「心あたたまる映画」アバウト・タイム 愛おしい時間について しゃーろっとさんの映画レビュー(感想・評価)
心あたたまる映画
前半は、主人公ティムがメアリーに一目惚れしてメアリーとの愛を育んでいく、という話。後半は、日常の中に埋もれてしまっている幸せをティムとメアリー、そしてティムの家族を軸として描いていく家族愛の話。あたたかい気持ちになる映画だった。
印象に残ったシーンが、雨の中の結婚式。赤いウエディングドレスを纏ったレイチェルが美しかった。ティムが、雨の中の結婚式で嫌だった?と聞くと、メアリーが言った、「嫌じゃないよ。長い人生、いろんな天気の時があるけど、いつも笑って楽しんでいたいね。」という台詞が心に残った。前向きなメアリーがすごく素敵だった。こんな人が、周りを笑顔にしていくんだな、と。
それと、プロポーズのシーン。
奇しくもメアリーが行くのをやめた劇場で、3年前にふられた女性に再び出会う。成長したティムをみて誘惑する彼女であったが、それを振り払ってティムはメアリーの待つ家へと走る。BGMにロマンティックな生演奏、そして跪いてdo you marry me?とプロポーズ。
かっこつけたプロポーズじゃなくて、たまらなくメアリーに会いたくなって、たまらなくメアリーに結婚してほしいと言いたくなってしまったんだな、というもの。衝動的で本能的。すごく素敵だった。
レイチェルの仕草が一つ一つとても可愛い。切りすぎちゃったのって言って前髪を手で押さえる仕草がとても可愛い!服もレトロで可愛い!
ティムは、父に毎日を幸せに過ごす秘訣を教えてもらう。それは、毎日をもう一回繰り返すこと。そうすることで、見落としていた小さな幸せを感じることができる。お店の人と挨拶を交わしたり、一度きりの出会いにふさわしい爽やかでハッピーな会話をしたり、急いでいても、周りを見渡すと美しい建物に立っていることに気がついたり。
終わりがあるから、一瞬一瞬がとても愛おしい。終わりがあるから、一瞬一瞬を大切にする。何気ない一日を大切にしようと、一瞬を見過ごさないようにしようと思えた映画だった。気づいていないけれど、毎日が幸せで溢れてるんだなぁ!そうわかった映画だった。サイコー!!!
リチャード・カーティスの引退作であるらしい。一日一日を大切に過ごせ、というのはリチャード・カーティスの遺言めいていて切ない。リチャードが作り出す映画がこれで見納めとはなんとももったいない。もっとたくさんリチャードの生み出す幸せな世界観がみたかったものだ…