「始め良くても終わりがねぇ。」万能鑑定士Q モナ・リザの瞳 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
始め良くても終わりがねぇ。
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謎解き小説の映画化は厄介なな仕事だ。基本的に言葉で説明するのだから。
ルーブルでのロケを敢行した本作。
厳しい制限の中での撮影だったことは想像できるので、あの程度の露出に止まったのも已む無しだろうが、それなりの効果はあった。
しかし、結局物語は日本で進んでいくし、スペクタクル感を出せるような物語でもなく、モナ・リザ窃盗団というスケールの大きな設定のわりには小さくまとまった感じ。
佐藤信介監督は「図書館戦争」で、原作のストーリーそのままに映画的なスケールアップを実現してみせた実力者だ。
イントロ部の試食会強盗のエピソードは、スリリングであり且つ、主人公の紹介と本編事件のきっかけの説明の両方をうまく処理している。
主人公の超人的な記憶術の表現も面白かった。
モナ・リザが盗み出されたあとの追跡過程もスピード感があって、ハラハラさせる。
本作でもなかなか良い仕事をしている。
ただ、肝心の謎解きに伏線が張られていないので説得力がまるでない。
港での真贋検分のシーンも一気にスリルが失せてしまった。
脚本が良くないような気がするが、竜頭蛇尾の典型になってしまった。
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