ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅のレビュー・感想・評価
全12件を表示
グーはいけない、グーは
タイトルとモノクロっていうと、確かにブルース・スプリングスティーンの「ネブラスカ」を思い出すが、「ネブラスカ」はほとんど聞かずに「トンネル・オブ・ラブ」ばかり聞いてたことを思い出した。
それはさておき、要は、親孝行したい、親孝行されたい、というとっても私的な願望を、さりげなく押しつけがましくアッピールした映画。
優しい映画っていう評価があるかもしれないけど、主人公のじじいに同行する息子はよそのじじいをグーで殴るシーンがある。
なんだい、てめえのおやじさえ優しくしとけばいいのかよ。
もうこの時点で感動押し売りプラスの自己中な主張で完全アウト。
追記
もうちょっと言うと、アメリカ人にとってのネブラスカという土地が意味すること、カトリックなのにきったねえ言葉しかしゃべらないババアなど、日本人には全く理解できない部分も多い。
100万ドル当たったよ!
よくあるDMで、100万円が当たりました!などと書いてある手紙。本人以外はみんな無駄な手紙だと知っているが、故郷に住むレイ伯父さんの家にも寄っていけるし、いいかな~などと息子のデイビッド(フォーテ)は車に乗せて連れて行くのだった。
ボケも入っているが酒も大好きなウディ(ダーン)。酔っぱらって線路で転んだため入れ歯を落とすというヘマも起こす。100万ドルが手に入ったら、まずトラックを買ってコンプレッサーを買うと周囲に漏らす。親せきが集まった席でも堂々と喋るし、故郷のバーでも皆に言いふらすのだった。真実を知らない皆はウディにたかろうとし始める。中でも親せきの者たちが一番しつこかった。そんな彼に甥たちが闇討ちで手紙を奪うが、インチキな手紙だと知るとすぐに捨てたため、バーの連中にもバレてしまった。笑われるウディだったが、まだ信じている。しょうがないので、デイビッドは父をネブラスカまで連れて行くのだが、そこでは「当選してません」と呆気なく言われ、帽子をプレゼントされた。
帰り道、デイビッドは乗ってきた車を下取りに出し中古のトラックを買い、コンプレッサーも買ってあげるのだ。何やら喜んでいいのかわかってないウディは故郷の町を走り、皆に自慢げな顔をするのだった・・・
(ほぼ備忘録)
私も次男と同じことをしたと思う
去年父を亡くしたので「分かる。。」と思いながら観ました。子供って親から完全に50%ずつ遺伝子を受け継いでいるから感性の部分でどちらかの親と必ず被る。または「こう感じてるよな」って想像できてしまう。次男は親父さんの気持ちがわかるんだね。弱っちい親父さん、100万ドルが本当に欲しい理由は。。泣けました。この映画の良さがわからない人はまだ子供ってことです。ある程度の年齢の人が見れば泣けます。泣けない人は大人になってない人なのです。ロードムービーは地味になりがちだけど、結構秀作が多い。これは中でも特によかった。白黒については最初「ん?」と思ったけど途中からすっかり気にならず、レビューを見てそうだった、と思ったほど。つまり色は全く関係ない、ストーリーに没頭させるためだったのではないかと思う。先のレビューで[Prize winner]の帽子が実は皮肉ではなくて、息子その人がprizeとの解釈、見事です。
親父には共感できないが仕方ないか
宝くじ当選者に人が群がるという話はいかにもありそうだが、
この映画の場合、主人公が本当に当選したかはかなり疑わしい状況で、
しかも主人公に群がる親族友人には、その分け前に預かるための正当な理由もない。
そういう半端な状況にもかかわらず、人間関係が破壊されても構わないような
強気な態度で無心をする親族や友人が多い。状況的にありえないだろう、と。
リアリティが感じられなかった。
父子の触れ合いもいまいち共感できなかった。
子の父を想う気持ちは素敵だが、父には共感できない。
詐欺の証拠が揃っているのに、そこを直視せずに本当と信じ込もうとしたことや、
子に大きな迷惑をかけるとわかりながら旅に付き合わせたこと、
乗れもしない高額な車やらを裕福でもない息子に買わせたことなど、
