「設定/脚本/演出がノイズとなり綾瀬はるかの可愛さすら楽しめない作品。」万能鑑定士Q モナ・リザの瞳 Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
設定/脚本/演出がノイズとなり綾瀬はるかの可愛さすら楽しめない作品。
酷かった。
設定、脚本/演出がノイズになり。
綾瀬はるか のアイドル映画としても楽しめない作品でした。
まず設定。
主人公である凜田莉子の劣等生/天然設定。
高校時代の莉子と教師の遣り取りは目を覆わんばかりの惨状。
流石に綾瀬はるかのキャラに寄せ過ぎた映画独自の設定だろうと戸惑いと苛立ちを覚えていたのですが。
帰り道にWikiで調べてみると原作もこの設定が。。
この設定を躊躇なく世の中に出せる方って一周廻って天才ではないか。
相棒である小笠原も謎人物。
知らない人物達の話を盗み聞きした上に事件に巻き込まれ、後日ストーカー化。
大して交流期間が無い莉子に執着する彼の姿は最早恐怖の対象。
得体の知れない小笠原を松坂桃李が熱演しています。
その他、村上弘明演じる朝比奈が肩書の割に防犯意識が薄かったり。
宝石泥棒達がわざわざ人が大勢集まる会を主催した上で犯行に及んだりと枚挙に暇がない。
そして脚本/演出。
フォトショ技術がこれだけ向上した現在。
あれだけ手の込んだ犯行を行う集団があんな雑な加工はしない。
…なんていう細かい所を挙げていくとキリがないのですが。
一番の残念ポイントは本作での謎とやらが大した謎ではない点。
序盤の見せ場であるルーブル美術館での採用テスト。
ここでは厭らしい程に或る部分を強調するため驚きが台無し。
採用テストの過程を描く通路の場面が映像が全く気持ちよくない。
また採用後の訓練場面も御粗末。
執拗に繰り返される訓練…ですが内容説明時点で。。
観客に先に感付かれるミステリって、どうなんでしょうか。
後半繰り広げられる警察官をゾロゾロと引き連れた追いかけっこも嘆息。
途中で(悪い意味で)映画「踊る大捜査線」シリーズになっていました。
あの人数が同じ場所に向けて急行する意味って。
あと諄いようですが村上弘明演じる朝比奈の防犯意識が本当に低過ぎる。
今回の諸悪の根源は当該人物の迂闊さだと思われます。
設定/脚本/演出がノイズとなり綾瀬はるかの可愛さすら楽しめない本作。
登場人物は死なないものの、作品としては完全に死んでいました。
予告編で流れるスタイル抜群の後姿を観て「流石、綾瀬はるか」なんて思っていたのですが。
…まさか違う人物とは。。
なお真贋鑑定理由を「何となく」と潔く言い切ることで美術的観点での説明をバッサリ省く、その手腕には感心しました。
綾瀬はるかを大画面で観れれば満足する方のみ。
オススメです。