭になっているのに対して、この映画では(当然の事ながら…)眼鏡と目が別々になっているので、リアルな分、漫画と違って見えているのだけど、見ているうちに慣れて違和感もなくなった。

・たまごの中のしずちゃん
のび太クンの情けなさ全開のエピソードで、どうしてこんな話を選んだのかと思ったけど、前半部分にこの話を持ってきて、(特に出木杉君との対比で)のび太クンの情けなさを際立たせることが、狙いなんですね…

・しずちゃんさようなら
のび太クンは本当にどうしようもなく情けない奴なんだけど、基本的にはいい奴なんだなと思えると同時に、しずかちゃんに惚れる。
しずかちゃんをヒロインにするためのエピソードとしては極めて効果的。

・雪山のロマンス
原作では、またまたのび太クンの情けなさと、しずかちゃんの男前っぷり(?)が際立つお話だけど、この話は大幅に手が加えられていて、中盤の山場になっている。
とても感動的になっていますが、あえて苦言を呈させてもらえば、「雪山に軽装で入ってはいけません!」

・のび太の結婚前夜
娘の父親としては、この話は涙をこらえきれない。
しずかちゃんのお父さんがのび太クンの事を「あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことができる人だ。(中略)かれなら間違いなく君を幸せにしてくれると、ぼくは信じているよ」というシーンがあるのですが、しずかちゃんのお父さんのような「できた人物」にはなれそうもない私は、のび太クンのような男性が娘と結婚したいと言ってきたら、まずは全力で反対する。うん、絶対!
近未来世界で、TOYOTAとPanasonicの看板がやたらと目立つのは、大人の事情なので笑ってスルーします。

・さようならドラえもん ・帰ってきたドラえもん
ドラえもんの最終回には諸説があって、都市伝説では「のび太植物人間説」や「ドラえもんの開発者はのび太説」等もあるが、さすがにオーソドックスに「ドラえもん未来へ帰る」のパターンが採用されている。
この「未来へ帰る」パターンも数種類あるが、てんとう虫コミックスの6巻の最終話に収録されているお話で、同じく7巻の第一話に収録されているお話とのセットにしたところがニクイ。
で、ここで、冒頭のドラえもんが「ホントはさっさと未来に帰りたかったんだ。」という設定が生きてくる。
ドラえもんは「のび太クンを幸せにする」というミッションをクリアしたので、未来に帰るのだけれども、いつの間にかお互いに離れがたくなって…
文章で書くとありきたりなストーリーになってしまうけど、話の運び方がうまい!

なお、エンディングの映像は、トイストーリーに対するオマージュだと思う。(これも必見!!)

結論:ドラ泣き させていただきました。

tadashi.yoshida.7355