劇場公開日 2014年2月1日

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「原題は viaggio sola ひとり旅」はじまりは5つ星ホテルから きりんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0原題は viaggio sola ひとり旅

2021年5月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

【最初の印象⇒あとからひっくり返る】
82分という短い映画。
これって何かの理由があってここまで切り詰められた尺なのだろうが、主人公イレーヌと彼女を取り巻く人々とのエピソードが、どこを取っても描写不足の尻切れトンボ。残念でした。

観光地を巡るテレビ番組に、少しドラマ性を持たせた風で、日本でもよくあるタイプの作りです。
ただし歯の浮くような宿の宣伝レポートではなく、あら探しの覆面採点ね。

コロナ禍で当分海外には行けそうもないので、“早回り世界一周”を見せもらえて、この映画まぁまぁでしたね。

しかし「イレーヌはアフリカには行かない」という妙ちくりんなオチ付き。

【後から気づいたこと】
でも、
観終わって思ったんですが、
別に「恋」とか「家族」とか無しで、世界中を飛び回っているビジネスパーソンはいくらでもいるのだから、
「イレーヌには何かが欠けている」とか
「イレーヌは可哀想」
とかは僕はぜんぜん思いませんでした。

イタリア映画なんだから、女=イコール=子沢山の頑張り母ちゃんで、パスタとポモドーロの台所シーンがある筈だと思っちゃいけない。
それってステレオタイプの色眼鏡だったかも・・

そう思ってもう一度全体を振り返ると、やりがいのある仕事で忙しい彼女が、取り巻きの人たちと関係はそこそこに切り上げていて、それぞれのエピソードに深入りしてはいないこの脚本は、“残念”ではなく“これも有り”だとわかってきました。
だってイレーヌの人生はイレーヌ本人の視点で進むのですから。

作品のスピリットは、自立し活躍している素敵なイレーヌ。
アフリカに行きたくないのなら、行かないでOKなのです(笑)

[viaggio sola ひとり旅]
・・いいじゃないですか~🎵

・・・・・・・・・・・・

人類学者役で登場していたレスリー・マンビルに会えたのは思わぬ収穫。「ファントム・スレッド」でダニエル・デイ=ルイスのお姉さん役をした人ですね。加賀まりこ似の人。

きりん