「家族っていい。」ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
家族っていい。
現在の監督のなかでは打率が相当高いアレクサンダー・ペイン監督の新作である。
まだ53歳なので、これからもどんどん撮ってくれるだろう。
100万ドルが当選したという手紙がウディ(ブルース・ダーン)のもとに届き、ウディはその賞金を受け取るために単身ネブラスカのリンカーンに向かおうとする。
次男のデイヴィッド(ウィル・フォーテ)や妻のケイト(ジューン・スキッブ)は詐欺だとして取り合わない。
だが、頑固なウディはなんとしてもリンカーンへ行こうとする。
結局、デイヴィッドが折れて、ともに旅をすることになる。
アレクサンダー・ペインは僕と同世代で、だから、丁寧な人間観察には恐れ入る。
賞金当選がデタラメとわかって観ていて、でも、大金持ちになると聞いた回りの人間たちは、まさにハイエナのごとく寄ってくる。
人間の業というか性(さが)というか。
すごいのはケイトで、家では夫のことをボロカスにけなすのに、夫のお金は守ろうとする。ハイエナたちに一喝したシーンは胸がすっとした。
家族っていいもんだな、と久しぶりに思った。たぶんそれぞれに役割があって家族は成り立っている。
いい映画を見せてもらった。
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