父のやったことは、子に相当な負担をかけることばかりである。
息子が、悠々自適に暮らす金持ちならいいだろう。
だけど、この映画の主人公のような庶民にとっては
数週間に渡る休暇の取得や数百万円の買い物は、本当に痛い。死活問題である。
この父は、息子がそういう苦しい状況になるということまで考えただろうか。
親子関係は千差万別だが個人的には、この父には共感できないの一言に尽きる。
とにかく頑固
主人公はとにかく頑固。それも最後までちっともかわらず。それなのにラストはスカッとして見事。まるで自分があの町にたたずみ、彼の運転するトラックをゆっくりスローモーションで見送ったかのような気持ちになる。
いい映画だった
すごくリアルなアメリカが描かれていただんじゃないだろうか。美男美女が皆無! 主人公も普通だし、他の登場人物は老人と中年ばかりだった。
モノクロ映像がそのうち物語の展開に従ってカラーになると思っていたら最後までモノクロのまま。
お母さんがお墓で毒舌をかまして、スカートをまくる場面が最高だったけど、もし自分の結婚相手だったら嫌だな~と思った。
結末で、おじいちゃんが高額当選者みたいな様子で街を車で横切って行くのが痛快だった。
最近つくづく思うのだが、50手前にもなると、もはや成長も学習も向上もなくなり、どんどん諦めと惰性ばかりになるばかりになってきている気がする。子供が入れば見本になるような生き方をしたいと思うかもしれないのだが、そうじゃないので本当にどうでもいい。もう我慢なんかしていられるか、という気分で、この映画でおじいちゃんがリンカーンに行きたいって言うんなら行かせてあげればいいし、車の運転もさせてあげればいいと思った。
髪がぽやぽやしてた
サエない父ちゃんの話だが、息子の方もサエない。
仕事も微妙、彼女はもっと微妙、母ちゃんウザい…そんなサエない日々の息子、父ちゃんダシにとりあえず旅に出て現実逃避したいだけでは?と、最初思った。が、観続けるうちに、情けない父ちゃんを丸ごと受入れる旅は、父ちゃんに似て情けない所のある自分を受入れる旅でもあるんだなあとシミジミ。
父ちゃん演じるブルース・ダーンの、鼻毛がみっしり生えてる感じが良かった。ぽやぽやした髪の毛もイイ。うちのおじいちゃんに似てた。
入歯とかいろんなモノを探しまわるところもイイ。
くだらないモノを探して人生は過ぎていく。それを諦めではなく希望として描いているところがイイ。
未完成感
5人の大統領が崖に掘り込んである有名な山を見上げながら、「感想は?」と息子に尋ねられた老いた父親の言葉は「未完成だな」。真っ正直を絵にかいたような息子の期待をはぐらかすくせのある大酒飲みの父親。宝くじで1億円が当たったと周囲に吹聴しているが、0.000001%の確率を楽しんでいるにすぎない。本来、宝くじとはそういうものだ。当たっているかいないかわからない時の流れる間がすべてである。
その時間を描くには、人生のゴールが近い父親がとりつかれたように宝くじの結果を求めて突き進む密度が必要で、その密度が滑稽さを通り越して痛々しい。死を覚悟した老人に引きずられるように、会いたくもなかった親戚・家族・昔の友人が寄ってくる。いや、真っ正直な息子がおせっかいをやいているだけだ。父親にしてみれば親孝行のつもりの息子から逃げたいのだが、肉体の衰弱には勝てず、息子と旅に出て、人生を振り返ってしまう。
ロードムービーといっても、車はあまり走らない。金目当ての旅なのに1500kmを3日もかけて走るから、走りたいのか休みたいのか、よくわからない。老いた父親も金が欲しいのか欲しくないのかもよくわからない。旅の途中で酒ばかり飲んでいる。宝くじに当たっているはずがないのに、当たっていないことを確かめなければ旅は終わらない。当たっていないことがわかったら旅は終わる。そのむなしさがこのロードムービーの命である。
宝くじ発行元の事務所で、パソコンで当選番号を確認して、当たっていないことがわかってから息子が本領を発揮して、父親の昔の友達に一泡吹かせる。旅も終わり、人生ももう終わる時に、最後に旅を楽しもうという趣旨のようだ。いたずらをする面白さの効果をどうとらえるかで、映画に対する印象は変わるので、最後の展開については、賛否が分かれると思う。
