劇場公開日 2014年2月1日

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「この映画を名作たらしめたシーン。」新しき世界 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0この映画を名作たらしめたシーン。

2024年4月10日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

怖い

知的

本作が2013年劇場公開されて11年たつ。
公開されるや大ヒットとなり、韓国内の映画賞を総ナメした。

主役は、暴力団壊滅のために危うい任務をこなす潜入捜査官役のイ・ジョンジェ、その上司カン課長役にチェ・ミンシク、主役と同じ中国系韓国人であり暴力団組織のナンバー2であるチョン・チョン役にファン・ジョンミンという3大スターが命懸けの ″男のドラマ″ を繰り広げる。

韓国ノワールと呼ばれる作品群の中でも、代表的な作品として人気が高い。
米国でも高評価を得て、公開とほぼ同時にハリウッドがリメイク権を買った!と話題になったが、その話はどうなったのだろう?

〽親の血を引く兄弟よりも、固い契りの義兄弟

中国人のルーツを持つ役柄のイ・ジョンジェとファン・ジョンミンの固い契りが、通奏低音として観客に共感と暗示をかける。
個人主義者の多い欧米人たちの「Hey! my bro!」というノリと、集団主義を是とする東アジアのそれは一体感や従属関係がまるで違う。
ハリウッドリメイクが本作の空気を再現しようとしないことを、むしろ願う。

ファン・ジョンミン演じるチョンが瀕死の床で、弟分であり潜入捜査官として自分を裏切り続けたジャソン理事(イ・ジョンジェ)と対峙する。
このシーンは、何度見ても切なく素晴らしい。

「もしも、もしもだが、、、俺の命が助かったらどうする?」

殺せ、と言わんばかりの渾身の問い掛けだ。
カッコよすぎるぜ、あにき。

Haihai