優しくなりたい。
つい先日「私立探偵 濱マイク」の感想を書いたと思ったら、
なんと今作にご本家のマイク・ハマーが出てきたので驚いた。
主人公の人生に何かと絡むエド役がその人。
アカデミー賞にもノミネートされた本作。
全編モノクロームで、モンタナ州からネブラスカを目指して旅に
出た父子の珍道中を描いている。
冒頭、高速道路をおぼつかない足取りでとぼとぼと歩く老人。
パトロール警官に、どうして高速道路を歩いているんだ?と
聞かれ、宝くじに当選したから貰いに行くんだ、と平然と答える。
次男が連れて実家に帰れば、口煩い母親がまたやったの!?と
この父親を責め立てる。あ~一度や二度じゃなかったのね^^;と、
この爺さん、もうきてるんだなぁ(表現が悪いですけど)と思った。
すでに自分の親も、いつこんな風に歩き出すか分からない運命を
抱えた年齢になってきているので、他人事とは思えない。
物静かながら眼光鋭い視線のB・ダーンは昔の面影を失わず、
淡々とこの老人を演じている。口喧しい妻のJ・スキッブなど、
その年齢でそんな下ネタ言うかよ!?と思うほどの熱演である。
代理キャスターとして働く兄と、お人好しで何かと不運続きな弟。
強固な決意の父親に同行することになった次男が、その道中で
父親の知らなかった過去に触れていく…というロードムービー。
昔の貸し借りをネタに次々と賞金にあり付こうとする親類や知人。
詐欺だといっても信じて貰えず、渡さないなら人でなし呼ばわり。
挙句には手紙を盗まれて、バーで詐欺をネタに大笑いされる始末。
過去の借金や(お互いにね)酒のツケなどを引き合いに、あさましい
やりとりが展開するが、どれもあぁ有りそう…と思うことばかり。
当選しても誰にも言わない方がいいのはこれがあるからだ。
私的に心に残ったのは、もちろん最後のシーンではあるのだが、
賞金を貰いに行った会社で、最後にふと息子が聞いた
「こういうことよくあるの?」に対し「たまにね。アルツハイマー?」
と受付女性が応える一コマ。残酷な運命を提示しながら、どこか
貴方がいるからお父さんは幸せね。と告げているような気がした。
運転を代わった父親の誇らし気な笑顔は、いつまでも胸に残る。
(現実を受け容れ、感謝し、恩返しをする、それができるうちに。)
懐かしい風景
アメリカの内陸地方は本当に何もなく退屈。しかもくじに当たったなんて知ったら、少しボケたウディーでなくてもその気になってしまう。この映画はモノクロというより銀と灰色の感じが、その年寄りのウディーと街の殺風景さを象徴している。ボケもあるが純粋なウディーはひたすら信じてリンカーン市へ向かう。それに付き合う次男の優しさ。子供って出来の悪い子程、最後は孝行するとは周りでもよく聞く話です。そして大金の話を知った親戚や元の友人達のたかる姿は人間の一番嫌な所がむき出しでゾーッとしましたが、ウディーだけでなく、そういう人々も悲しい。あのお母さんも口が悪く下品だけど、頑強に子供達を守る姿がチラリと見えてほっとしました。全ての人々から見えたのは、貧困さ故、皆がこんな生き方していると・・。たった1%の金持ち以外は皆貧しいアメリカ国民。なんか切実、だけど、そんな中でも家族は助け合い寄り添う。心温まる映画ではありますが、元仕事仲間のずるさ(次男が殴ってスッキリ!)とか、最後にたどりついた偽のくじ売り場の女性事務員が「アルツハイマー?」とか「高齢者にありがちよ」と当たり前な顔して言ってた場面見て愕然と落ち込んだのは私だけだろうか?あまりに現実すぎて後味悪かったでした。救われたのは次男の車とトラックを交換できて、ウディーが運転できたこと。80年代のあの頃を思い出しウルウルしてしまったのでした。
個性的な?おじいさんとおばあさん
に振り回される息子のロードムービー。
咬み合わない親子、強い母親、30代中盤・自分の
年齢からかもしれないが、グッと来るものもクスっ
とする会話のやりとりもあって面白かった。
ただ、ほかのレビューの方も書かれていますが、
大きな期待は禁物です。
淡々と物語は進んでいきますが、最後はOKじゃないですか?
なかなかのスバルアウトバック映画で
スバルオーナーの僕には大満足!
全12件を表示